メラトニン欠乏に起因した側弯症の病態解明:原因候補遺伝子Tbx1との機能解析
Project/Area Number |
21K09303
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56020:Orthopedics-related
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
河村 一郎 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (90535832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 真吾 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任教授 (60353463)
谷口 昇 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (20626866)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | メラトニン / UTR2R / 脊柱側弯 / 筋分化 / 側弯症 |
Outline of Research at the Start |
思春期特発性側弯症は、脊柱の回旋変形を呈し胸郭や腰部変形をきたす疾患である。しかし、未だ病因や脊柱変形の機序は特定されておらず、筋原性要因の研究はほとんどない。側弯症との関連を指摘されるメラトニンおよび大規模ゲノムワイド関連解析で原因候補となったTbx1遺伝子の傍脊柱筋に与える影響は不明である。本研究では1)筋細胞分化におけるメラトニンとTbx1の相互作用、2)側弯モデルマウスの傍脊柱筋におけるメラトニン受容体およびTbx1の発現パターンと、3)速筋と遅筋の量を検討する。側弯症脊柱筋における分子メカニズム異常が明らかにすることで、側弯進行予測や治療選択に新たな知見をもたらされる可能性がある。
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Outline of Annual Research Achievements |
メラトニンより下流の経路でどのように側弯に至るのかの機序を解明すべく、本邦における大規模ゲノムワイド関連解析(GWAS)で候補となったTbx1遺伝子の関連を確認したが、変化が微弱な事から、Tbx1の役割は限定的であると判断した。メラトニン産生に関与する内分泌器官である松果体との結びつきに注目し、SCO-spondin(Sspo)との関連の解析に着目した。脳質のReisssner’s fiberに存在するSspoと側弯形成、松果体とSspoの関係、SspoとUTS2R、UTS2Rと特発性側弯症との関連はそれぞれ報告されているが、どのような機序かは明らかではないため、まずUTS2Rの機能解析を進めた。内因性UTS2Rの発現を骨芽細胞分化モデルであるST-2細胞、MC3T3E1細胞、骨芽細胞分化モデルであるATDC5細胞、筋分化モデルC2C12細胞及びMSC細胞を用い、UTS2Rの挙動を確認すると、それぞれの分化とともに変化した。UTS2Rと骨格筋の分化する過程の影響を評価するため、UrotensinおよびUTS2Rの阻害剤、Uts2r siRNAを用い、その分化表現型をReal time PCRと免疫染色を用いて確認した。阻害剤により速筋マーカーであるMyf1と遅筋のMyf7はともに抑制され、siUts2rを用いたloss of function実験でも阻害剤実験同様Myf1と遅筋Myf7はともに抑制された。 現在UTS2R knock out miceを発注しており、in vivoでの表現型を確認した上で側弯の原因器官を特定し、UTS2Rの役割を解析する予定である。 筋分化における側弯形成の標的組織として筋が関与していることが示唆され、松果体―Sspo ―UTS2R を介したメカニズムにより筋原性に側弯症が引き起こされる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
Tbx1の分化実験系における発現確認実験が既報のエビデンスを再現せず限定的である為に、実験を繰り返している事が主な原因である。このことから、Tbx1そのものの機能を追求するには無理があると判断し、松果体-脳質とも関与し、その機能異常により脊柱側弯をきたすことが報告されているSspoに注目した。Sspo―UTS2R-筋分化の機能解析をまず推し進める戦略に変更し,in vitroでの評価を進めた。表現型の確認のため、UTS2R knock out miceの解析を進めることとしたが、covid-19によるshippingの問題と当院での動物舎移転による搬入制限が重なり、施行が大幅に遅れることとなった。現在は解決しており、KO miceの発注を行い、到着後解析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
In vitroでは、UTS2Rの靭帯から骨(膜性骨化)・軟骨(内軟骨性骨化)分化へのスイッチとしての可能性について、筋組織にどのように影響するかをgain or loss-of-function実験でさらに追求する。さらにその下流で関与が報告されている、Fibronectin type Ⅲ domain containing 5 (FNDC5)との関連も検討していく。 In vitroで機能を確認し、in vivoでのUTS2R KOマウスを用いてターゲットの器官を確認しその脊柱および特に筋の表現型を確認する予定である。表現型を確認し、ターゲットの器官が確認できた段階で、conditional KO miceの解析も検討する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)