Development of dental titanium alloys with enhanced antibacterial property
Project/Area Number |
21K09930
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57040:Regenerative dentistry and dental engineering-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 正敏 東北大学, 歯学研究科, 助教 (50400255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 雄京 東北大学, 歯学研究科, 准教授 (10206766)
多田 浩之 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70431632)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
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Keywords | 制菌性 / チタン合金 / 組織制御 / 金属組織 / 熱処理 / Ti-Ag合金 / バイオフィルム / 歯科用合金 / 歯科インプラント |
Outline of Research at the Start |
申請者の開発した歯科用Ti-Ag合金は、常在細菌叢に影響を与えずに、材料表面へのバイオフィルム形成を抑制する機能を有する。本研究課題では、(1)様々なTi-x合金の制菌性試験を行い、チタンに制菌性を与える合金化元素のスクリーニングを行う。そして、制菌性を示す合金のぬれ性と自然電位を調べ、(2)制菌のメカニズムを解明し、新たな機能性合金を開発するための基礎を構築する。さらに、Ti-Ag合金をベースに第三元素を添加し、(3)制菌機能を強化したTi-Ag-x合金のインプラント応用の可能性を評価する。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、Ti-Au、Ti-Cu、Ti-Pt、Ti-Nb合金を設計し、それら合金インゴットを試作した。Ti-Nb系の平衡状態図は全率固溶型、それ以外の系は共析型である。合金を熱間鍛造と熱間圧延し、板状に切り出して試料を作製した。その試料に真空熱処理による組織制御を行った。熱処理前後の金属組織を調べた。それら合金の制菌性を評価した。 【合金の試作】設計した合金組成となるように各元素を秤量し、アルゴンアーク溶解炉を用いて合金インゴットを溶製した。【熱処理】板状試料を石英管に真空封入し、電気炉を用いて熱処理した。炉から取り出した後は水中急冷した。【金属組織評価】X線回折試験を行って試料表面の合金相を同定した。SEMで金属組織を観察した。【制菌性評価】バイオフィルム形成試験と抗菌試験を行った。 【結果】共析型の合金には熱処理前に金属間化合物が多量に存在したが、熱処理により金属間化合物の量を制御することができた。1時間以上の熱処理で、概ねαチタン単相になった。Ti-Nb合金はα+βもしくはβ単相であった。いずれの合金も表面に形成されたバイオフィルム量はチタンより少なかった。表面粗さの低下が一因と考えられた。ただし、Ti-30%Nbの表面粗さはチタンより有意に大きかった。いずれの合金も抗菌性を示さなかったが、Ti-Cu合金の生菌数はチタンより少なかった。以上の結果から、Au,Pt,Nbはチタンに制菌性を与える添加元素として期待され、特にNbが有望であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
様々な二元系チタン合金に対して熱処理による金属組織制御が可能となった。また、これら合金のバイオフィルム形成試験と抗菌試験を行うことで、チタンに制菌性を与える添加元素のスクリーニングを行い、Au,Pt,Nbが期待でき、特にNbが有望であることが分かった。バイオフィルム形成抑制能には表面粗さの低下が関与することを示した。しかし、例外もあったため、ぬれ性試験や自然電位測定を引き続き行い、制菌メカニズムの解明を目指す計画である。
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Strategy for Future Research Activity |
【合金開発】これまでの研究成果により、チタンに制菌性を与える合金化元素として有望であることが示されたNbを新たに加え、Ti-Ag-Nb合金を開発する。【状態図の作成】合金開発には状態図が必須である。Ti-Ag-Nb系の状態図は存在しないため、状態図を作成する。【バイオフィルム形成試験】細菌培養試験用品を用いて、試料をスクロース含有液体培地に浸漬し、バイオフィルム形成細菌を嫌気培養する。表面に形成されたバイオフィルムを回収して蒸留水に懸濁し、分光光度計で濁度を測定することで、バイオフィルム量を推定する。【殺菌試験】細菌培養試験用品を用いて、バイオフィルム形成細菌を試料上で、フィルム密着法により培養する。培養後に試験菌を洗い出し、寒天平板培養法で生菌数を求め、試験成立条件の判定を行う。試験が成立した場合について抗菌活性値を計算し、抗菌性を評価する。【自然電位の測定】バイオフィルム形成試験で使用する液体培地における、各合金の自然電位の測定を行う。研磨した試料を蒸留水に1日間浸漬した後、37℃で24時間測定する。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)