Project/Area Number |
21K09834
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57010:Oral biological science-related
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
望月 文子 昭和大学, 歯学部, 講師 (10453648)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 富雄 昭和大学, 歯学部, 名誉教授 (70184760)
船戸 弘正 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 客員教授 (90363118)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 睡眠時ブラキシズム / GABA / Serotonin / Glycine / 薬理遺伝学 / 光遺伝学 / セロトニン |
Outline of Research at the Start |
咀嚼するときに活動する筋肉(咀嚼筋)の活動をコントロールする神経の分布を調べるために、マウスの脳内にAAVというウイルス液を注入する。青い色の光を当てることで神経細胞の活動を人工的に活性化するためのチャネルロドプシンや、CNOという薬剤を使って神経細胞の活動を活性化したり抑えたりするためのドレッドという研究手法を応用して、AAVが多く集積した部位の神経細胞の活動を人工的にコントロールし、咀嚼筋の活動に重要な部位を探索する。本研究では、歯ぎしりや食いしばりなどの睡眠時ブラキシズムという病気を引き起こす原因となる神経細胞がどこに存在して、その神経細胞どのような性質があるのかを探る。
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Outline of Annual Research Achievements |
ブラキシズムは歯ぎしりや食いしばりなどの口腔悪習癖の総称で、ストレスや薬剤の服用など、さまざまな因子が複雑に関与して発症する多因子疾患であるが、その発症メカニズムはいまだ不明である。我々は、ブラキシズムの誘発因子の一つで抗うつ薬であるセロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)をマウスに投与し、ノンレム睡眠中の咀嚼筋の活動性が上昇することを明らかにしたが(Ikawa Y. et al. Neurosci Res, 2016)、強い増強効果は認められなかった。そこで本研究では、睡眠時ブラキシズム発症に関与が指摘されているセロトニンあるいはGABAの作用、およびこれらの相互関連について明らかにするため、三叉神経運動核と神経連絡がある部位のニューロンを薬理遺伝学的手法を用いて検討し、セロトニン神経あるいはGABA神経の活動を人為的に操作したときの咬筋活動への影響を調べることで、ブラキシズムの発症メカニズムの解明に迫る。 2021年度は、三叉神経運動核にGABAニューロンの軸索を投射する中脳水道周囲灰白質腹外側部(ventlateral PAG: vlPAG)に存在するGABA産生ニューロンの活動性を薬理遺伝学的に抑制、あるいは興奮させたときの睡眠覚醒時間ならびに咬筋活動性を検討した。2022年度は2021年度と同様に、三叉神経運動核にGABAニューロンの軸索を投射する腹背外側核(sublaterodorsal nucleus: SLD)に存在するGABA産生ニューロンの活動性を薬理遺伝学的に抑制、あるいは興奮させたときの睡眠覚醒時間ならびに咬筋活動性を検討した。2023年度は、マウスへSSRIを投与した際、SLDに存在するGABA産生ニューロンの活動性を薬理遺伝学的に抑制、あるいは興奮させたときの睡眠覚醒時間ならびに咬筋活動性を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Designer receptors exclusively activated by designer drugs (DREADD)は、神経細胞の活性化または抑制を人為的に操作ができる薬理遺伝学的手法である。DREADDは人工的リガンドCNOの受容体で、DREADDのhM3Dqを発現させると神経活動を活性化、hM4Diを発現させると抑制することができ、CNOを腹腔内投与することで神経活動を任意のタイミングかつ数時間操作できる。GABAニューロン特異的Creマウスであるvesicular GABA transporter (VGAT)-CreマウスのCre依存的にGABAニューロンにhM3DqあるいはhM4Diを発現させ、CNOを腹腔内投与したとき、GABAニューロンの活動が咬筋の活動にどのように影響するか検討した。三叉神経運動核にGABAニューロンの軸索を投射する中脳水道周囲灰白質腹外側部(ventlateral PAG: vlPAG)に存在するGABAニューロンの活動性を抑制(hM4Di)、あるいは興奮(hM3Dq)させたときの咬筋活動性を検討したところ、どちらの条件でも睡眠覚醒時間は変化がなく、また、咬筋活動性にもほとんど変化が認められなかった。さらに、腹背外側核(sublaterodorsal nucleus: SLD)に存在するGABAニューロンの活動性を薬理遺伝学的に抑制、あるいは興奮させたときの咬筋活動性を検討したところ、SLDに存在するGABAニューロンは咬筋活動性にほとんど影響していないことがわかった。そこで、GABAニューロンの活動性を人為的に制御できる状態で脳内のセロトニン濃度を上昇させる作用があるSSRIをマウスに投与したとき咬筋活動性はどのように変化するか検討しているが、解析に時間を要し、2024年度も延長して実験・解析を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
三叉神経運動核にGABAニューロンの軸索を投射する中脳水道周囲灰白質腹外側部(ventlateral PAG: vlPAG)あるいは腹背外側核(sublaterodorsal nucleus: SLD)に存在するGABAニューロンの活動性を薬理遺伝学的手法であるDRREADDのhM3Dq(興奮させる)およびhM4Di(抑制させる)を用いたときの咬筋活動性を検討したところ、どちらの神経核のGABAニューロンを興奮させたとき、あるいは抑制させたときのいずれの場合も咬筋活動性にもほとんど影響が認められなかった。そこで、GABAニューロンの活動性を人為的に制御できる状態で脳内のセロトニン濃度を上昇させる作用があるSSRIをマウスに投与したとき咬筋活動性はどのように変化するか検討しているが、解析に時間を要し、2024年度も延長して実験・解析を行っている。
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