Project/Area Number |
21K09262
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
横田 淳司 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10449564)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 末梢神経 / 神経伸長損傷 / 疼痛 / 血液神経関門 / ラット / 神経神経損傷 / 神経伸長 / 神経内浮腫 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、伸長神経に生じる血液神経関門(BNB)の破綻、神経内浮腫に起因する神経支配領域の疼痛が血管透過性抑制効果を有するVascular Endothelial Growth Factor (VEGF)阻害剤ベバシズマブ投与で改善されるかを明らかにするために行う。研究代表者らがこれまで用いてきたラット坐骨神経間接伸長モデルは、大腿骨を延長することで神経周囲の環境を温存したまま神経を伸長できる利点がある。本研究では、このモデルにベバシズマブを投与し、行動評価、組織学的検討、分子生物学的検討を行い、そのBNB保護・疼痛改善効果を検討する独自の新たな取り組みである。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、ラット坐骨神経緩徐延長モデルを用いて、延長終了1日後、30日後及び50日後の3タイムポイントにおいて以下の解析を行った。1. 電気生理学的評価:延長神経が支配する腓腹筋の複合筋活動電位(CMAP)。2. 行動評価:延長神経支配領域の痛覚閾値の変化。3. 組織学的評価:延長神経の血管透過性亢進(静注色素の神経内漏出)の有無。4. 免疫組織学的評価:延長神経凍結切片におけるVEGF、VE-Cadherinの発現。5. 分子生物学的評価:延長神経のRT-PCR(VEGF、VEGF受容体、血液神経関門構成膜蛋白)。 その結果、坐骨神経は伸長損傷後50日で機能的にはほぼ回復するが、伸長終了後30日に疼痛閾値は最も低下していた。伸長終了後より血管透過性が亢進し、神経内浮腫を生じ、疼痛閾値が最も低下する伸長終了後30日に免疫染色にてVEFGの発現が増強し、VE-Cadherinの発現が低下していることが明らかとなった。これより、神経伸長損傷後遅発性に出現し遷延する疼痛の病態は、VEGFの発現による血液神経関門の破綻が関連していることが推察され上記解析1-4に関しては今後N数を増やすことでさらに信頼性の高いデータ収集が期待できる。一方、リアルタイムRT-PCRによる遺伝子発現評価の解析は、神経標本より採取できるRNAが少なく、信頼できるデータを得るまでには至っていない。このため、次年度にはより微量の遺伝子発現が評価可能なマイクロPCRに解析法を変更することとし、現在予備実験中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2022年度に行ったリアルタイムRT-PCRによる遺伝子発現評価の解析では、神経標本より採取できるRNAが少なかったため、伸長損傷神経におけるVEGF、VEGF受容体及び血液神経関門を構成する各種膜蛋白の遺伝子発現の経時的変化に関して、信頼できるデータを得るまでには至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の結果を踏まえて、次年度にはより微量の遺伝子発現が評価可能なマイクロPCRに解析法を変更する予定で、現在予備実験中である。 今後はマイクロPCRの解析結果を、前年度までに結果が出ている電気生理学的評価、行動評価、組織、免疫組織学的評価の結果と対比させ、神経伸長に伴う頑固な疼痛の病態の解明とその治療法の開発に繋げていく予定である。
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