Project/Area Number |
21K09386
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56030:Urology-related
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Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
東 治人 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (40231914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 実 京都大学, 複合原子力科学研究所, 教授 (00319724)
小野 公二 大阪医科薬科大学, BNCT共同臨床研究所, 所長 (90122407)
稲元 輝生 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (20330087)
小村 和正 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (10789853)
上原 博史 大阪医科薬科大学, 医学部, 准教授 (20822555)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 膀胱温存 / 浸潤癌 / BOAI / BNCT |
Outline of Research at the Start |
①膀胱、および、骨盤内リンパ組織に極めて高濃度の硼素化合物を投与可能とする“BOAI法”を用いて、膀胱癌細胞、特に核内に選択的に集積、移行するべく特殊加工した“膀胱癌細胞親和性硼素化合物(現在作成中)”を投与することによって、膀胱癌細胞により選択的に高濃度の硼素化合物を取り込ませ、癌細胞を選択的に破壊するBOAI-BNCT法の開発、および、② ICI併用による転移抑制効果(アブスコパル効果)の検討
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、血流塞栓膀胱動脈選択的動脈内投与法(baloon occluded arterial infusion: BOAI法)と癌選択的な標的粒子線治療“硼素中性子捕捉療法(BNCT)”を併用すること(BOAI-BNCT療法)によって、副作用が極めて少ない新規膀胱温存治療を開発・臨床応用すること、および、免疫チェックポイント阻害薬併用によるアブスコパル効果の増強を期待した転移抑制を目的としている。BOAI-BNCT療法とは“癌選択的な標的粒子線治療” 硼素中性子捕捉療法(BNCT)は、癌細胞選択的に取り込まれる硼素(10B)化合物を予め投与しておき、熱中性子線を照射することにより、10Bを殆ど取り込まない正常細胞は障害されないが、10Bを多く取り込んだ癌細胞では細胞内部で硼素と熱中性子の核反応が生じ、核反応により発生した高エネルギーのα線と7Li粒子が癌細胞を選択的に破壊する、「正常組織温存+癌細胞選択的破壊治療」である。本治療法の大きな利点は、核反応により発生するα線も7Li粒子も飛距離10ミクロン以下のため、周囲細胞に影響を及ぼさず、硼素を取り込んだ癌細胞のみを選択的に破壊できることであり、また、本治療の成否は、いかに十分量の硼素化合物を癌細胞に選択的に集積させるかにかかっている。そこで我々は、膀胱、および、骨盤内リンパ組織に極めて高濃度の硼素化合物を投与可能とする“BOAI法”(血流塞栓用バルーン付カテーテルを用いて膀胱動脈選択的に硼素化合物を動脈内投与する)を用いて、膀胱癌細胞、特に核内に選択的に集積、移行するべく特殊加工した“膀胱癌細胞親和性硼素化合物(現在作成中)”を投与することによって、膀胱癌細胞により選択的に高濃度の硼素化合物を取り込ませ、癌細胞を選択的に破壊するBOAI-BNCT法を開発している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
転移の部位、状態が目で見てわかる“マウスビジュアル膀胱癌転移モデル”を用いたBOAI-BNCT療法の治療効果の確認 1、“マウスビジュアル膀胱癌転移モデル”:臨床的に非常に重要な“転移のメカニズムと治療”について、これまで有用な動物モデルがないため研究が進まなかったが、我々は膀胱癌細胞株T24のゲノム内にLuciferase発現遺伝子を導入したFSR-T24を作成し、これをマウスに移植することによって転移の部位、状態が目で見てわかる、マウスビジュアル膀胱癌転移モデルを確立した (癌細胞が複性した後にも発光することによって、転移巣をビジュアルで確認できる)。 2、作成方法:ヌードマウスの陰茎背静脈からLuciferase発現遺伝子を導入したFSR-T24を107 ずつ静脈内投与する。 腫瘍細胞は約1か月後に肺、肝臓で多発する転移巣を形成し、蛍光発光するため体表からも観察可能である。 N=20 3、硼素化合物の癌細胞選択的移行の確認:マウスビジュアル膀胱癌転移モデルに硼素化合物を静注投与し、各転移巣における硼素化合物の取り込み状況をKUR-BSH定量システムを用いて定量し、また、核内移行を免疫組織染色により確認する。 4、治療効果の確認:硼素化合物投与後、中性子を照射し癌細胞を選択的に破壊する。転移巣の大きさは目で見て測定可能であり、血液データをチェックすることにより、治療効果と副作用を同時に判定しつつ、生存期間の延長も検討でき、実際の臨床に即した極めて有用なモデルである。
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Strategy for Future Research Activity |
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)併用による転移抑制効果の検討: 近年、放射線療法による癌免疫賦活は多く報告されており、当科でも骨転移に放射線照射を施行した際、肺転移が著明に縮小した症例を経験している。そこで、BNCTにICIを併用投与することよる転移抑制効果を検討する。ICIは作用が発現するまである程度時間がかかることが少なくないこと、また、効果の部位は全身に発現することが予想されることから、転移巣の大きさ、血液データを継続的に測定可能である当モデルは極めて有用であると思われる。また、作用機序や、サロゲートマーカーなどを詳細に検討可能であり、同時に、生存期間の延長も検討できることなど、今後の実臨床に貢献する極めて有用な研究課題であると期待している。
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