Project/Area Number |
21K09150
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
椎野 顯彦 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 准教授 (50215935)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷垣 健二 滋賀県立総合病院(臨床研究センター), 神経病態研究部門, 専門研究員 (70362473)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 悪性神経膠腫 / DDS / ペプチドプローブ / ファージディスプレイ / 抗癌剤 / 血液脳関門 / ナノエマルジョン / ゲルダナマイシン / 分子標的薬 / lipid nanoparticle / m-RNA / glioblastoma / molecular targeted / anti-cancer agent / エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
ヒトGBMから作成したPDXモデルではGCSが環境に応じてエピゲノムを修飾して抗癌剤への強い耐性を獲得していることが推測される。我々が開発した分子標的担体は薬剤を確実にGBMに輸送するが、これまでに試した抗癌剤での有効性には限界がある。そこで、腫瘍細胞が獲得しているエピゲノムに対抗する目的で、本研究ではGBMのエピゲノムを修飾する薬剤を導入して治療効果を検証することにした。
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Outline of Annual Research Achievements |
我々は、ヒト由来悪性神経膠腫から癌幹細胞を分離して作成したPDXモデルマウスにおいて、ァージシスプレイ法で静脈経由で腫瘍幹細胞に特異的に取り込まれるペプチドプローブを発見した。しかしながら腫瘍細胞がもつendocytosis-endosome機構で取り込まれた抗癌剤の効果が認められなかった。そこで、ナノエマルジョン(NE)を作成し、これが特異的にPDXモデルマウスの腫瘍に取り込まれるかどうかを確認した。 アルキル長鎖+疎水性ニトロキシドラジカルと非イオン性界面活性剤をリン酸緩衝液中で混合することにより、安定な磁性NE粒子を調製することに成功し、電子スピン分光法と動的光散乱法により構造を確認した。この磁性NEは、ラジカル部が保護され長時間にわたってビタミンC還元耐性を示す特性をもつ。 蛍光色素であるTetraphenylporphyrin(TTP)をNEに包埋の成否は、NE内にTTPが入るとNEがもつラジカルの作用で蛍光が吸収され消失することから確認できる。次に、アスコルビン酸を加えることによりラジカルの影響を消すことで、TPPの蛍光が検出できるようになる。PDXモデルマウスにNE-TTPを静脈注射し、アスコルビン酸処理をすることで赤い蛍光がGBMに確認されたことからNEのまま腫瘍に集積していることが推測された。 PDXマウスに10日間連続投与をした際に、コントロール(ゲルダナマイシン Brij 58エマルジョン)では腫瘍体積が1.2倍(120%)に増加するのに対し、ゲルダナマイシン ペプチドーBrij 58エマルジョンでは0.9倍(90%) に退縮がみとめられた。 以上から、ペプチドプローブを結合させたNEがPDXマウスのGBMに特異的に集積し、抗腫瘍効果をもたらしたと推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究で、我々が開発したNEが確実にPDXモデルマウスのGBMに集積し、かつ、ペプチドプローブをNEに付与することにより、付与なしと比較して明らかに抗腫瘍効果のあることが明らかとなった。これまでの結果を論文にしてまとめる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
腫瘍細胞内に取り込まれたNEが、細胞内でどのような代謝を受けるのかを究明する必要があると考える。また、どのような抗癌剤あるいはmRNAが有効であるかなど、検討する必要があると思われる。また、今後臨床応用に向けて提携してくれる製薬メーカーを探す必要がある。
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