学童期の有機リン・ネオニコチノイド系農薬曝露と子どもの注意および抑制機能との関連
Project/Area Number |
21K10435
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58030:Hygiene and public health-related: excluding laboratory approach
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
山崎 圭子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任講師 (60732120)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 敦子 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (00619885)
須山 聡 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (70758581)
伊藤 佐智子 北海道大学, 環境健康科学研究教育センター, 特任准教授 (90580936)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
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Keywords | 事象関連脳電位 / 注意欠如多動症 / 抑制機能 / 注意機能 / 有機リン・ネオニコチノイド系農薬 / コホート研究 / 出生前向きコホート研究 / AD/HD / Go/No-go課題 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、学童期の有機リン・ネオニコチノイド系農薬曝露によるADHD症状(Attention deficit hyperactivity disorder; 注意欠如多動症)への影響について明らかにすることを目的とする。特に、脳波の事象関連脳電位を用いることにより、注意・抑制機能に注目して詳細に検討する。出生前向きコホート「北海道スタディ」の参加児を対象に、7歳時の尿中から検出される有機リン・ネオニコチノイド系農薬への曝露濃度と、13歳時に測定するADHDの中核症状である個々の認知機能、すなわち注意容量、心的反応抑制、運動反応抑制を反映する事象関連脳電位波形との関連性を検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、出生前向きコホート「北海道スタディ」の参加児を対象に、7歳時に採取・保存した尿中の有機リン・ネオニコチノイド系農薬曝露と、13歳時の認知機能およびADHD傾向との関連について解析する。有機リン・ネオニコチノイド系農薬への曝露評価は、既に採取済みの7歳時尿検体6000件のうち、ERPデータを得た参加者の検体を測定する。有機リン 6代謝物(DMP, DEP, DMTP, DMDTP, DETP, DEDTP)、ネオニコチノイド 7物質(ジノテフラン、ニテンピラム、チアメトキサム、クロチアニジン、イミダクロピリド、チアクリプリド、アセミタプリド)を、LC-MS/MSを用いて測定する。アウトカムとして事象関連脳電位(Event related brain potential: ERP)の測定およびADHD質問票を実施する。ERP測定時に用いるGo/No-go課題は注意および行動抑制機能の評価を行うための標準的な課題である。これにより記録されるERPとして、注意の容量を反映するP300、心的な反応抑制や反応の判断を反映するN2、運動反応の抑制を反映するNo-go P3が出現する。これらERPの振幅、潜時、頭皮上分布に調査票により評価するADHD傾向をアウトカムとする。本研究は、総体としてのADHD傾向よりも、それを構成する個々の認知機能に着目し、その測度として、生物学的な基盤を持つ脳波のERPを用いている。ADHD症状を個別の認知機能の面から解釈し、不全を起こしている機能を特定することにより、療育方法の改善にも寄与する可能性がある。当該年度にはこれらを踏まえ、アウトカムとなるERP測定およびADHD調査票の回収を中心に研究を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度に引き続き、北海道大学に来所可能な地域に住む13~16歳の北海道スタディ参加児に協力を依頼し、同意が得られた児に事象関連脳電位の測定およびADHD質問票を実施した。本年度は33名分のデータを得ることができ、昨年度と合計で78名分のデータを得た。これまでに北海道スタディにおいて測定済みのデータを加えた計114名を対象とし、胎児期の環境および化学物質曝露の影響について解析し、結果について学会発表を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も測定を継続してERPおよびADHD調査票のデータ数を増やす。令和5年度中にERP測定を完了した参加者のうち、7歳時尿検体の残量および利用可能かどうかを確認し、有機リン・ネオニコチノイド系農薬曝露の測定をする対象者を確定し、分析および解析手続きを進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)