Project/Area Number |
21K09293
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊東 伸朗 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (10731862)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 文子 東京大学, 医学部附属病院, 届出研究員 (80529040)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | 後縦靭帯骨化症 / 異所性骨化症 / FGF23 / インピンジメント症候群 / ピロリン酸 / X染色体連鎖性低リン血症性くる病 / 常染色体潜性低リン血症性くる病 / 変形性関節症 / くる病 / 低リン血症 |
Outline of Research at the Start |
FGF23は骨細胞が産生する血清リン濃度調節ホルモンでFGF23過剰分泌により低リン血症性くる病・骨軟化症を発症する遺伝性疾患としてXLH、ARHR1,2がある。これらの疾患では後縦靭帯骨化症等の異所性骨化症を合併し、疼痛や可動域制限、神経障害などでQOLを低下させる。リン感知を担うFGFRの感知閾値低下が、FGF23分泌過剰の発症機序だが、我々はこの異常が同時に異所性骨化を惹起している考えた。OPLL発症モデルマウス(ARHR2マウス)を用いて、FGFRシグナル解析、FGFRシグナル阻害の影響を評価することでFGF23関連疾患におけるOPLL発症機序を解明しその治療、予防薬の開発に繋げる。
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Outline of Annual Research Achievements |
遺伝性FGF23関連低リン血症性くる病のうちPHEX変異によるX染色体連鎖性低リン血症性くる病(以下XLH)、およびDMP1/ENPP1変異による常染色体潜性低リン血症性くる病1,2(以下ARHR1,2)は脊柱靱帯骨化症や関節周囲の腱付着部症を惹起するがその機序は未解明である。本検討では臨床、基礎研究を介して同疾患での異所性骨化の機序を明らかとし将来の治療法開発に繋げることを目的とする。 (臨床研究) XLH25名で後縦靱帯骨化症の頻度が32%(本邦一般人口 2-4%)と上昇していることを報告。Kato H, Ito N.J Clin Endocrinol Metab. 2021;106:e3682-e3692.またXLH30例で5歳以下での治療介入は歯科合併症の頻度を減らすが、靱帯骨化の程度を改善せず、靱帯骨化は低リン血症によるものではないことを間接的に証明。Kato H, Ito N.J Clin Endocrinol Metab. 2022; Epub ahead of print. PMID: 36524341. ENPP1変異はホモ接合体のみでなく複合ヘテロ/ヘテロ接合体でも後縦靱帯骨化症やびまん性特発性骨増殖症に関連することを2症例で報告。Kato H, Ito N.J Bone Miner Res. 2022; 37:1125-1135. さらに手術を要した特発性後縦靭帯骨化症50例において前向きにPHEX、DMP1、ENPP1 遺伝子と血中ピロリン酸濃度測定を実施し7例でENPP1 変異ヘテロ接合と血中ピロリン酸濃度低下を確認した。 (基礎研究)ENPP1ホモ変異マウス:後縦靱帯骨化症モデルマウスにおいて、遺伝性FGF23関連低リン血症性くる病に共通すると予想されるシグナルの阻害剤を使用し靱帯骨化が予防可能かを検討中。8週間の投与実験を終了し現在結果を解析中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(臨床研究) XLH25名で後縦靱帯骨化症の頻度が32%(本邦一般人口 2-4%)と上昇していることを報告。Kato H, Ito N.J Clin Endocrinol Metab. 2021;106:e3682-e3692.またXLH30例で5歳以下での治療介入は歯科合併症の頻度を減らすが、靱帯骨化の程度を改善せず、靱帯骨化は低リン血症によるものではないことを間接的に証明。Kato H, Ito N.J Clin Endocrinol Metab. 2022; Epub ahead of print. PMID: 36524341. ENPP1変異はホモ接合体のみでなく複合ヘテロ/ヘテロ接合体でも後縦靱帯骨化症やびまん性特発性骨増殖症に関連することを2症例で報告。Kato H, Ito N.J Bone Miner Res. 2022; 37:1125-1135. さらに手術を要した特発性後縦靭帯骨化症50例において前向きにPHEX、DMP1、ENPP1 遺伝子と血中ピロリン酸濃度測定を実施し7例でENPP1 変異ヘテロ接合と血中ピロリン酸濃度低下を確認した。 将来はENPP1変異の後縦靭帯骨化症発症に対する影響が強い症例が一部あると考え、ENPP1酵素補充療法をYale大との共同研究で検討する予定。 (基礎研究)ENPP1ホモ変異マウス:後縦靱帯骨化症モデルマウスにおいて、予備実験として何週齢で後縦靱帯骨化やアキレス腱の骨化が認められるようになるかを確認する予備実験が終了し、またFGFR阻害薬の投与量、投与方法を調整し24時間FGF23産生が抑制される投与スケジュールを同定した。現在FGFRシグナル阻害剤をENPP1ホモ変異マウスに8週間投与終了し、非投与群と脊椎とアキレス腱の骨化を比較することで、予防が可能であるかの検証を実施中である。
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Strategy for Future Research Activity |
(臨床研究) 手術を要した特発性後縦靭帯骨化症50例において前向きにPHEX、DMP1、ENPP1 遺伝子と血中ピロリン酸濃度測定を実施し7例でENPP1 変異ヘテロ接合と血中ピロリン酸濃度低下を確認した。現在本検討の解析結果を論文報告準備中である。 将来はENPP1変異の後縦靭帯骨化症発症に対する影響が強い症例が一部あると考え、ENPP1酵素補充療法をYale大との共同研究で検討する予定。 (基礎研究)ENPP1ホモ変異マウス:後縦靱帯骨化症モデルマウスにおいて、予備実験として何週齢で後縦靱帯骨化やアキレス腱の骨化が認められるようになるかを確認する予備実験が終了し、またFGFR阻害薬の投与量、投与方法を調整し24時間FGF23産生が抑制される投与スケジュールを同定した。現在FGFRシグナル阻害剤をENPP1ホモ変異マウスに8週間投与終了し、非投与群と脊椎とアキレス腱の骨化を比較することで、予防が可能であるかの検証を実施中である。FGFRシグナル阻害薬がモデルマウスでの後縦靱帯骨化を抑制した場合、本製剤はmultiple kinase inhibitorであり、実際の臨床使用では比較的高度な副反応が問題となるため、FGFRの骨化シグナルのみをターゲットとするような骨親和性を高めるための製剤へのデカアスパルテートの付加などを当大学薬学部などと共同で検討したいと考えている。
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