手術中の人工呼吸が術後肺合併症の発生に影響を与えるメカニズムに関する研究
Project/Area Number |
21K09002
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55050:Anesthesiology-related
|
Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
石川 晴士 順天堂大学, 医学部, 教授 (60282737)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 治 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80365600)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 肺保護 / 人工呼吸 / 炎症性サイトカイン / 接着分子 / 術後肺合併症 / 低侵襲食道切除術 / 低侵襲食道手術 / 保護的人工呼吸 / 片肺換気 / 食道癌手術 / 全身麻酔 |
Outline of Research at the Start |
集中治療領域での人工呼吸に関する研究に影響を受け、手術中の人工呼吸の様式が術後肺合併症の発生に影響することがしだいに明らかにされてきた。特に術後肺合併症のリスクが高い開胸手術では手術中の保護的換気戦略が世界的に広がったものの、今日でもなお高い頻度で術後肺合併症が見られ、人工呼吸管理にはさらに工夫の余地があると考えられる。本研究では従来は開胸手術に必須であると考えられた片肺換気が両肺換気よりも侵襲的であるとういう仮説のもとに、腹臥位低侵襲食道手術を受ける患者を対象に、両肺換気による人工呼吸が術後肺合併症の発生を低減させる可能性について検討し、そのメカニズムについて明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
腹臥位低侵襲食道切除術の胸部操作中の人工呼吸が片肺換気あるいは両肺換気のいずれでも実施可能であることを利用し、異なる人工呼吸方法が肺保護に与える影響について調べている。片肺もしくは両肺換気いずれかの優位性を証明できれば、腹臥位低侵襲食道切除術を受ける患者の転帰の改善につながる可能性があるほか、さらに広く他の開胸手術における術式や人工呼吸のあり方に影響を与える可能性があると考えられる。さらに人工呼吸に関連する諸指標や炎症性サイトカインなどの測定を通して、異なる人工呼吸方法が術後肺合併症の発生を含め、転帰に影響をもたらす機序を明らかにできれば、さらに保護的な人工呼吸の開発につながる可能性があるほか、術後肺合併症の薬理学的な予防法の開発などにつなげられる可能性があると考えられる。 本研究では腹臥位低侵襲食道切除術を受ける患者を無作為に2群に分け、胸部操作中の人工呼吸を一方の群では片肺換気、他方の群では両肺換気とし、胸部操作終了後の血清 IL-6 を主要評価項目とし、群間で比較を行うことにした。さらに、両肺換気が鏡視下の術野を悪化させる可能性や、片肺換気によって酸素化が悪化したり、気管支ブロッカーのずれなどによって生じる有害事象についても評価を行った。 病院から承認を得た最終的な研究計画は科研費申請の際のものとほぼ同様だが、共同研究者のスケジュールと予算の兼ね合いから、一部の検査項目(IL-6 など)については外部の業者に測定を依頼することとし、残りの検査項目(接着分子など)については研究室で測定することとした。 現在は概ね月2~3例のペースでデータの収集を行っており、順調に進んでいると考えられる。2022年度は32例の患者において、研究を実施した。現時点では研究に伴う有害事象は発生していない。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、2021年度は手術担当科との間で研究計画に関して話し合いを行い、研究計画を完成させ、病院倫理委員会の承認後に研究を開始することができた。2022年度は32例の患者において、研究を実施した。現在は月2~3例のペースで研究を実施できており、おおむね順調に進んでいると考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後も現在のペースで症例を重ね、目標症例数に到達できるように努める。目標症例数到達後に、接着分子などの測定を研究室内で行う。これらの測定終了後に国内外の学術集会で研究結果を発表し、学術誌に最終的な成果としてまとめる予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(11 results)