腎移植後の交感神経再生性変化と間質線維化に関する網羅解析
Project/Area Number |
21K09358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
山本 泉 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (60600468)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
勝俣 陽貴 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80846246)
小林 賛光 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90439779)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 腎移植 / 交感神経 / 間質線維化 / 移植腎 / 尿細管間質線維化 / mRNA解析 / 徐神経 / 腎線維化 |
Outline of Research at the Start |
移植腎に見られる神経再生性変化を観察するために、すでに確立した免疫染色法で移植腎生検を評価する。次に、同一組織を用いて、除神経後の神経再生に伴う線維化関連分子機構を、最新テクノロジーの一つであるNanostring社の開発したnCounterを駆使して検証する。nCounterは、従来の網羅的な解析手法である「DNAマイクロアレイによる目標遺伝子の絞り込み」や「リアルタイムPCRによる確認」が不要で、酵素反応や反復反応などの煩雑性がない。また、神経再生性変化を評価した同一パラフィンセクションから「線維化」に特化した遺伝子発現を解析できるため、再現性、信頼性が高いと考えられる。
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Outline of Annual Research Achievements |
【背景】動物実験では、腎臓における除神経は間質線維化を抑制することが数多く報告されている。移植腎は外科的に除神経となるため、間質線維化を生じにくいと想定されるが、移植後の神経再生と間質線維化の関連については検討されていない。今回我々は除神経後の経時的な交感神経再生と間質線維化の関連性について、移植腎生検を用いて組織学的に検討した。 【方法】当院で生体腎移植を施行した35例を対象とし、プロトコル生検(0/1時間、3ヶ月、1年、3年、5年、10年)およびエピソード生検で得られたのべ120検体に対して、腎組織を交感神経系のマーカーであるTyrosine Hydroxylase(TH)で免疫染色を実施した。さらに、間質線維化を定量化するために、既報と同様の方法(CKJ.2019 24;14(1):132-138)を用いて、シリウスレッド染色でコラーゲン線維を可視化し、偏光顕微鏡で撮影した画像を画像解析ソフトImageJ(NIH)にて線維化面積/皮質面積を定量化した。 【結果】弓状動脈から小葉間動の外膜に沿ってTH陽性像を35例中17例(48.6%)に認め、腎移植後に交感神経が再生した可能性が考慮された。交感神経再生群および非再生群における移植後3年目の間質線維化/皮質面積は11.56±6.99% vs 6.19±2.25%, p=0.397であり、交感神経再生群が非再生群に比べ高い傾向であったが、統計学的有意差は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当院で生体腎移植を施行した35例を対象とし、のべ120検体に対して、腎組織を交感神経系のマーカーであるTyrosine Hydroxylase(TH)で免疫染色を実施した。腎臓における交感神経は、弓状動脈から小葉間動の外膜に沿って認められるが、腎生検検体は、腎臓のごく一部を採取する手技であることから、小葉間動脈が少数しか採取されない場合も多かった。そのため、サンプリングエラーが生じやすく、真のTH陽性像を捉えにくいと考えられる。今回我々の検討では、TH陽性所見を、35例中17例(48.6%)に認め、腎移植後に交感神経が再生した可能性を示すことが出来たが、この値が、腎移植後の交感神経再生の実態を反映しているかどうかの判定は難しく、症例数を増やして検討する必要があると考えられた。また、今回我々は、間質線維化の定量化をより正確に行うために、シリウスレッド染色でコラーゲン線維を可視化し、偏光顕微鏡で撮影した画像を画像解析ソフトImageJ(NIH)にて線維化面積/皮質面積を定量化したが、弱い拡大では正確な線維化領域を同定できるだけの画像を作成することが困難であったため、強拡大でしか線維化範囲を同定できなかった。したがって、各々の症例ごとに、強拡大で作成した多数の画像を組み合わせて定量化する必要があったため、煩雑で多くの時間が必要であった。今年度は交感神経再生群および非再生群における移植後3年目の間質線維化/皮質面積は11.56±6.99% vs 6.19±2.25%, p=0.397であることを示すことが出来たが、そのメカニズムの解明にまでは至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
我々は、これまでに当院で生体腎移植を施行した35例を対象とし、のべ120検体に対して、腎組織を交感神経系のマーカーであるTyrosine Hydroxylase(TH)により交感神経の再生性変化を同定し、さらに、免疫染色シリウスレッド染色でコラーゲン線維を可視化し、偏光顕微鏡で撮影した画像を画像解析ソフトImageJ(NIH)にて線維化面積/皮質面積を定量化した。交感神経再生群および非再生群における移植後3年目の間質線維化/皮質面積は11.56±6.99% vs 6.19±2.25%, p=0.397であることを示したが、本年度は、そのメカニズムの解明を目標とする。近年、交感神経が活性化し細胞老化を生じることで線維化が促進するという報告がなされ、特に、SASP因子(Senescence-associated secretory phenotype)を介して間質線維化が進展する可能性が動物実験レベルで示されている。したがって、網羅的mRNA seqの手法の一つであるNanostring社のnCounterにより網羅的にmRNA解析(SASP因子を含む)を行い対象検体の腎線維化の背景に関与する遺伝子群を評価可能と考えている。すでに、バイオインフォマティクスのプラットフォームであるRosalind;のシュミレーションやRNAサンプルの条件(A260/A280:1.7-2.3、A260/A230:1.8-2.3 およびBioAnalyzerによるDV300測定、input推奨量250ng以上)は確認済で、最終年度において、実際のサンプルを用いてデータを解析を行う予定としている。
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Report
(3 results)
Research Products
(3 results)