Project/Area Number |
21K09111
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
稲生 靖 帝京大学, 医学部, 教授 (50372371)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 悪性神経膠腫 / 悪性脳腫瘍 / 免疫療法 / 微小環境 / 免疫チェックポイント |
Outline of Research at the Start |
悪性神経膠腫は予後不良の疾患であるが、病理組織学的もしくは分子遺伝学的に、予後の比較的良好な群に関する知見も進歩し、治療法にも個別医療の可能性が生じつつある。一方、病理診断上は典型的な膠芽腫にも治療に反応する症例が存在することが実臨床では経験される。腫瘍学の知見によれば、治療反応性や予後の差は個体の免疫監視システムの腫瘍認識の程度に関係する可能性が高い。本研究では、膠芽腫の治療の様々な局面で採取した各種検体を多角的網羅的に解析し、治療反応性の増強の候補に関する情報を集積し、その標的候補の有用性についての検証を行い、既存のもしくは新規開発中の膠芽腫治療法の効果増強につなげることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的と意義:悪性神経膠腫は予後不良の疾患であるが、近年、膠芽腫とは区別される予後の比較的良好な悪性神経膠腫に関する知見も進歩し、治療法にも個別医療の可能性が生じつつある。一方で、病理診断上は典型的な膠芽腫においても明らかに治療に反応する症例が存在することが実臨床において経験される。その治療反応性や予後の差は個体の免疫監視システムの腫瘍認識に関係する可能性が高い。本研究では、膠芽腫の患者由来の各種検体を多角的網羅的に解析し、もって膠芽腫患者の治療反応性の増強の候補に関する情報を集積する。さらに、細胞株ならびに患者検体由来の低継代膠芽腫細胞を用いて、その標的候補の有用性についての検証を行い、既存のもしくは新規開発中の膠芽腫治療法の効果の増強につなげることを目的とする。 研究の方法と具体的内容:外科的摘出術の際、病理診断用の組織片を確保したのち、可能な限り新鮮な状態で腫瘍組織を採取し、保管する。通常の病理組織切片作成用、DNA・RNA・タンパク抽出用、腫瘍細胞培養用(脳腫瘍幹細胞の培養を含む)、腫瘍抗原解析用、腫瘍内および周辺微小環境因子解析用、など多角的包括的な解析を目的に、適切な条件及び方法で採取、必要に応じて固定and/or凍結し、保管する。血液検体については、腫瘍細胞片そのものや腫瘍細胞から放出されるエクソソームが血液中を循環することが最近注目されており、それらの解析を視野に入れた採取と保管を行う。血清中のサイトカイン等についてはマルチプレックス サスペンションアレイを用いた網羅的な解析を予定する。検体採取方法、処理方法、解析方法の妥当性を確認するために少数例の検体の解析をパイロット的に行い、その後、まとまった数の検体の集積の後に本解析を行う予定としている。本年度も引き続き、検体の採取計画ならびに保管方法の妥当性の確認等とともに、検体数の集積を継続した
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度初頭に新型コロナ感染症の区分が5類に変更されたが、その後も医療現場での診療受け入れ態勢ならびに患者の医療機関受診動機等は従前には復さず、予定していた検体数の実現に課題が生じた。また、WHO脳腫瘍分類2021年版の導入により、本研究での解析予定内容への影響を吟味する必要性が示唆された。検体の収集に関しては他施設からの提供が得られる見込みが生じた。以上から、研究期間を延長の上で、研究を継続することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、今後も以下の内容で研究を推進する予定である。腫瘍組織の採取と保存に関しては、外科的摘出術の際、病理診断用の組織片を確保したのち、新鮮な状態で腫瘍組織を採取し、保管する。通常の病理組織切片作成用、DNA・RNA・タンパク抽出用、腫瘍細胞培養用(脳腫瘍幹細胞の培養を含む)、腫瘍抗原解析用、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の分離及び培養用、腫瘍内および周辺微小環境因子解析用、などの解析を目的に、適切な条件及び方法で採取、必要に応じて固定and/or凍結・保管・培養する。研究残余期間が限られていることから、免疫不全マウスの皮下への腫瘍片の新規の移植は行わない。血液検体の採取と保存に関しては、腫瘍細胞片そのものや腫瘍細胞から放出されるエクソソームの解析も視野に入れた血液採取および保管を行う。血清中のサイトカイン等についてはマルチプレックス サスペンションアレイやデジタルPCRを用いた網羅的な解析を外部委託で行うことを予定する。検体数の増加を目的に、共同研究機関及び共同研究者を追加することを検討する。集積した検体の解析をすすめ、結果の公表に向けた作業を進める。
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