Establishment of a new surface treatment for adhesive resins using dental lasers and its application to coronal restoration
Project/Area Number |
21K09880
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57030:Conservative dentistry-related
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
鈴木 雅也 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (10409237)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | CAD/CAMブロック / 歯科用レーザー / 被着面処理 / 接着強さ / CAD/CAMレジンブロック / エルビウムヤグレーザー / 接着性レジン |
Outline of Research at the Start |
歯の一部が齲蝕(虫歯)によって欠損した場合、合成樹脂(プラスチック)を欠損部に接着して回復する治療が一般的に行われる(接着性レジン)。しかし、口腔内ストレス(温度、咬合による荷重)の影響、接着界面の経時的劣化、新しく開発された材料との接着方法など解決すべき課題が残されている。本研究の目的は、歯(エナメル質、象牙質)および各種材料の接着面に対してレーザー照射を利用した前処理を行い、接着性レジンの接着強さと接着耐久性を向上させることである。レーザー照射の効果について、接着強さ試験、表面硬さ・表面粗さ測定、接触角の測定、電子顕微鏡による観察などで詳細に分析し、接着メカニズムについて明らかにしたい。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、昨年度に引き続きレーザー表面処理後のCAD/CAMレジンブロックの接着強さについて評価した。CAD/CAMレジンブロック(セラスマート300、GC、以下C3)のレジンセメントに対する引張接着強さを測定した結果、Er:YAGレーザー(アーウィンアドベールEVO、モリタ、以下ER)の単独処理では対照群と同等か低下を示した。そこで、ER後にサンドブラスト(SB)を併用した結果、初期接着強さは統計学的優位に上昇した。また、表面粗さ(Ra)はSBのみ:1.46、ERのみ(100mJx10PPS):3.28、ER+SB:2.98となり、ERでRaは増大した。しかしながら、同じ方法で作製した試料を温度負荷(サーマルサイクル)試験にかけると、SBのみに比較してERで低下することが判明した。 そこで、レーザーの熱による変性の影響を排除するため、レーザーの波長を半導体(波長810nm、P2 Dental Laser System、ピオンレーザーテクノロジー)へと変更し、シランカップリング剤の活性化を目的として応用した。3種類のCAD/CAMブロック、C3、エナミック(VITA、以下EM)、ポーセレン(VITA、以下PO)に対するコンポジットレジンの接着強さを測定した結果、C3では対照群:16.8(MPa)、7W:20.5、5W:16.6、3W:16.8で、対照群と比較して統計学的優位に接着強さの上昇を認めた。また、EMでは対照群:16.2、7W:19.0、5W:17.7、3W:16.9であり、有意差はないものの上昇を認めた。この接着強さの上昇は、レーザーの照射エネルギーが大きいほど高い傾向がみられた。POでは、照射前後ともに凝集破壊を示しており、接着強さはほぼ同等であった。 今後は、接着耐久性の評価と作用メカニズムについて解析を行い、臨床応用可能な照射条件について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験にて、レーザー照射の併用がCAD/CAMブロックの初期接着強さを上昇させることを確認しており、本実験でもほぼ予想に近い結果が得られている。しかしながら、温度負荷(サーマルサイクル)を与えると接着強さが低下することが判明した。照射設定・条件を増やして計測を行ってみたが、接着強さを維持できる結果を得ることができなかったため、レーザーの波長について再検討を行う必要となり、その選定に時間を要した。その後、いくつかの予備実験を繰り返した結果、本実験にて接着強さを上昇できる方法の見通しがつき、現在は臨床により近い手技で行えるように改善を進めている。また、その他の業務(教育、診療など)に費やす時間が多くなり、当初の予定に比較してやや遅延している。しかし、研究内容に大きな変更はなく、令和5年度の研究の遂行に支障はない。
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Strategy for Future Research Activity |
シランカップリング処理後の被着面に半導体レーザー照射を併用することにより、いくつかの材質のCAD/CAMブロックではコンポジットレジンの初期接着強さが向上した。しかしながら、依然として耐久性については今後の検討課題として残っており、特に温度負荷(サーマルサイクル)を与えた際の接着強さについて評価を行う。さらに、接着メカニズムを解明するため、試料表面のヌープ硬さの測定、表面粗さの測定、接触角の測定、SEM観察、およびレーザー照射による温度上昇の測定とその影響についても順次検討を進める。 得られたデータはそれぞれ適切な統計学的解析を行い、学会発表および専門国際学術雑誌への投稿を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)