歯肉癌をターゲットとした長鎖非翻訳RNA「TUG1」の抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
21K10110
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
市村 典久 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (90770280)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | TUG1 / 口腔がん / 歯肉癌 / 口腔癌 / エピゲノム異常 |
Outline of Research at the Start |
口腔癌は口腔内(舌、歯肉、頬粘膜、硬口蓋、口底)および口唇に発生する癌の総称であり、部位により癌の分子生物学的特徴や治療に対する感受性が異なることが予想される。歯肉癌は解剖的特徴から顎骨に浸潤しやすく、外科的処置では顎骨を含めた広範囲の切除と再建が必要となり、術後の整容変化や機能障害による患者の精神的・肉体的苦痛は極めて大きい。申請者はTUG1が歯肉癌において高発現し、細胞の増殖能・遊走能を制御することを見出した。本研究は歯肉癌に対するTUG1の抗腫瘍効果を明らかにし、新規エピゲノム治療法の開発へと繋げることを成果とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
Taurine up-regulated 1(TUG1) はタウリン処理した網膜細胞で発現する分子として2005年に発見された比較的新しい非翻訳RNA(Long Non-Cording RNA:lncRNA)であり、肺癌や大腸癌、膠芽腫といった複数の癌種においてOncogenicに機能する分子として注目されている。 研究代表者はこれまでに公共データベース(The Cancer Genome Atlas:TCGA)を利用した解析から、TUG1が正常組織と比較して口腔癌組織で発現が有意に増加しており、中でも歯肉癌において発現が増加していることを見出した。さらに細胞株において、正常粘膜細胞(HOK)と比較して歯肉癌細胞(Ca9-22、Sa3)でTUG1の高発現を認め、TUG1をアンチセンスオリゴヌクレオチド(ASO)でknock downすることで、歯肉癌細胞の増殖能や浸潤能、遊走能が著しく低下することを確認した。 これらの結果は、TUG1が歯肉癌に対してOncogenicに機能することを強く示唆しており、新たな治療標的としての可能性を期待させるものである。 2022年度は、マイクロアレイで同定したTUG1の標的候補遺伝子について、当初解析を予定したNF1からNLKに解析対象を変更した。これはTCGAによるin silico解析や細胞株を用いた実験を行う中で、NLKが口腔癌でOncogenicに機能することや、NLKの高発現群は低発現群と比較して生命予後に差があることが明らかとなったためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は計画した実験は概ね遂行することができた。 前年度まではTUG1の標的候補遺伝子を数種類挙げていたが、今年度はTCGAによるin silico解析や細胞株の実験から、候補遺伝子をNLKに絞ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は細胞株を用いたTUG1の機能解析に加え、NLKの機能解析や、TUG1とNLKの間に介在するマイクロRNAなどの同定を計画する。
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Report
(2 results)
Research Products
(22 results)