Project/Area Number |
21K09577
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 56050:Otorhinolaryngology-related
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
関 直彦 千葉大学, 大学院医学研究院, 准教授 (50345013)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 頭頸部扁平上皮癌細胞 / ATAC-sequence / 治療抵抗性 / マイクロRNA / シスプラチン / 口腔扁平上皮癌細胞 / スーパーエンハンサー / H3K27ac / 機能性RNA / 薬剤耐性 / 頭頸部癌 |
Outline of Research at the Start |
癌細胞が様々な治療に対して、治療抵抗性を獲得する分子機序の更なる解明は不可欠である。近年、細胞の運命を決定する極めて重要な場面において、ゲノム上で「スーパーエンハンサー:SE」と定義される強力な転写制御領域が形成され、細胞の運命を決定する機能性分子を発現誘導するという概念が提唱された。癌細胞が抗癌剤に暴露された際に、癌細胞は自らの生存を賭けて、SEを形成し、抗癌剤耐性に関与する機能性分子を強力に発現すると考える。「SCC機能性RNA発現プロファイル」と抗癌剤暴露時のSEを同定し、これら情報を合致させる事で、抗癌剤耐性に関与する「マスター分子」が明らかになると考える。
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Outline of Annual Research Achievements |
頭頸部扁平上皮癌(HNSCC)に日常診療において、初診時に既に進行症例である患者にしばしば遭遇する。外科的な手術が適応されない患者に対しては、薬物療法・放射線治療が施される。治療に使用される抗癌剤は、依然としてシスプラチンが第一選択肢である。HNSCC細胞は、シスプラチンに対する治療抵抗性を獲得する。治療抵抗性を獲得した癌細胞に対する効果的な治療法は無く、その様な患者の生命予後は極めて厳しい。癌細胞が様々な薬剤に対して治療抵抗性を獲得する分子機序を理解する事は、治療抵抗性を解除する新しい治療法の開発に向けて重要な課題である。 ゲノム科学の新しい知見として、癌細胞が様々な薬剤に対して治療抵抗性を獲得する際には、ゲノム上の転写制御領域を変化させ、治療抵抗性に関わる機能性RNA遺伝子の発現を制御している事が明らかになってきた。ヒトゲノム上のヘテロクロマチン領域(close chromatin)に存在する遺伝子は、転写が抑制された状態にある。それに対して、ユークロマチン領域(open chromatin)に存在する遺伝子は転写が活発に行われている。近縁開発されたATAC(Assay for Transposase-Accessible Chromatin)sequenceは、ゲノムワイドにクロマチンの構造をマッピングする事ができる実験手法である。 本年度は、HNSCC細胞株(CAL-27)に抗癌剤(シスプラチン)を曝露し、ATAC-sequenceにより、極初期(6時間後)に変動するクロマチン領域(open chromatin 領域/ close chromatin 領域)を明らかにした。これらゲノム上に存在する機能性RNA遺伝子の中には、多数のマイクロRNAが含まれていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HNSCC細胞株に抗癌剤(シスプラチン)を曝露した後、初期に惹起されるゲノム上のクロマチンの変化をATAC-sequence により解析した。癌細胞のゲノム上で、遺伝子の転写活性が高い領域(open chromatin 243 領域)および転写が抑制されている領域(close chromatin 35 領域)を検出する事ができた。 シスプラチン曝露後に転写が抑制された領域(close chromatin)に存在する機能性RNA遺伝子の中から、短鎖1本鎖RNAであるマイクロRNAに着目した。マイクロRNAの生物学的な特徴は、1種類のマイクロRNAは、数百から数千の蛋白コード遺伝子の発現を負に制御していることである。そのため、キーとなるマイクロRNAを起点として、シスプラチン耐性に関わる機能性RNA分子のネットワークの探索が可能となると考える。これまでに、解析候補となるマイクロRNAとして、miR-30e-5p、miR-30e-3p、miR-139-3を選び出し、その機能と、マイクロRNAが制御する機能性RNAネットワークの探索を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1) HNSCC細胞株を含め、癌細胞株を用いて、miR-30e-5p、miR-30e-3p、miR-139-3pについて、以下の機能解析を行う。 (1-1) HNSCC細胞株にマイクロRNAを核酸導入し、癌細胞の増殖能、遊走能、浸潤能について機能解析を行う。 (1-2) 機能が明らかとなったマイクロRNAについては、マイクロRNAが制御する機能性RNAネットワークの探索を行う。 (1-3) マイクロRNAが制御する標的分子について、抗癌剤との併用効果を調べる。 (2) ATAC-sequence 解析から明らかになった open chromatin 領域、close chromatin 領域に結合する転写因子について、モチーフ解析を行い探索する。候補となった転写因子については、転写因子が制御する機能性RNAネットワークの探索を行う。
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