低酸素刺激とガレクチンファミリーによる胎盤栄養膜細胞の分化制御機構
Project/Area Number |
21K09526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56040:Obstetrics and gynecology-related
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
東海林 博樹 金沢医科大学, 一般教育機構, 教授 (10263873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 大輔 金沢医科大学, 一般教育機構, 講師 (90632646)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 胎盤形成 / 栄養膜細胞 / 低酸素刺激 / 低酸素 / ガレクチン / HIF |
Outline of Research at the Start |
胎盤栄養膜細胞の浸潤性細胞への分化制御には低酸素刺激が必要とされている。一方近年、ガレクチンとよばれる一群のレクチンファミリーが栄養膜細胞の分化制御に重要であることが、我々を含む複数のグループから報告されている。しかし、低酸素刺激とガレクチンとをつなぐメカニズムは未解明である。本研究では主要な低酸素応答因子であるHIF1αに着目し、「研究の目的」に記した1~3の点を明らかにすることを目的とする。これらの解析により、HIF経路とガレクチンの連携による低酸素依存的な栄養膜細胞分化制御機構の全容解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、低酸素刺激とガレクチンファミリーによる胎盤栄養膜細胞の分化制御機構の解明を目的としている。 昨年度は、低酸素応答の主役となるHIF1α遺伝子を胎盤栄養膜細胞特異的にノックアウトするために、2系統のCreマウスを導入した(CYP19-Cre、Tpbp-Cre)。2系統について検討を続けたが、CYP19-Creを用いた場合、我々の解析では産児の遺伝子型にバラツキが大きく、再現性のある結果を得るのが難しいと判断された(原因不明)。そこで今年度はTpbp-Creを用いて解析を行った。まず胎盤重量について、野生型とHif1αノックアウトの間で比較を進めた。妊娠12.5日目および14.5日目の胎盤重量を比較したが、統計的に有意な差は認められなかった。 次に、Tpbp-CreによってHIF1αがノックアウトされていると考えられる領域について、野生型との違いを探るべく解析を行った。Tpbpは母体脱落膜と胎児側の迷路部の間に位置するjunctional zoneに発現する。この部分の細胞はグリコゲンを多く含むためPAS染色陽性となる。妊娠12.5日胎盤について、PAS染色により野生型とHIF1αノックアウトを比較してみるとPAS陽性細胞が少ない印象だが、サンプル間で差があり明らかな有意差があるとの判断には至っていない。引き続き妊娠14.5日等のステージを含めて解析を続けることにした。 さらに、in situ hybridization法を用いた各種マーカー遺伝子の発現解析により、妊娠14.5日胎盤について、同様の比較を行った。その結果、Tpbpaで弱い陽性を示す細胞(GC:glycogen cells)がKOで増加している傾向があった。この点についてさらに詳しく調べるために、GC のマーカー遺伝子発現や妊娠16.5日胎盤を用いた解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全身性のHIF1αノックアウトは、胎盤に異常を来し胎児は妊娠10.5日までに致死となる。このような顕著な表現型が知られていたため、胎盤栄養膜細胞特異的にHif1αをノックアウトした場合でも、比較的容易に表現型が検出できると考えていたが、予想以上に影響が小さいと見られ解析が難航している。東京医科歯科大・楠山譲二准教授らは、より強力なTpbp-Creマウスを開発しており、こちらを譲渡してもらうことも検討している。また、HIF1αノックアウトによって発現が変動するガレクチン分子の探索もあまり進んでいない。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、胎盤栄養膜細胞特異的Hif1αノックアウトマウスの表現型解析を進める。妊娠14.5-16.5日のJunctional zoneのglycogen cellsを中心に、in situ hybridization法を用いた各種マーカー遺伝子の発現解析、ならびにPAS染色等により、野生型との詳細な比較を進める。 また、HIF1αノックアウトによって発現が変動するガレクチン分子の探索も進める。RT-PCR法、in situ hybridization法、マイクロアレイ解析、ウェスタンブロット法等により、胎盤栄養膜細胞に分布するガレクチンの遺伝子発現を比較する。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)