Project/Area Number |
21K09301
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
今井 智恵子 (野口智恵子) 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (90746653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 誠 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (20380959)
小関 弘展 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (70457571)
朝永 育 長崎大学, 病院(医学系), 医員 (10972622)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 感染症 / バイオフィルム / 人工材料 / 感染 / 人工生体材料 |
Outline of Research at the Start |
患者の体内に埋入する医療用生体材料は細菌バイオフィルム形成により難治性のインプラント感染症を発症する。我々はバイオフィルムの形成に関与する人工材料表面の物理的特性を明らかにした。 本研究の目的は、これまでに培った研究成果を発展させ、人工材料表面への細菌付着からバイオフィルム形成に至る過程における人工材料因子、体内環境因子を詳らかにし、バイオフィルム形成を予防するための指針を示すことである。更に、発症してしまったインプラント感染症に対して低出力超音波パルスと光触媒酸化チタンを用いた画期的なインプラント温存治療法の確立を模索し、予防と治療の双方からバイオフィルムによるインプラント感染の撲滅を図る。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和5年度の研究内容は、「インプラント感染症に対する治療的アプローチ」と題して、①ラット大腿骨インプラント感染モデルの作製し、抗菌薬の効果を判定する、②酸化チタンの抗菌性と超音波刺激による対バイオフィルム効果を評価することであった。 ペントバルビタールナトリウム(40mg/kg)の腹腔内投与による全身麻酔下に、ラットの後肢膝関節から大腿骨内に直径10mmの髄内釘を挿入した。同時に、表皮ブドウ球菌を接種してインプラント感染症モデルを作製した。第1、2段階での結果をもとに抗菌薬を投与し、発熱状態、局所の腫脹、発赤などの臨床所見を記録した。各治療期間終了後、ペントバルビタール麻酔にて安楽死させ、後肢を周囲の軟部組織とともに一塊として採取した。病理組織切片を作製し、インプラント感染の程度や経時的変化を評価し、免疫染色による組織観察を行った。現在は取り出した髄内釘の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、バイオフィルムの形状を観察し、第1段階と同様にして定量的評価を行っている。また、過去に紫外線刺激で抗菌性を証明した酸化チタン技術を用いて、バイオフィルムの形成予防、破壊効果を検証する予定である。インプラント感染ラットモデルの体表から低出力超音波パルス刺激(強度:30mW/cm2、周波数:1.5MHz )を20分照射し、感染の抑制効果を検証する計画である。 令和5年度の学術発表論文は8編(英字論文3編)、学会発表は14演題(最優秀演題賞1演題)であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物実験による抗菌剤とバイオフィルム形成の関係性の解明に関して、ラットの後肢膝関節から大腿骨内に直径10mmの髄内釘を挿入し、表皮ブドウ球菌を接種してインプラント感染症モデルを作製した。各種抗菌薬を投与し、発熱状態、局所の腫脹、発赤などの臨床所見を記録した。各治療期間終了後、後肢を周囲の軟部組織とともに一塊として採取し、病理組織切片を作製してインプラント感染の程度や経時的変化を評価するとともに、免疫染色による組織観察を行った。現在は取り出した髄内釘の表面を走査型電子顕微鏡で観察し、バイオフィルムの形状を観察し、第1段階と同様にして定量的評価を行っている。但し、国際情勢の不安定化、急激な円安、新型コロナウイルス感染拡大により、海外からの物品、試薬の入 手に時間を要したこと、実験者の体調不良によって研究が滞ったことなどが影響して、令和5年度に完了する予定であった手技が現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究に必要な物品が入手出来次第、現在進行中の研究を進めていく。令和6年末までには動物実験(ラット大腿骨インプラント感染モデルの抗菌薬の効果を判定する。)を完遂する。また、酸化チタンの抗菌性と超音波刺激によるバイオフィルムの形成予防、破壊効果を検証する予定である。インプラント感染ラットモデルの体表から低出力超音波パルス刺激(強度:30mW/cm2、周波数:1.5MHz )を20分照射し、感染の抑制効果を検証する計画である。
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