Project/Area Number |
21K10101
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
松末 友美子 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (60571007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松吉 ひろ子 東海学園大学, 健康栄養学部, 准教授 (10448772)
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (20243842)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 口腔癌 / ラマン分光法 / リキッドバイオプシー / ラット発がんモデル / 早期診断 / ラット舌発癌モデル / 光バイオプシー |
Outline of Research at the Start |
口腔がん発生モデルとして4-nitroquinoline 1-oxide(4-NQO)によるラット舌がんモデルを作製し、ラットに発生した舌がんの癌発生過程に生じる病変を肉眼的、病理組織学的に経時的に観察する。生じた病変を光バイオプシーによって経時的に観察し、病変にみられる分子組成および分子構造の変化を解析する。病変発生段階における血清を採取し、リキッドバイオプシー技術を用いて、miRNAの解析を行う。ラット舌がん病変を光バイオプシーにより解析された分子組成と分子構造の変化と血清をリキッドバイオプシーにより解析したmiRNAの変化と病変の病理組織学的、免疫組織化学的評価との関係について解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、低侵襲検査である光バイオプシー技術であるラマン分光法とmiRNAをマーカーとするリキッドのバイオプシー技術を用いて、ラット舌癌モデルの癌発生過程に生じる病変の分子組成および分子構造をin situにて解析し、病変の進行にともなう変化を定量的に評価し、病理組織学的、免疫組織化学的変化との関連について明らかにすることである。本研究の成果は、ヒト口腔癌を低侵襲で早期に発見することができる高感度ラマン分光イメージングシステムの開発やリキッドバイオプシーを用いた強た新たな診断技術の応用が期待される。4-nitroquinoline 1-oxide (4-NQO)を用いたラット舌発癌モデルを作製し、舌扁平上皮に、過形成、異形成を経て扁平上皮癌を発生させた。まずは早期癌発生までの各過程における、肉眼的変化を観察した。各過程における病理組織学的変化および免疫組織学的変化を観察するために、HE染色および免疫染色(p53、Ki63、CK13,CK17)を行った。優位性変化が認められたKi63およびCK17の判定基準を用いて、病理組織学的および免疫組織化学的評価を行った。ラット舌発癌モデルの舌粘膜の変化は、ラマン分光法によるハイパースペクトルイメージングデータにおいてDNAタンパク変動を反映していた。これらの変化は、病理組織学的および免疫組織化学的評価と一定の相関を認めた。リキッドバイオプシーではラット舌がんモデルの300μLの凍結血清サンプルから、液体サンプルキットの3D-GeneR NA抽出試薬を用いて総RNAを抽出する予定であったが、試薬がラットには対応しておらず、別の抽出試薬を検討した。また、凍結血清サンプルではなく、パラフィン包埋切片を用いて、包括的な総miRNA発現の解析している。がん発生段階で特異的なバイオマーカーの検索と検証を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
リキッドバイオプシーを用いた実験では、ではラット舌がんモデルの300μLの凍結血清サンプルから、液体サンプルキットの3D-GeneR NA抽出試薬を用いて総RNAを抽出する予定であったが、抽出試薬がラットのサンプルには対応しておらず、別の抽出試薬を検討した。また、凍結血清サンプルは安定的にサンプル保存を行うことが困難であることが判明したため、パラフィン包埋からサンプルを作製し、それらを用いて解析する方法に変更を検討している。これらの解析方法にて、がん発生段階で特異的なバイオマーカーの検索と検証を行う予定である。リキッドバイオプシーでは、解析方法に変更が生じ、解析方法を検討中であるが、解析可能である使用する試薬や、解析方法が決定しておらず、これらの実験については解析が遅れている。ラマン分光法を用いた実験は、概ね解析が終了しているが、全体の実験の進行状況としてはやや遅れていると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
ラット発がんモデルにて得られたサンプルにて、癌発生過程に生じた病変における病理組織学的、免疫組織化学的変化とラマン分光法で得られた分子組成および分子構造の変化について解析が終了している。癌発生の初期の変化を光学的にとらえるためのデータを収集し、これらのデータを重回帰分析などにより解析し定量的な指標への応用を試みたところ、こちらも一部は解析が終了している。今後はラマンスペクトル校正処理を進め、病変部における分子組成・分子局在変化を定量的に示す画像の再構成を可能とするハイパースペクトルイメージング(HSI)データ処理を視覚的に捉えるようにしていく。ラット舌がんモデルのパラフィン包埋からサンプルを作製し、リキッドバイオプシーの技術を用いて総RNAを抽出する。これらの解析結果を踏まえて、包括的にがん発生段階で特異的なバイオマーカーの検索と検証を行う。検討中のリキッドバイオプシーの解析方法(試薬、サンプル)の検討を行い、実験を進め、解析をしていく予定である。
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