継続的な農薬の投与は脂肪由来幹細胞のキャラクターを変化させるのか
Project/Area Number |
21K10413
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58020:Hygiene and public health-related: including laboratory approach
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Research Institution | Hokkaido University of Education (2022) Asahikawa Medical College (2021) |
Principal Investigator |
小笠原 準悦 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (20415110)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 脂肪由来幹細胞 / 細胞分化能 / 農薬 / 3T3-L1脂肪細胞 / インスリン抵抗性 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、有機塩素化合物系農薬が脂肪由来幹細胞の質の変化を介して肥満や2型糖尿病を誘導するかについて検討することである。本研究より得られた結果は、従来の脂肪細胞中心仮説だけでは説明できなかった脂肪組織の再構築機構に対して脂肪由来幹細胞の役割を明確にするばかりではなく、農薬が直接的に脂肪由来幹細胞に影響を及ぼす科学的事実の立証を試みる点に学術的独自性がある。本研究の遂行は、有機塩素化合物系農薬が細胞のキャラクター決定過程(分化過程)に及ぼす影響について従来に無い新しい情報を提供できるとともに、白色脂肪細胞の分化を調節する外因性物質の検索に対しても応用が期待できる。
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Outline of Annual Research Achievements |
開発途上国には、先進諸国ですでに使用が禁止されている農薬を使用している地域が存在する。近年、開発途上国の2型糖尿病への罹患者は増加しているが、農薬との関係についてはよくわかっていない。 かつて日本でも使用されていた有機塩素化合物系農薬であるヘキサクロロシクロヘキサン(HCH)は、その毒性の強さから多くの先進諸国では使用不可となっている。そのため、HCHを用いた検討は、開発途上国における農薬と2型糖尿病との関係のモデルとなる可能性が考えられるため、HCHを用いたin virtoの実験系を確立した。 成熟型の3T3-L1脂肪細胞へのHCHの投与によって、3T3-L1脂肪細胞にインスリン抵抗性が生じ、対照群と比較して細胞内への糖の取り込みが有意に低下することを観察した。このメカニズムとして、インスリン基質-1(IRS-1)のセリン307番のリン酸化を介した糖取り込み抑制作用が生じることが明らかとなった。HCHに代表される一部の難分解性の農薬は、脂肪細胞にインスリン抵抗性を惹起し、これは開発途上国にみられる2型糖尿病の罹患者の増加に関係するものと推察される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に細胞株を通じたエウィデンスを得ることができたため、予定していた動物個体から単離した脂肪由来幹細胞の検討ではなく、培養細胞を使用して更なるエウィデンスの獲得にシフトした。そのため本来の計画より少々遅れているようにみえるが、HCHの添加は、非添加群と比較して成熟型3T3-L1脂肪細胞にインスリン抵抗性を生じることが明らかとなったため、今後の研究に有用なデータが得られたと考えている。こうした結果を基に、さらに研究を発展させたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の結果では、3T3-L1脂肪細胞の成熟分化過程にHCHを添加することによって、著しく中性脂肪を含有する成熟型3T3-L1脂肪細胞へと分化することを明らかにしている。最終年度は両現象に関与する因子群の発現調節実験などを行うとともに、実験動物の白色脂肪組織から単離した脂肪由来肝細胞を用いた検討へと応用しながら、HCHとインスリン抵抗性について検討する予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)