Project/Area Number |
21K10379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58010:Medical management and medical sociology-related
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
毛利 貴子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (30745435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 左和子 奈良県立医科大学, 医学部, 特任講師 (20721385)
石井 均 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (30422934)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 行動変容 / 糖尿病 / 治療意欲 |
Outline of Research at the Start |
昨今、糖尿病薬物治療は大きく進歩してきた。一方で、方法はあっても積極的に取り組めない患者さんが存在し、その行動変容を促すストラテジーは確立していない。診療経験から、まず医師の対応の変容が必要だと考える。 本研究の目的は、患者の視点を導入することによって医師の関わり方を変えることで、内的な患者さんの治療意欲を引き出す新たな行動変容促進アプローチを開発することである。 具体的には、コミュニケーションの専門家や臨床心理士と共に症例報告を分析し、関わり方の問題点や療養行動の背景を患者さんの視点から探ってアンケートに取り込み総合的に解析することで、患者さんのニーズに合致した内的行動変容を促す方法を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究を実施するために独自に学内で行った調査(学内倫理審査番号1003)を基に、本研究の目的に掲げた医師の関わりを整理した。患者の自己管理が出来ない要因の一つだと当初考えていた「患者がもともと持っている否定的な思考」は、内容によっては、いくつかの要因と相互に作用し、情報収集行動を自ら起こす前向きな方向に変わる可能性があるという示唆を得た。 本研究では、内分泌内科専門医、糖尿病専門医を中心に定例カンファレンスを行う中で、より患者の背景に目を向ける必要性が明らかとなり、ソーシャル・キャピタルの概念や、患者の幸福度などの要素の重要性も明らかになった。さらに、患者の自己管理を促す医師の関わりについて再度文献整理を行い、患者の治療参加を直接的に強化する支援の有効性を示した先行研究の結果に注目してアンケート調査票を作成し、臨床心理士の意見も加えた。 医師の関わり方を患者に問うアンケート調査は、実施する医師の協力が不可欠であるためこれまで実施が困難であった。しかし、上記のカンファレンスを頻回に行って、当初は困難と考えていた、研究代表者以外の医師の担当患者への調査協力が得られ、実施につき倫理委員会の承認も得た。その結果、外来担当医師15名中、研究代表者以外の医師9名の担当患者に対して実際に研究の説明を行った。年度末集計で203名の患者に調査票を配布し、165名分の調査票を回収している。ただ、対象患者が特定の医師の患者に限定されず全体の数も増えたため、配布や回収が煩雑となり、調査票の配布は研究の説明時に、回収は次回の患者の再来日と設定した。そのため、配布した調査票を忘れてくる患者も多く、同意を得ながら、回収出来ていないものも残っていて、データの解析が遅れている。調査後の患者の反応は様々だったが、自己管理についての患者からの質問や、患者自身の感情や考えを語られる場面が増えたことを実感している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
医師の関わり方を患者に問うアンケート調査は、実施する医師の協力が不可欠であるため、一般的には実施が難しい。本研究では、当科のカンファレンス開催を機に、当初の予定にはなかった、対象患者を研究代表者の患者のみならず、他の医師の患者にも広げることに注力したため、他の医師のコンセンサスを得るために時間がかかったが、本研究の信頼性をさらに高めることが出来たと考える。 また、当科の診療態勢が変化し、糖尿病以外の内分泌疾患の患者も増え、外来業務量が増えていたところに、研究の説明をする医師や対象の患者が増えたことで、説明場所の確保、回収の方法や時間など研究協力者の業務の煩雑化が予測され、アンケート調査票の回収は次回の患者の再来日と設定した。そのため、調査票には記入したものの外来日に持参することを忘れる患者も多く、調査協力の承諾は得られたものの、回収に時間がかかり、現時点で未回収の調査票も残存している。そのため、全体の分析には取りかかれていない。進捗状況は遅れているが、予想以上に調査票の内容には熱心に答えていただいており、記載率、回収率は高い。 コロナ禍の対策として遠隔での会議も実施したが、コロナ禍が収束したとはいえ、臨床現場での患者隔離を要する体制は残存しており、患者数の増加に見合う臨床医の相対的不足に伴う自身の臨床業務量の増加などのため、研究代表者の研究に配分できる絶対的時間が不足した。そのため進捗状況は遅れているが、着実にアンケート調査は予定より規模を拡大して出来ている。
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Strategy for Future Research Activity |
コミュニケーションの専門家と糖尿病専門医、内分泌内科専門医、公衆衛生学ならびに医師・患者関係学の専門家とのディスカッションを行って患者の視点を導入したアンケート調査を継続する。 アンケート調査票の回収を次回の患者の再来日と設定したため、調査票には記入したものの外来日に持参することを忘れる患者も多く、調査協力の承諾は得られたものの、回収に時間がかかり、現時点で未回収の調査票も残存している。未回収の患者においては、事前に患者に電話するなどの許可を得て、当日の持参忘れを防ぎ、可能な限り急いで回収する予定である。質的研究内容については、アンケート調査後、加味する予定である。
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