がん薬物療法における「患者を支える医療」のモデルケースの構築
Project/Area Number |
21K10788
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58060:Clinical nursing-related
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Research Institution | Shizuoka Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
北村 有子 静岡県立静岡がんセンター(研究所), その他部局等, 研究員 (10364035)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
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Keywords | がん看護学 / がん薬物療法 / 副作用症状 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、がん薬物療法を受ける患者の治療継続とQOL向上を目指し、多職種チーム医療による「患者を支える医療」の具体的なモデルケースを検討することである。 がん薬物療法は、主に通院で実施されるため、患者・家族が副作用を自己管理できるように、医療者が多職種協働で途切れない関わりをする必要がある。先行して臨床運用中の「処方別がん薬物療法説明書」を用いた情報支援に加え、患者が副作用を自己管理するためのツールを検討、活用し、「予防的対処」「多職種協働」の具体的な策について検討する。モデルケースと作成したツールは、静岡がんセンターのホームページを利用して全国に発信する予定である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、がん薬物療法を受ける患者の治療継続とQOL向上を目指し、多職種連携による「患者を支える医療」の具体的なモデルケースを検討することである。 これまでに作成した「処方別がん薬物療法説明書」は、病院で運用中で、Webサイトでも公開(https://www.scchr.jp/information-prescription.html)している。本年度は、直接、患者から、説明書の分かりやすさ、患者・家族が必要とする情報、医療者との関わりについて意見を収集することを計画した。複数診療科でアンケートとインタビュー調査を実施中で、予定数58人のうち2023年3月末時点で14人が終了した。まだ少数の結果だが、「説明書は役に立つと思いますか」、「副作用の対処をしやすくしたと思いますか」という設問に対して肯定的な回答のみであった。一方、インタビューでは、患者・家族から「症状があったとき、いつ、どの程度になったら病院に連絡するのか迷う」、「どこに連絡すればよいか分からない」などの意見があったため、2023年4月に説明書に掲載している連絡先を表紙に移動し、約150種の全ての説明書の更新を行った。 説明書は、患者・家族の知識の獲得・補強と、医療者への報告の判断を助け、患者の治療継続とQOL向上に寄与するための情報支援ツールと位置づけている。さらに、行動支援として、患者が副作用を自己管理するツールを検討してきたが、患者・家族の意見から、病院へ連絡するかどうかの判断を補助するツールの必要性が見出せた。そこで、いくつかの症状について、Yes/Noチャートのようなツールを多職種で検討し、Webサイトに掲載する方針とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
情報支援としての説明書は、Webサイトで公開中で、今後、患者・家族の意見をまとめて、より分かりやすくなるように改訂を行う予定で進めており、おおむね計画通りである。 一方、行動支援として、患者が副作用を自己管理するためのツールを構想していたが、患者の意見を収集する調査を先行したことで、患者のニーズを踏まえ、病院へ連絡するかどうかの判断を補助するツールに計画を修正した。当初の計画と異なり、ツール構築が期間後半になるが、研究目的や「患者を支える医療」「患者の対処」「多職種協働」の全体像に沿っており、より臨床のニーズにあった検討をするために必要な計画修正であったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
Web公開中の説明書について、患者・家族、医療者の意見をまとめて検討し、説明書の改訂に反映させ、これまで同様、医療関係者や患者・家族支援団体などへの周知を行う。 病院へ連絡するかどうかの判断を補助するツールは、Webを用いて、いくつかの症状について、Yes/Noチャートのように、誰がみても分かりやすく、次の質問に進むことで状況にあった対応判断にたどり着けるものを、臨床をよく把握している医師、薬剤師、看護師らと検討する。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)