Project/Area Number |
21K10374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Wakayama Medical University (2023) Kyoto University (2021-2022) |
Principal Investigator |
伊藤 達也 和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (00452342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 美香 京都医療科学大学, 医療科学部, 客員研究員 (60555259)
伊勢田 哲治 京都大学, 文学研究科, 教授 (80324367)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
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Keywords | 研究公正 / 教育環境 |
Outline of Research at the Start |
我が国では、研究分野を問わず基礎研究や臨床試験の不正事案が明るみになり、日本の研究の信頼を揺るがす大きな問題が発生している。研究不正への予防・対応の取り組みは省庁、大学や研究機関で進められているが、概念的な内容に留まり、研究不正が生じる根源的な原因の調査・分析と、具体策を検討する必要がある。これまでに研究環境を踏まえた研究者自身の研究の方向性や研究公正の推進対応策等に関する課題を明らかにしてきた。本研究では、①研究に関する国内外の政策調査、②国内外の研究にかかる法律等の制度的調査、③研究機関における研究公正教育に関する実情調査を行い、指針や教育プログラムの構築等により研究現場に還元する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はフォーカスグループインタビュー手法を用いた研究者の研究公正・不正に関する意識調査解析作業を昨年度に引き続き進めた。研究者間で分析方法について議論を重ね、インタビュー内容をコードから再度見直し分析した。グループ毎に7質問(8項目)内容に沿った解析を行い、5グループ間の比較も行った。代表的な結果として、「悪い研究とは?」では、論文の質の低下が顕著であることや、「研究公正の定義」では、良いと悪いの境界の判断が曖昧で定義が困難であること、「研究公正の課題」では研究室の閉鎖的環境や時限付き雇用、競争的資金の獲得等であること、「研究公正の促進対策」では大学院生同士のネットワーク促進や副指導教官の設置など教員・学生間の開放的環境などの結果であった。これらの再分析結果をもとに今後国際雑誌に直ちに投稿予定である。 令和5年度は、海外の研究公正に関する国の体制やポリシー等の調査を行った。英国、フランス、ドイツ、カナダを調査した。カナダ以外の国では、国家や研究機関から独立した第三者機関の研究公正推進室が設置されていた。しかし、いずれの国も研究不正を調査する国家機関はなく、大学や研究機関で調査・結果公表などが委ねられていた。今後は、更に可能な範囲で海外の調査を並行して進め、結果をまとめる発表する。 一方、研究公正教育に関する大学の取り組みにつき、国内の3大学(京都大学、大阪大学、和歌山県立医科大学)の研究公正担当事務掛へのインタビューも行った。総合大学では部局ごとで講習会の実施など教育主体を委任し、事務側は大学としての方針やポリシー作成に携わっている。単科大学は学部間の教育実施主体も担っていた。守るべきルールや講習内容が年々増加しているが、事務担当者の増員もなく課題となっていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
国内外に関する体制や政策状況に関する研究は、前年度とほぼ同様に進めている。一方、フォーカスグループインタビュー手法を用いた研究者の研究公正・不正に関する意識調査の再解析に時間を要した。従って、研究自体はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度は最終年度であったものの、再解析などに時間を要し研究全体のまとめはもう少し時間が必要となった。令和6年度の1年間でこれまでの研究内容を、様々な観点で取りまとめ精緻化を行い、日本の研究公正のモデルの構築などを検討する。
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