Project/Area Number |
21K09066
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 55060:Emergency medicine-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
栗田 健郎 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (60802569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 孝明 千葉大学, 大学院医学研究院, 教授 (20375794)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 敗血症 / SVEP1 / 遺伝子多型 / 血管透過性 / 血管内皮細胞 / リンパ管内皮細胞 / polydom / 血管内皮 |
Outline of Research at the Start |
敗血症は未だ致命率の高い病態の一つである. 敗血症の転帰には遺伝的素因が関係し, 網羅的な遺伝子多型解析により, 細胞外マトリックスタンパク質SVEP1に関する遺伝子多型が敗血症の重症化と強く関係することが明らかとされた. SVEP1の機能について, 近年, 胎生期のリンパ管形成や血管内皮安定化に重要な機能を果たすことが明らかとなったが, 未だ機能の全容は解明されていない. SVEP1の敗血症における機能を明らかにすること, 敗血症の病態に関する知見を深め, 今後新規治療法の創出に寄与しうる. 本研究は敗血症におけるSVEP1の機能を明らかにすることを目的とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
網羅的な遺伝子多型解析により, 細胞外マトリックスタンパク質SVEP1が敗血症重症化因子として同定された. SVEP1は細胞間接着や胎生期のリンパ管形成に重要な機能を果たすことが明らかとなってきたが, 未だ機能の全容は解明されておらず, 敗血症における動態や機能はほとんど解明されていない. 本研究では敗血症におけるSVEP1の機能を明らかにすることを目的とした. まず, 野生型C57BL/6マウスを用い, コントロールである手術なしモデル(no surgery: N.S.), 単開腹モデル(Sham), 腹腔内敗血症モデル(盲腸結紮穿孔, cecal ligation and puncture: CLP)の各群における, 肺でのSVEP1の遺伝子発現(qRT-PCR法)やタンパク質量(Western-blot法), 細胞ごとのSVEP1の動的変化(Flowcytometry)を比較した. 結果, 敗血症により, 肺でのSVEP1遺伝子発現やタンパク質量が減少することが明らかとなった. また, 肺において敗血症の早期に, SVEP1を有する血管内皮細胞やリンパ管内皮細胞が減少することが明らかとなった. これらの結果からSVEP1の動態を評価する上で, 肺の血管内皮細胞やリンパ管内皮細胞がターゲットになると考えられた. これらをふまえ, SVEP1に関する遺伝子型の異なるモデルを用い, 敗血症刺激による生存率など生体反応の差異や各種mediatorの動態の差異, 肺の血管内皮細胞・リンパ管内皮細胞の応答の差異を評価する研究の準備を開始した. SVEP1に関する遺伝子多型を有するSVEP1遺伝子多型マウス(Gln581His)をCrispr-Cas9法で作成し, 継代によりSVEP1遺伝子多型マウス(Gln581His)のヘテロ型・ホモ型の確保に成功した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子多型マウス(Gln581His)の作成に時間を要した. Crispr-Cas9法で作成した第一世代の個体には, デザインした遺伝子多型以外にunplanned silent mutationがヘテロで挿入されていた. そのため, 継代により, unplanned silent mutationのない遺伝子多型マウスを確保する必要があり, 時間を要した. これらの事情から十分数の個体を確保できなかったため, まだ敗血症刺激を実際に加える実験に至っていない.
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Strategy for Future Research Activity |
SVEP1遺伝子多型マウス(Gln581His)の繁殖をすすめ, 実験可能な個体数を確保する. その上で, SVEP1遺伝子多型マウス(Gln581His)およびWild typeマウスに対し敗血症刺激を加える(盲腸結紮穿孔モデル:CLP, もしくは腹腔内糞便注入モデル). 敗血症刺激後の両群において, Survival study, 血管透過性評価, 血中および組織中の各種mediatorsの測定を行う実験を予定している. またSVEP1ヘテロノックアウトマウスも確保でき繁殖もすすめており, 上記同様, 敗血症刺激後の反応の差異を評価する実験を予定している. 本過程により, SVEP1が敗血症の病態において生体で果たす役割が明らかにできると考える.
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