Project/Area Number |
21K09092
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
井上 敬 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (70326651)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 悌二 東北大学, 大学病院, 教授 (00217548)
新妻 邦泰 東北大学, 医工学研究科, 教授 (10643330)
園部 真也 東北大学, 大学病院, 助教 (30869079)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | AI / バイオマーカー / 脳循環 / 血管内治療 / 手術 / 神経損傷 / tRNA由来物 / MRI / 脳循環予備能 / 脳卒中 |
Outline of Research at the Start |
本研究では多彩なMRIデータ・多数のバイオマーカーを統合的に検討し、さらにAI技術を組み合わせることにより、より確実な脳循環自動調節能障害評価、血行再建術術後過灌流予測を行うことができるようになるとを期待している。本研究により術後合併症を予測することが可能となれば、個々の患者ごとに最適化された医療・リハビリテーションを提供することが可能となり、医療資源の有効活用や、要介護状態症例が減少し社会医学的にも貢献しうると考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、引き続きバイオマーカーによる神経損傷程度推定法を検討した。今年度も、比較的症例数の多い慢性硬膜下血腫症例でのバイオマーカー探索を行った。特に画像バイオマーカーとしてMRIを用いた脳血流画像の有効性を検討した。具体的には脳血流の変化と神経症状との関連を検討した。術前、術後に脳血流を測定し、術後の神経症状と比較した。その結果、術後過灌流とせん妄との関係が明らかになった。今年度は通常の治療法に加え、血管内治療を行なった場合の脳血流・神経症状に及ぼす影響も検討した。脳血管内治療は古典的な手術に比べると脳血流に及ぼす影響は小さいことが示唆されている。来年度も引き続き手術法ごとの脳血流に及ぼす影響を検討する予定である。 さらに、AIによる神経機能評価法の基礎的な検討も引き続き行っている。AIによるdeep learning はこれまでの統計学的手法では抽出困難な危険因子を同定できる可能性がある。しかし、deep learningでは古典的統計学的手法に比べ、必要症例数が飛躍的に増加する。脳循環予備能推定が本研究の最終目標であるが、本年度は昨年度の慢性硬膜下血腫手術例に加え脳内出血症例も対象に加えた。統計学的手法では術後神経機能回復が遅れる危険因子として、年齢・術前意識レベルなどが抽出された。AIを用いた検討では、これら以外にリハビリテーションの有無が、術後神経機能回復と関係があることが示唆された。統計学的手法ではリハビリテーションの有無は交絡因子とされたが、AIでの検討では独立因子と判定された。ここまでの検討では脳内出血例では手術加療は術後転帰を改善しない可能性が示唆された。今後はさらに症例数を増やすことにより、手術加療の臨床的有効性を明らかにしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、5年間で4つのメインテーマを完遂し、さらにその4つを統合的に評価する手法を開発し、それを持ってして脳卒中診療にインパクトを与えることを目標としている。 本年度までに、4つのメインテーマ、すなわちMRIによる検討、バイオマーカによる検討、過灌流モデル動物実験、AIによる検討のうち、バイオマーカーによる検討およびAIによる検討を始めることができた。バイオマーカーは研究者らが既に脳卒中領域での有効性を報告していたtRNA由来物を採用した。さらに血液バイオマーカーに加え、画像診断そのものをバイオマーカーとすることにより、適切な症例選択が可能となる可能性が示唆された。今後は慢性期症例での検討追加や、手術適応決定に応用したい。 AIによる検討も基礎的な部分から開始することができた。AIによるdeep learningは様々な分野での応用が期待される。医療分野で応用する場合に問題となるのは、かなり多数例を検討しないと臨床的に有効な結果が出ないことである。そこで本研究では、研究期間を通じて症例数を蓄積することにした。本年度は症例数の多い疾患に集中してAIによる検討を行った。脳神経外科領域では慢性硬膜下血腫、脳内出血は手術症例も多く、その検討は臨床的feedbackも多数期待される。これまでも統計学的手法により、術後神経症状増悪の危険因子がいくつか報告されてきた。高齢であること、術前意識状態が不良であることは、これまでの報告同様、今回の研究でも危険因子と判定された。AIではさらにリハビリテーションの有無が抽出された。しかし、脳内出血例では手術の効果は限定的であった。今後はその臨床的意義をさらに検討したい。 MRIによる脳循環測定法も臨床的に問題なく施行可能であることが確認できた。今後はさらに症例数を増やしたい。
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Strategy for Future Research Activity |
4年目以降は、動物実験、MRIによる検討も基礎的な部分から開始したい。動物実験は既に研究者らが開発済みの過灌流モデルマウスを使用する予定である。過灌流現象は臨床的にも観察される事象であるが、その機序は未だ不明である。動物実験で、脳血流自動調節能が破綻した部位をまず確認する予定である。その上で、生化学的な手法を用いることにより、過灌流現象発現メカニズム解明に挑みたい。抵抗血管周辺の細胞内カルシウム濃度低下が重要な役割を担っていると予想している。 MRIも脳血流検査はほぼ確立することができたが、今後はさらに多面的な撮像法を組み合わせることにより、急性期症例で不可逆的神経損傷領域を描出することを試みる予定である。さらに慢性期症例では可逆的な神経損傷を描出することを予定している。脳循環予備能が低下した症例では将来の脳梗塞リスクが増加するが、これまでは核医学的手法が必要とされてきた。MRIによるpH測定、脳血流測定が脳梗塞リスク評価可能か、あるいは手術適応決定に寄与しうるか、検討する予定である。 バイオマーカーによる検討、AIによる検討も引き続き行う予定である。それぞれ3年間である程度課題は解決できたと考えている。4年目以降は症例数を増加させるとともに、手術症例・さらには血管内治療症例の検討も加えていきたい。治療前と治療後の結果を検討することにより、手術適応決定に関与する因子の抽出を行う予定である。さらに、多数例をAI解析することにより、いくつかの手術手法から、どの手法が最も優れた結果を出すことができるか、術前に決定するためのプログラムを作成可能と予想している。 最終的には、脳循環予備能機序解明・画像診断・バイオマーカー診断をAI処理することにより、臨床応用への礎としたい。
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