がん幹細胞と微小環境の相互作用を標的とした婦人科悪性腫瘍の新規治療法の探索
Project/Area Number |
21K09490
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
石黒 竜也 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80625690)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
榎本 隆之 新潟大学, 医歯学系, 特任教授 (90283754)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | がん幹細胞 / 子宮体癌 / 卵巣癌 / 微小環境 / アルデヒド脱水素酵素 |
Outline of Research at the Start |
がんの再発・転移・治療抵抗性などに関与するとされている“がん幹細胞”が注目されている。 一方,がんの周囲を取り巻く多くの細胞が,がんの増殖や生存に関わっている。 今回の研究では,がん細胞,とくに“がん幹細胞”とがんの周囲を取り巻きがんを支える細胞との関係性を明らかにし,これらの細胞の相互作用を標的とし新たな婦人科悪性腫瘍の治療戦略への発展を目指すことを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,がん幹細胞と微小環境との関わりを明らかにすることを目的に,卵巣がん・子宮体がんヒト臨床組織検体よりがん細胞と非がん細胞(間質細胞・免疫細胞)の分離抽出を行った。 われわれはアルデヒド脱水素酵素活性をがん幹細胞のひとつの機能的な指標として報告しているが, がん細胞をとりまく非がん細胞(微小環境)が,このアルデヒド脱水素酵素活性を有するがん幹細胞の特性の維持に寄与している可能性を見出した。また,我々はこれまでにアルデヒド脱水素酵素が糖輸送体GLUTを介して解糖系に寄与し,がん幹細胞の維持に関与していることを報告している。今回のこれまでの研究成果で,アルデヒド脱水素酵素があらたにがん生存・増殖に寄与する他の重要なシグナルに影響し,がん幹細胞性質に寄与していることを見出した。さらに,我々のin vitro培養系を用いた薬剤の細胞増殖抑制効果は,殺細胞性薬剤のみならず,特異的阻害剤についても,in vivoでの腫瘍増殖抑制効果と相関していることを検証し得た。 つまりこれらの結果より,アルデヒド脱水素酵素を中心としたさまざまなシグナルにより維持されるがん幹細胞性におよぼす微小環境の役割およびこれらを考慮した治療への展開をわれわれの培養系で検証し得る可能性を見出しており,現在種々の細胞を用いた再現実験での確認を進行している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初,線維芽幹細胞の存在を想定し,研究の立案を行ったが,現時点では同細胞を明確に区分できていない。また試薬入荷に時間を要するなどの問題も続いている。しかし,線維芽細胞を含めた微小環境ががん幹細胞に及ぼす影響を検証しいえるとともに,新たながん幹細胞性の維持機構およびこれらを標的とした特異的阻害剤の有効性を検証している。以上より,現時点での進捗はおおむね順調と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
線維芽幹細胞は見いだせなかったものの,アルデヒド脱水素酵素を中心としたさまざまなシグナルにより維持されるがん幹細胞性におよぼす他の微小環境の役割を明確にし,これらを考慮した治療への展開をめざす。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)