アンドロゲン減少による骨格筋外組織からの骨格筋量の制御メカニズムの基盤的研究
Project/Area Number |
21K09373
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
雑賀 隆史 愛媛大学, 医学系研究科, 教授 (10314676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 大史 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 助教 (00820804)
今井 祐記 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (10423873)
菊川 忠彦 愛媛大学, 医学部附属病院, 准教授 (70444734)
三浦 徳宣 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (80554427)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | アンドロゲン / サルコペニア / 骨格筋 / アンドロゲン受容体 |
Outline of Research at the Start |
高齢化で健康寿命伸延が社会的課題となっているなか、フレイルへと進行するサルコペニアの原因、メカニズムの解明が課題である。男性におけるアンドロゲンの低下が骨格筋量の低下を来すことでサルコペニアの一因となることから、「いかにして男性ホルモンが骨格筋量を制御しているのか」という学術的「問い」に対し、男性ホルモンによる骨格筋量制御の分子メカニズムを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
骨格筋萎縮は特に高齢者において転倒のリスクを増加させるなどADL低下を招くことで二次性サルコペニアの原因となる。さらにフレイルへと進行することで健康寿命を損なう。骨格筋萎縮を来すメカニズムは不明な点が多いが、男性においてはアンドロゲンの急激で持続的な低下や欠乏が強く関連することが考えられている。これまでのアンドロゲンによる骨格筋の制御に関しての研究から、全身性アンドロゲン受容体(AR)欠損マウスでは骨格筋の筋力および筋量低下を認めるが、骨格筋特異的にARをノックアウトしても、筋力は低下するものの筋量は低下しないことが明らかになっている。我々の独自の研究においても、骨格筋線維および筋幹細胞においてARをノックアウトしたマウスでは、骨格筋量の低下を認めないことを確認している。一方で、アンドロゲンを投与した雌マウスでは、著明な骨格筋量の増強を認めている。このことから、アンドロゲンが骨格筋以外の他の組織に作用した結果、血中を介した液性因子の作用により、骨格筋量の増強に寄与していると考えられた。また血液中に存在するタンパク質を網羅的に解析した結果、アンドロゲン投与により複数種類の肝臓由来タンパク質の血中濃度が顕著に上昇していることを見出した。 そこで、肝臓を介した骨格筋制御のメカニズを解明するため、Cre/loxPシステムを用いて、肝細胞特異的にARをノックアウトしたマウスを作出した。qPCRにより肝臓でのARのノックアウトは確認出来たが、肝臓でのARの蛋白レベルでの発現は確認出来なかった。また、体重や骨格筋重量、グリップテストを用いて評価した筋力には、コントロール群とノックアウト群で有意な差は認めなかった。骨格筋の筋線維横断面積(cross sectional area, CSA)を測定し筋線維の萎縮もしくは肥大の定量的評価を試みたが、これにも有意な差は認め無かった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝細胞特異的ノックアウトマウスを用いた検討で、骨格筋を間接的に制御する臓器として肝臓の可能性は低いと考えられた。そこで、雄マウスに対するSham手術群、精巣摘除(ORX)によるアンドロゲン欠乏誘導群およびORX後アンドロゲン投与による補充群の血清を用いて、再度網羅的質量分析を実施した。その結果、アンドロゲンレベルに応じて血清中で変化する複数種類のタンパク質を同定した。 その中でもepidermal growth factor receptor(EGFR)はアンドロゲンレベルと正の相関を示し、骨格筋量の調節に影響を及ぼす可能性のある候補タンパク質であると考えられた。また、精巣周囲の白色脂肪組織におけるEGFRの発現は、ORXによって低下し、アンドロゲン補充によって回復することが分かった。さらに、雄マウスの血清中のEGFR濃度は雌マウスより有意に高く、明らかにアンドロゲンとの関連が示唆された。そこで、ヒトの筋芽細胞を筋管へ分化させ、EGFRのリコンビナント蛋白を添加し、筋管へ及ぼす影響を検討しているところである。また、雌マウスへEGFRのリコンビナント蛋白を腹腔内投与することで、筋肥大に対するvivoでの検討も行っている。 ヒトにおいても、マウスと同様に血中のアンドロゲンレベルに応じたEGFRをはじめとした液性因子の変化を検証するため、アンドロゲン除去療法を施行する前立腺癌患者に対して、治療前後で採取した血液サンプルを集めているところである。 当初、立案した実験計画通りに、肝臓による骨格筋を間接的に制御するメカニズムを想定し実験を進めてきた。結果として、肝臓以外の臓器を考慮する必要が出てきたが、肝臓以外の臓器を介したアンドロゲンの骨格筋に対する影響を引き続き検討する方針であり、実験としては概ね順調に進展しているものと判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
アンドロゲンが、どこの臓器を介して骨格筋へ作用しているかを検索するため、オスの野生型マウスに対して精巣摘出とアンドロゲン投与を行う予定である。これらのマウスでの表現型の解析、また採取した血清を用いて質量分析により解析し、骨格筋量の変化に関わる液性因子を同定する。さらに骨格筋特異的にARをノックアウトしたマウスに対しても、同様に精巣摘出、アンドロゲン投与を行い、それに伴う骨格筋の変化が、骨格筋に発現しているAR依存的であるか検討する。 同定された骨格筋肥大に関与する可能性の高い因子、特にEGFRに関して、vitroでの筋管肥大作用、またマウスへ投与することで筋肥大作用を引き続き評価する方針である。さらにその因子の遺伝子発現転写調節のメカニズムを解明するため、ChIP-seqを行う方針である。アンドロゲン除去療法を行ったヒトの血清中の液性因子についても、ELISAを用いて検証を行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)
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[Journal Article] CD21lo B Cells Could Be a Potential Predictor of Immune-Related Adverse Events in Renal Cell Carcinoma.2022
Author(s)
Nishimura K, Konishi T, Ochi T, Watanabe R, Noda T, Fukumoto T, Miura N, Miyauchi Y, Kikugawa T, Takenaka K, Saika T.
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Journal Title
J Pers Med.
Volume: 12
Issue: 6
Pages: 888-894
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] Uhrf1 governs the proliferation and differentiation of muscle satellite cells.2022
Author(s)
Sakai H, Sawada Y, Tokunaga N, Tanaka K, Nakagawa S, Sakakibara I, Ono Y, Fukada SI, Ohkawa Y, Kikugawa T, Saika T, Imai Y.
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Journal Title
iScience.
Volume: 25
Issue: 3
Pages: 103928-103928
DOI
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Peer Reviewed / Open Access
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