灌流型3次元血液脳関門モデルを用いた中枢神経保護薬の探求
Project/Area Number |
21K09180
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56010:Neurosurgery-related
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
出雲 剛 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 准教授 (40343347)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諸藤 陽一 独立行政法人国立病院機構(長崎医療センター臨床研究センター), 脳神経外科, 医長 (40437869)
松永 裕希 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (80772136)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
|
Keywords | blood brain barrier / drug repositioning / fasudil hydorochloride / pericyte / 血液脳関門 / 3次元モデル / 中枢神経 / 保護薬 |
Outline of Research at the Start |
血液脳関門(BBB)は脳のホメオスタシスの維持に重要な役割を果たす一方で、治療薬剤の通過をも阻むことが中枢神経疾患治療薬開発の大きな障壁となっている。本研究では生体においてBBBを構成する全ての一次培養細胞を組み合わせた共培養灌流型の3次元in vitro BBBモデルを用いて、虚血・炎症・がん脳転移などの病態モデルを作製して、neurovascular unitにおける細胞間相互作用を検討するとともに、臨床の現場で使用可能な薬剤が与える影響と作用機序の解明を行うことで「中枢神経保護薬」の発見および開発につなげたい。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では血液脳関門(BBB)の基本構成単位である脳毛細血管内皮細胞、ペリサイト、及びアストロサイトといった、全ての細胞を組み合わせた複数の共培養in vitro BBBモデルを用いて、病態モデル(虚血、炎症、がん脳転移)を作製、また、灌流型の3次元BBBモデルを開発し、neurovascular unitにおける細胞間相互作用を検討することを第一の目標とした。さらに現在臨床の現場で使用されている薬剤がBBBに与える影響及びその作用機序の解明を行った。このメカニズムを解明することにより中枢神経疾患治療薬の開発、ひいては全く新しい創薬概念である「BBB保護薬」の開発を目的として研究を行ってきた。 令和4年度においては、まずは灌流型3次元血液脳関門モデルの作成に取り掛かり、長崎大学薬理学教室、ハンガリー科学院および米国ワシントン大学との共同研究を進めた。その成果は国際シンポジウムにて報告を行い、高い評価を得た。また、同時に進めていた2次元in vitro血液脳関門モデルの作成を行った。多孔質の半透膜をもつ立体培養皿を用い共培養モデルを作製した。液性因子のみの影響を受けるモデルと、内皮細胞とペリサイトまたはアストロサイトが接触できるモデルを作製し、更に3種類の細胞を同時に共培養したモデルも含め7種類のモデルを作製した。これらのモデルを用いて、塩酸ファスジルのBBB保護作用について明らかとして、この成果についても論文発表してきた。これらの成果については、すでに高い評価を受けることに成功している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2次元in vitro血液脳関門モデルを用いた研究は、上述のごとく脳転移モデルを中心に順調に進行中である。また、灌流型3次元in vitro血液脳関門モデルについても、国際共同研究を含めてほぼ順調に進行している。薬剤およびがん細胞が血液脳関門機能に与える影響については、すでに多くの実績を積み上げている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はさらに既知薬剤がBBB機能に与える影響の評価のための、さまざまな病態モデルの作成と、そこから得られる細胞を回収しての免疫生化学的検討、および血管腔側および脳側の培養液を用いたサイトカインアッセイを行う予定である。また、2次元および3次元モデルの比較検討と分子生物学的機序の解明を目的として、病態モデルにおけるBBB機能をa)EVOM抵抗計(Volt-Ohm resistance meter)を用いた経内皮電気抵抗(transendothelial electrical resistance, TEER)、b)sodium fluorescein 法(小分子(376Da) paracellular transport)、Evans'blue-albumin 法(大分子(67kDa transendothelial transport)c)P-糖タンパクの機能検定(rhodamine123法による)、d)Immunoblot 法にてタイトジャンクションタンパク(claudin-5, occludin, ZO-1)、とトランスポーター(P-gp,MRP, BCRP, GLUT1)の発現を確認することで、詳細に検討する予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(6 results)
-
-
-
-
-
[Journal Article] Effects of fasudil on blood?brain barrier integrity2022
Author(s)
Sato Kei、Nakagawa Shinsuke、Morofuji Yoichi、Matsunaga Yuki、Fujimoto Takashi、Watanabe Daisuke、Izumo Tsuyoshi、Niwa Masami、Walter Fruzsina R.、Vigh Judit P.、Santa-Maria Ana Raquel、Deli Maria A.、Matsuo Takayuki
-
Journal Title
Fluids and Barriers of the CNS
Volume: 19
Issue: 1
Pages: 43-43
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-