Project/Area Number |
21K09157
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
小林 正和 岩手医科大学, 医学部, 講師 (60364345)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 脳循環不全 / 内頚動脈狭窄 / アミロイドPET / 脳白質微細構造 |
Outline of Research at the Start |
過去にCEAにより頚動脈狭窄部を解除することで25%の症例で脳循環不全が改善するが、その半数でしか認知機能が改善しないことを見出していた。この機序を考察していたが、最近の動物実験で、頚動脈狭窄により慢性脳循環不全をもつ動物モデルで脳アミロイド沈着が促進され、脳アミロイド沈着の増加に比例して大脳白質障害が出現することが示された。更に、薬物による脳循環の改善が脳からのアミロイドの排出を促すことも動物実験で示唆された。最近提唱されたglymphatic systemでは脳アミロイドは髄液腔に排出され、脳内微細動脈の拍動が駆動力と考えられている。以上より、CEAでこれらを証明できるという着想に至った。
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Outline of Annual Research Achievements |
近年高齢化とともに認知症が増加し社会問題となっている。認知症発症原因の一つとしてアミロイド沈着が考えられている。また脳血管性認知症も認知症の原因として重要であり、脳血管障害のなかで最も頻度の高い脳梗塞は特に重要であると考えられる。脳梗塞の原因として頚部頚動脈狭窄があり、その中でも慢性脳循環不全状態を呈する例がある。基礎研究においては脳血管障害による慢性脳循環不全が脳からのアミロイド排出を阻害し、沈着したアミロイドが脳白質障害をきたすことが示唆されている。本研究では慢性脳循環不全の原因となり得る頚部頚動脈狭窄による脳循環不全に対する血行再建術後の脳からのアミロイド排出が白質微細構造に影響を及ぼすかどうかについて研究を行っている。 本年度は研究3年目であり、研究2年目に引き続き、頚部頚動脈狭窄症例のうち脳循環不全の症例に対して、高次脳機能検査、アミロイドPET・15O-gas PET(青森県量子科学センター)、拡散尖度MRI画像検査を行い、一部の症例において認知機能の低下、アミロイド蓄積、白質解剖学的微細構造変化を認めた。対象症例に対して血行再建術を行った。引き続き症例渉猟を行っているが、平行してfollow up検査を行い、術後認知機能「不変」および「改善」におけるアミロイドPET上のアミロイド沈着の程度および変化との関連、15O-gas PET上の脳循環代謝変化との関連、拡散尖度MRI画像検査上の白質解剖学的微細構造変化との関連を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
頚部頚動脈狭窄かつ脳循環不全状態の症例に対して、血行再建術前後に高次脳機能検査、アミロイドPET・15O-gas PET、拡散尖度MRI画像検査を行い、3年間で症例渉猟予定であったが、研究初年度はアミロイドPET撮像に関わる環境整備に時間を要したこと、研究計画時点よりも当施設における頚部頚動脈狭窄症例の減少しており、その中でも本研究の対象となる症例が少なかったことから、当初予定していた、年間10例の症例渉猟が行えなかった。本年度も同様の傾向であり、研究計画に記載した症例渉猟が順調に行えておらず、現状では研究進捗がやや遅れていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
当施設の関連施設にも働きかけて、頚部頚動脈狭窄症例の渉猟に努める。その中の対象症例に対して確実に検査、血行再建術、follow upを行い、データのとり漏らしがないようにする。そのことで、本研究のリサーチクエスチョンに対する答えが出せる、統計学的処理ができる症例数を確保する。
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