Project/Area Number |
21K09842
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57020:Oral pathobiological science-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中山 真彰 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10579105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 一弘 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (20549860)
大原 直也 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70223930)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 歯周病細菌 / 歯周炎 / 細胞内カルシウム / PLC / ジンジパイン / 炎症メディエーター / 病原因子 / 炎症 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、歯周病菌Porphyromonas gingivalis が産生するプロテアーゼ「ジンジパイン」に着目して、ジンジパインによる宿主細胞内シグナル伝達経路の撹乱の分子解析を行い、細胞レベルからマウスモデルに展開して、歯周病の病態形成におけるジンジパインの病原性・役割を追究・解明するための基礎研究である。研究期間中には以下の計画を予定している。 計画1:ジンジパインによるPI3K/Akt経路撹乱によるmTORタンパク質の歯周組織破壊への影響。計画2:ジンジパインのアラキドン酸代謝活性化の分子解析。計画3:歯周疾患モデルにおけるジンジパインの病原性と歯周病重症度への影響
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,「歯周病原細菌と宿主細胞間で起こる感染現象の分子基盤を細胞・分子生物学的アプローチにより構築し,歯周病菌が産生する病原性プロテ アーゼの機能解析を行ない、歯周病の発症機序を解明する」ことである。本申請研究では歯周病細菌の感染による歯周病発症と病態形成機序を解明するために、 歯周病細菌Porphyromonas gingivalis (P. gingivalis)が産生する病原因子であるプロテアーゼ「ジンジパイン」に着目し、宿主細胞の主要なシグナル伝達経路 の撹乱機構を中心に分子解析を行なう。これまでの研究では、歯周病の発症におけるジンジパインの役割を調べるために、ジンジパイン完全欠損株とその野生株 を用いた感染実験による比較解析を行ない、歯周組織の炎症で発現がみられるCOX-2やPGE2の産生について調べた。P. gingivalisのLPSや線毛がCOX-2発現や PGE2産生に関与することは知られていたが、ジンジパインが発現誘導に関わる因子であることは報告がなかった。我々の結果から、本菌が産生するジンジパイン はLPSや線毛よりも強くCOX-2発現やPGE2産生を誘導することを明らかにした。またジンジパインによるCOX-2発現の分子機序について宿主細胞応答を調べたとこ ろ、ERKとIKKの2つのシグナル伝達経路の活性化とそれぞれ転写因子c-Jun/c-FosとNF-kBp65の活性化が重要であることを示し、さらには細胞内カルシウムの重要 性とカルシウムチャネルTRPCファミリー、またさらにはPLCの関与を明らかにした。今後は、COX-2発現と PGE2産生に繋がる上流因子の分子解析を行ない、ジンジパインが作用する細胞膜上の入り口となる因子の解析を行な う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画書に沿って予定項目の研究内容を遂行し、結果を得られているため。また関連する細胞膜上にあるカルシウムチャネルやそれにつながる酵素PLCが関わっていることを示唆する結果を得た。これらの結果について論文執筆も進んでいる。以上のことから、計画に沿って順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の目的では歯周病細菌の感染による歯周病発症と病態形成機序を解明するために、 歯周病細菌Porphyromonas gingivalis が産生するシステインプロテ アーゼ「ジンジパイン」に着目し、宿主細胞の主要なシグナル伝達経路の撹乱機構を中心に分子解析を行なう。これまでの研究では、本菌が産生するジンジパ インによるCOX-2発現誘導の分子機序について宿主細胞応答を調べ、ERKとIKKの2つのシグナル伝達経路の活性化とそれぞれ転写因子c-Jun/c-FosとNF-kBp65の活性化が重要であることを示し、さらには細胞内カルシウムの重要性とカルシウムチャネルTRPCファミリーの関与を明らかにした。 さらには、細胞膜近傍に存在するPLCの関与を示唆する結果が得られており、PLCとTRPCファミリーとの関係性を調べ、COX-2発現と PGE2産生に繋がるジンジパインの作用する細胞膜上の入り口となる因子の解析を行な う。 これを元に今後の研究では、COX-2発現と PGE2産生に繋がる上流因子の分子解析、特にTRPCファミリーの中のどのTRPCチャネルが関与しているのか、PLCもファミリーが多いがどのPLCであるのかの決定を行ない、ジンジパインが作用する細胞膜上の入り口となる因子の解析を行なう。
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