ビタミンDシグナルによる骨格筋の維持制御機構とサルコペニア病態生理の解明
Project/Area Number |
21K09289
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
細山 徹 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 ジェロサイエンス研究センター, 副部長 (20638803)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ビタミンD / 骨格筋 / サルコペニア / VDR / 高齢者 / 遺伝子組換えマウス / 成熟骨格筋 |
Outline of Research at the Start |
近年、加齢に伴う血中ビタミンD量の低下とサルコペニアとの関連性を示唆する報告が相次いでいる。しかし、ビタミンDの成熟骨格筋に対する直接的な作用やその機序については、十分な科学的エビデンスが示されていると言い難い。本研究では、成熟筋線維および骨格筋幹細胞特異的にビタミンD受容体を欠損したマウスを用いて、成熟骨格筋におけるビタミンDシグナリングの役割を明らかにするとともに、高齢者臨床データおよび高齢者骨格筋の組織学的解析を行うことで、サルコペニアとビタミンDとの関係性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画の2年目となる本年度には、前年度に作製した成熟筋線維特異的Vdr欠損(VdrmcKO)マウスの表現型について、筋線維あたりの骨格筋幹細胞数、nuclear domain sizeなどを測定し、ビタミンDシグナルの欠損が幹細胞維持や筋核数には影響を及ぼさないことを見出した。また、VdrmcKOマウスで認められる筋力低下がカルシウムイオンの筋内取り込みに関わるSercaの発現減少、さらに、それに伴うCa-ATPase活性低下によって誘導され得ることを明らかとした。このことは、成熟筋線維におけるビタミンDの役割の一つが、筋力発揮にあることことを示し、その一方で、筋線維において本シグナル系が筋量調節には直接的には関与しないことなどを示唆している。 さらに本年度は、マウス実験で得られた「ビタミンDシグナルと筋力発揮との関係性」についてヒトサンプルを用いた検証を行った。国立長寿医療研究センター老化に関わる長期縦断疫学研究(NILS-LSA)で得られた地域住民1919名分の疫学データを用いて血中ビタミンD量と筋力(握力)およびサルコペニア発症との関連性について縦断解析したところ、血中ビタミンD量が不足した方(ビタミンD欠乏群)の4年後の筋力低下率およびサルコペニア新規発症率に有意な増加を認めた。このことは、血中ビタミンD量が近い将来の筋力低下およびサルコペニア発症を予測するバイオマーカーとなり得ることを示している。以上の結果については、当該研究領域の学会や国際学術誌で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
成熟筋線維特異的にビタミンD受容体を欠損させたマウスを作製し、その表現型解析で得られた「ビタミンDシグナルの低下と筋力低下との関連性」について、当初研究計画には盛り込んでいなかった縦断疫学データの検証を実施し、ヒトとの相関性に加えてサルコペニア発症予測マーカーの可能性を見出すことができ、本研究課題のかなりの進展が得られた。またそれら得られた結果について、インパクトの高い国際学術誌に掲載されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究により、筋線維に対するビタミンDの作用および役割を明らかにする、また基礎研究の結果をヒト検体を用いて検証することができた。しかし、骨格筋は筋線維によってのみ構成される組織ではなく、例えば骨格筋幹細胞や間質細胞など多くの細胞種で構成される。当該研究領域では、ビタミンDと筋量や他の筋病理との関連性を指摘する報告もあり、これまで本研究で得られた研究成果をもってビタミンDとサルコペニア病態生理が明らかになったとは言い難い。それゆえに最終年度には、ビタミンDと骨格筋幹細胞・間質細胞との関連性についてマウスモデルや培養細胞などを用いた更なる検証を展開していく。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)