マウスモデルを用いた筋変性のメカニズム解明とMRIによる筋再生バイオマーカー探索
Project/Area Number |
21K09213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
辻 収彦 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任講師 (70424166)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畑 純一 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (00568868)
依田 昌樹 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (30464994)
藤吉 兼浩 独立行政法人国立病院機構村山医療センター(臨床研究部), 整形外科, 医長 (80365303)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | MRI / 筋再生 / 筋変性 |
Outline of Research at the Start |
筋損傷、特に肩関節腱板損傷に対して縫合術を行う際に、筋組織内の脂肪変性/線維化の程度が手術の成否を左右する重要な因子である。本研究おいてはマウス腱板損傷/切離モデル、更にはカルジオトキシン投与モデル等の筋損傷/変性モデルを用いて、7T以上の高磁場MRIにより①微細構造(diffusion)②微少血流・灌流(IVIM)③栄養(CESTイメージング)の3要素を詳細に評価し、手術による筋再生の可否を判定できるMRI上バイオマーカーを探索することを主目的とする。実際の腱板損傷の適切な手術介入の時期について動物モデルを用いて至適なtherapeutic time windowを探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
運動器組織の中でも骨格筋は高い再性能力を有する組織であるが、加齢や病的環境下ではその能力が低下し、筋変性(脂肪浸潤、線維化、萎縮)が生じることが知られている。また重度の損傷・長期間経過後の線維化や脂肪変性は手術加療抵抗性であることも知られている。こうした筋の変性は不可逆的な現象と考えら、骨格筋の機能を著しく低下させる。これらは加齢性変化による筋萎縮の進行した高齢者や、高い運動能力を要求されるアスリートにおいて重要な問題となる。例えば実臨床においては、脊椎術後の脊柱後方筋萎縮による難治性の軸性疼痛や、縫合不可能な陳旧性肩腱板損傷などの問題にしばしば直面する。これらの病態に共通している予後規定因子は、筋脂肪変性と線維化の度合いである。更には本邦での急速な高齢化社会の進展に伴い、サルコペニア・フレイルに関連する運動器疾患は慢性痛の原因となり、脂肪変性と線維化の予防並びに改善のためにはその分子メカニズムの解明は非常に重要であると考えられる。筋肉内には筋衛星細胞と異なる系譜の間葉系前駆細胞が間質に存在し、この間葉系前駆細胞はPDGFR (Platelet Derived Growth Factor Receptor)α陽性であり、筋肉の脂肪変性・線維化に関わっていることが既に報告されている。 申請者らは令和3年度中に作成した、マウス肩関節腱板損傷・変性モデル(腱板構成筋の切離、脱神経、骨頭切除)を行い、筋脂肪変性を効率的に再現するモデルを作成し、更に令和4年度中により臨床に近いマウス肩関節腱板損傷モデルを、脱神経・骨頭切除を行わず腱板損傷のみで作成し、老齢(50週齢以上)のマウスを用いることで再現性をもって作成することに成功し、更に腱板構成筋の中で肩甲下筋の著明な変性と脂肪変性を確認した。この老齢マウスでの変性した腱板、及び画像解析を行いやすい下腿筋も用いたMRI解析を施行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和4年度初頭まで当研究室でのマウス管理施設のクリーンアップの影響でマウスを新たに飼育し始める影響で遅れている。また、マウス肩関節でのMRI撮像が、微小な構造・組織であるため良好な解像度での評価を再現性を持って行うことが難しいため、下腿筋を用いた評価も合わせて行うことで対応する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のようにマウス肩関節でのMRI撮像が、微小な構造・組織であるため良好な解像度での評価を再現性を持って行うことが難ししかったため、マウス下肢筋の評価も行う予定である。マウス下肢に軟性ワイヤー固定を用いた筋萎縮を作成することに成功しており、これを老齢(50週)マウスに作成することで、より詳細な筋変性のMRI評価を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)