HMGB1の血管内皮障害作用に着目した妊娠高血圧腎症の病態の解明と新規治療薬探索
Project/Area Number |
21K09442
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | International University of Health and Welfare (2022) The University of Tokyo (2021) |
Principal Investigator |
永松 健 国際医療福祉大学, 国際医療福祉大学成田病院, 教授 (60463858)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 妊娠高血圧症候群 / HMGB1 / トロンボモジュリン / 血管新生因子 |
Outline of Research at the Start |
疾患モデルマウスを用いたHMGB1のPE発症機序への関与の検証、HMGB1投与による妊娠マウスへの影響、臨床サンプルを用いたPEにおけるHMGB1の関与の確認、HMGB1の作用拮抗によるPE治療薬の探索の4つの課題を検討する。血管新生関連因子の産生異常、慢性炎症、補体系の活性化などPE発症に関わる既知の要因とHMGB1シグナル経路との関係性ついて疾患マウスモデルおよび臨床検体を用いて多面的に解析を進める。さらに、マウスを用いてHMGB1シグナルの拮抗薬剤によるPEの発症抑制効果を調べる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、代表的なDanger signal因子であるHigh-mobility group box 1 (HMGB1)の作用に着目して、妊娠高血圧腎症(PE)に生じる母体の全身臓器と胎盤の血管内皮障害に対するHMGB1の関与の解明を目指し、HMGB1拮抗薬剤による新規のPE治療法探索を目的として検討を進めた。 HMGB1は、ストレス負荷を受けた細胞から放出されて組織炎症を誘発するdanger signal蛋白である。アンギオテンシンII(AngII)誘導性PEマウスモデルを用いて胎盤から放出されたHMGB1が、従来PE発症の主要な要因とされている胎盤絨毛細胞からのsFlt-1産生の増加および、炎症性サイトカインの増加を誘導して母体の全身的症状の原因となっていることを確認した。細胞培養実験から、in-vivoと一致してHMGB1刺激に反応して絨毛細胞は炎症性サイトカインを放出し、sFlt-1発現を増加することを確認した。さらに、臨床検体を用いた検討により、PE妊婦においてはHMGB1が妊娠後期に顕著に増加しており、PE胎盤からは絨毛細胞からの核外漏出が生じていた。また、絨毛細胞からマウスモデルおよびヒト臨床検体の双方の結果から胎盤から放出されるHMGB1がPEにおける母体の臓器障害のみならず胎盤自体の機能障害を増悪させる因子となっていた。HMGB1から誘導される母体血管および全身臓器の炎症がPEの発症に関与するという知見に基づいて、HMGB1を拮抗する作用のある治療薬の候補としてトロンボモジュリン(TM)について検討した。AngII誘導性PEマウスモデルにおいてTMの投与が発症抑制効果を示し、絨毛細胞を用いたin-vitroでの検証によりTMによるHMGB1の吸着効果が抗炎症作用を介してPEにおける高血圧および腎障害の抑制さらには胎児発育の改善に寄与していた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続いてPEマウスモデルと臨床検体に関する検討を並行して進めた。昨年度に明らかになったHMGB1とPE発症機序の関係性のより詳細な解析を進め、TMによるHMGB1の吸着効果による治療効果についてより多面的に検討を進めることができた。当初の計画にそって実験は進行しており、またそこから新規の知見が確認されておりプロジェクトは順調な進展状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今回、PEに対する治療効果が確認されているトロンボモジュリンは、敗血症やDICへの治療薬として臨床使用されている薬剤であるが、妊婦への使用が禁忌となっている。それは、TMの大量の投与による母獣の出血傾向があったという先行研究の結果に基づいたものである。本研究では、現在のPEに対する治療効果が認められる用量ではマウスモデルにおいてTMによる有害な作用は認めていないが、投与量と副作用の関係についても確認を進めてゆく必要がある。また、TMの胎盤への集積性を向上させることで母体の全身的な副作用を軽減するDrug delivery systemの技術を用いたアプローチについても検討を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)