血管発生・発達を基軸として軟骨吸収細胞セプトクラストのライフサイクルを探る
Project/Area Number |
21K09820
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57010:Oral biological science-related
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
天野 修 明海大学, 歯学部, 教授 (60193025)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | セプトクラスト / 毛細血管 / 骨端板 / ペリサイト / septoclast / 軟骨内骨化 / 血管周皮細胞 / メッケル軟骨 / 軟骨吸収 / 血管発生 |
Outline of Research at the Start |
軟骨内骨化の過程で生じる軟骨吸収では、破軟骨細胞とともに単核のセプトクラストが重要な役割を果たすことが分かってきた。セプトクラストは表皮型脂肪酸結合タンパク(FABP5)を特異的に発現し、胎生期では骨外の血管周皮細胞(ペリサイト)に由来することを明らかにした。またFABP5はレチノイン酸とも結合し、セプトクラストは骨端板中の脂肪酸やレチノイン酸によって増殖や細胞死が調節されていることも明らかにした。 本課題では、「セプトクラストの発生・分化、移動、軟骨吸収は血管系の発生・発達と密接に関連する」との仮説を検証し、セプトクラストの血管と密接したライフサイクルを明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は[1]セプトクラストと血管系の形態学的関係の解析と[2]セプトクラストの分化・増殖因子の解明に関る実験を行った。[1]に関して、昨年度から引き続き成獣マウスの脛骨近位骨端板組織に対し免疫組織化学的検討を行い、毛細血管内皮細胞とセプトクラストまたはペリサイトの間の位置関係を詳細に調べた。その結果、骨端板骨軟骨境界部でセプトクラストは血管内皮細胞に不連続な基底膜を介して隣接していたが、細胞接着性タンパクであるインテグリンα2を介して軟骨基質にも接着し、基質吸収の足場を形成していることが示唆された。また、骨幹端部では内皮細胞とペリサイトは基底膜を介していたが、脳などのペリサイトとは異なり、骨端板セプトクラストは基底膜に被覆されておらず、骨成長に伴う血管新生との関連が示唆された。この成果はJournal of Anatomyに2022年12月にアクセプトされ、2023年5月にpublishが決定している。(“Integrin expression and extracellular matrix adhesion of septoclasts, pericytes, and endothelial cells at the chondro-osseous junction and the metaphysis of the proximal tibia in young mice.” Bando et al. J Anat. 2023 May;242(5):831-845. doi: 10.1111/joa.13820.) [2]に関しては、[1]の成果から骨端板組織からペリサイトマーカーのplatelet-derived growth factor receptor (PDGFR) βとインテグリンα2が共陽性のセプトクラストと、PDGFRβ陽性でインテグリンα2陰性のペリサイトを単離し、セルソーティングにより単離できる可能性が示唆されたため、現在セルソーターを用いた条件検討に着手している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は昨年度に引き続き、[1]セプトクラストと血管系の形態学的関係の解析と[2]セプトクラストの分化・増殖因子の解明の条件検討に関る実験を行い、その成果は実績の概要の報告通り、国際誌に公表した。 [2]に関しては[1]の解析をもとに端板組織からペリサイトマーカーのPDGFRβとインテグリンα2を指標としてセルソーティングにより単離できる可能性が得られたので、セルソーティングの条件設定を現在行っているが、良好な分離が得られる機会が限定されるため、解析できるサンプルの収集に予定以上の期間を必要としたため。現在は条件設定が安定し、解析が進行中である。 メッケル軟骨に関するデータはほぼ収集が終わり、顎関節に関する解析は現在進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度(2022年度)までに[1]セプトクラストと血管系の形態学的関係の解析に関して成獣マウス骨端板における解析が終了したので、メッケル軟骨、下顎頭軟骨の発生・成長過程においてセプトクラスト/ペリサイトと毛細血管の位置関係を、発生段階を詳細に追って免疫組織化学的に明らかにする。さらに増殖細胞マーカーとTUNEL法により、骨発生初期におけるセプトクラストの増殖とアポトーシスを多重染色により明らかにする。[2]セプトクラストの分化・増殖因子の解明に関しては、マウス胎仔の脛骨原基とメッケル軟骨を器官培養し、不飽和脂肪酸やレチノイン酸、VEGFやPDGFを投与した場合の、セプトクラストの変動を、免疫組織化学的に解析する。培養したペリサイトについて、脂肪酸やレチノイン酸の影響を解析し、セプトクラストへの分化がみられるかどうかを観察する。マウス胎仔脛骨原基や下顎組織からセプトクラストとペリサイトをセルソーターで分離・培養し、E-FABP陽性群と陰性群の差を比較・解析する。[3]骨端板形成後のセプトクラスト増殖機構の解明に関して、 脂肪酸欠乏食飼育マウスにおける、骨端板周囲の毛細血管、ペリサイト、セプトクラストの配置、サイズ、形態、数の変化を解析する。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)