ヨウ素処理による抗菌性を付与した新しいチタンデバイスの開発
Project/Area Number |
21K10127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 57060:Surgical dentistry-related
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Research Institution | Kanazawa Medical University (2022-2023) Osaka Medical and Pharmaceutical University (2021) |
Principal Investigator |
中野 旬之 金沢医科大学, 医学部, 教授 (60511730)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 和也 大阪医科薬科大学, 医学部, 講師 (00761503)
山口 誠二 中部大学, 生命健康科学部, 准教授 (50726198)
植野 高章 大阪医科薬科大学, 医学部, 教授 (60252996)
三島 克章 山口大学, 大学院医学系研究科, 教授 (60304317)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | チタン / 混酸処理 / ヨウ素処理 / 抗菌性 / 歯科用インプラント / 表面処理 / 混酸加熱処理 / 骨形成能 / 抗菌作用 / 医療用チタンデバイス / 頭頸部領域 / 体内固定用プレート |
Outline of Research at the Start |
チタンは高い生体親和性から顎骨再建など硬組織手術に広く使用されているが、抗菌性を持つ医療用チタンデバイスは開発されてこなかった。研究代表者らは、世界で初めてチタンデバイス表面に抗菌作用獲得を可能にした“ヨウ素処理”を開発した。研究代表者らが開発したヨウ素イオン法は低濃度ヨウ素イオンをチタン表面に付与するため生体や環境への安全性は確保される。 この申請課題では、チタンまたはチタン合金の表面に、ヨウ素処理を用いて抗菌作用を付与し、機械的強度、骨形成能、口腔内常在菌への抗菌作用および安全性についての評価を行い抗菌力を持つ新たなチタンデバイス開発を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
われわれは,NaOH-CaCl2-加熱-ICl3処理(ヨウ素処理)によりヨウ素含有カルシウム欠損チタン酸カルシウムを形成したチタン(CaI-Ti)が,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌などに抗菌性を示すことを明らかにしている.一方,チタンを混酸処理(66.3%H2SO4,10.6%HCl)することで骨形成関連細胞増殖・分化に適するマイクロスケールの凹凸が生じることも明らかにしている.しかし,CaI-Tiの口腔内常在菌に対する抗菌活性は未だ不明であり,混酸処理の影響も明らかでない.本研究は,混酸処理後にヨウ素処理を施したチタン(MCaI-Ti)の表面物性を調べ,口腔内細菌であるStreptococcus mitisとPrevotella intermediaに対する抗菌活性を評価してCaI-Tiと比較した. 材料および方法:純チタン板(純度>99.5%)にヨウ素処理あるいは混酸-ヨウ素処理を施し,その表面を走査型電子顕微鏡,共焦点レーザー顕微鏡,X線回折装置,X線光電子分光分析装置により分析、また水接触角を計測した.擬似体液浸漬によりアパタイト形成能を評価し,リン酸緩衝生理食塩水中へのイオン溶出量を誘導結合プラズマ発光分光分析で測定した.S.mitisおよびP.intermediaに対する抗菌性をISO22196に準拠して評価した. 結果:MCaI-Tiはマイクロスケールの凹凸構造上にナノスケールのネットワーク構造をもつ表面層を形成し,表面層の厚み1.5μm及び平均表面粗さ0.35μmはいずれもCaI-Tiよりも有意に高い値を示した.さらに,1か月後も接触角7.5°と高い親水性を維持し,アパタイト形成,カルシウム及びヨウ素イオンの溶出,およびP.intermediaに対する抗菌活性のいずれにおいてもCaI-Tiと比較して向上した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
チタン板にヨウ素処理を施した時の抗菌性に関して論文投稿を行っており、概ね順調と考える。
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Strategy for Future Research Activity |
プレート感染モデルラットを確立し、ヨウ素処理したチタン板の抗菌性について検討を行う予定である。
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Report
(3 results)
Research Products
(7 results)