Project/Area Number |
21K10043
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中野 敬介 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (10325095)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 穂高 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (10803687)
志茂 剛 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40362991)
長塚 仁 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (70237535)
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
高畠 清文 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70736537)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 高浸潤型 / 低浸潤型 / 細胞競合 / オルガノイド / 腫瘍間質 / 口腔癌 / 癌化 / エピゲノム |
Outline of Research at the Start |
「細胞競合」は適応度の高い細胞が適応度の低い細胞を排除する現象で、組織発生や恒常性維持、癌細胞の排除など多細胞生物の生命システムにおいて根幹をなすメカニズムのひとつである。我々は癌細胞と間質細胞の分離培養実験系で、高悪性癌の間質細胞は、低悪性癌細胞を高悪性癌細胞へ変化させること、および低悪性癌の間質細胞が高悪性癌を低悪性癌に変化させることを見出している。また、細胞競合で勝者となる細胞に発現する因子が、高悪性度癌組織では癌細胞に強く発現し、低悪性度癌では間質細胞に強く発現していることを見出している。本申請では腫瘍特異的に作られる間質による細胞競合機構を介した癌化と悪性度調節への関与を検討する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2022年は口腔扁平上皮癌について生物学的な特性と関連因子の発現を確認するために、臨床材料および移植腫瘍を用いた組織学的な検討をおこなった。臨床的に内向型の発育様式を示す口腔扁平上皮癌は上皮下結合組織へ浸潤増殖していくが、口腔扁平上皮癌の亜型の疣贅癌は体表外へ向かって外向性に増殖し、結合組織への浸潤性に乏しい。通常型の口腔扁平上皮癌(高浸潤型癌)、およびその亜型である疣贅癌(低浸潤型癌)について、これら性格の異なる2つの癌の間質細胞を互いに入れ替えてマウスに移植した。移植癌組織を組織学的に検討し、顎骨内への浸潤の状態について組織学的に検討した。骨組織への浸潤状態は高浸潤型と低浸潤型で大きく異なり、高浸潤型では著名な骨浸潤をみとめた。あわせて、骨髄内組織における性情の変化を検討した。癌の進展に伴って線維化を生じた骨髄内の組織は、線維化を生じていない領域に比べ細胞競合因子の発現状況に違いがあった。癌の間質は従属的組織として癌の制御下におかれているのではなく、細胞競合の働きによって癌細胞へ働きかけて癌細胞の性格そのものを変化させている可能性示唆する結果を得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は移植腫瘍組織を用いた組織学的な検討に加え、臨床検体を用いた病理組織学的検討、腫瘍間質培養上澄を用いたコロニーフォーミングアッセイ、MTTアッセイ、細胞浸潤アッセイを行い、正常間質細胞による腫瘍細胞への影響を検証した。研究内容は研究実施計画に則っており、順当に進んでいる。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの検討により、腫瘍のプログレッションを左右する重要な因子として、間質の性状の違いが明らかになってきた。腫瘍は発生あるいは進展した部位により、その性格が大きく影響をうけることが予想される。そこでオルガノイド腫瘍移植モデルによるin vivoの実験を実施して、組織学的に異なる部位の間質と腫瘍の相互作用について検討を行う。
|