Project/Area Number |
21K11036
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 58080:Gerontological nursing and community health nursing-related
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
糟谷 知香江 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (30337274)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2024: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2023: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 遠隔心理支援 / 写真投影法 / 見守り / ナラティヴ・アプローチ |
Outline of Research at the Start |
本研究は、オンラインにおいて写真を媒介とする対話を行うという心理支援の在り方を検討するもので、換言すればオンラインでアートセラピーを行うための研究といえる。共同で一つのアートを作成する形態の場合は、オンラインでどのようにアートを作成していくかが課題となる。オンライン会議システムを通してアート制作を行うことに伴うさまざまな留意事項を洗い出し、適切に実施することができるように手順を整えることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2023年度の研究成果は3点にまとめられる。 1つ目は、ナラティブ・メディスンの応用的実践として、闘病記を再構成した上で視覚的イメージを伴う物語として創作するという教育プログラムを開発したことである。物語創作には病いを得た人やその家族などの心の動きを追体験する機会になり、患者を全人的に捉える姿勢を育む効果が大きいと考えられる。創作した物語は講義内で他の受講生と共有されたほか、聖路加国際病院内の画廊において公開された。この画廊は患者と医療関係者が行きかう渡り廊下に位置している。視覚的イメージには、物語の世界を鮮明に伝える効果だけでなく、通りかかった方々の注意を物語へ惹きつける効果もあったことを、アンケートから伺うことができた。 2つ目は、病いを扱う物語(小説)を鑑賞する市民向け読書会を開催したことである。これは、聖路加国際大学が市民とのパートナーシップによるケア開発として行っているPCC(People-Centered-Care)関連事業の一つで、2023年度は試行的にオンライン開催と対面開催の両方を実施した。読書会が視覚的イメージを介して小説について語る時間となるようプログラムを構成した。話題の軸は小説であるが、そこから参加者の個人的経験へと会話が広がることも多く、読書を介したケアを開発できる可能性を確認することができた。 3つ目は、オンライン講義における写真を介した対話実践である。前年度の経験を踏まえて手順を改良しつつ2つの講義において実施したほか、学会で報告した。この対話実践では人々が自らの経験を他者と共有する際に視覚的イメージが有効な媒体となることが示唆されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度は、①視覚的イメージを伴う物語として闘病記を再構成するという教育プログラムを開発、②読書を介したケア・プログラムを開発できる可能性を確認、③オンライン講義における写真を介した対話実践の改良、などを行った。視覚的イメージを対人支援へ用いるための試行を重ねることができており、前年度から大きく進捗している。ただ、コロナ禍による全体的な遅れを取り戻すには至っていないことから、上記の進捗状況と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、視覚的イメージを対人支援へ用いるための試行を重ねることを主たる目標として取り組み、基礎的知見を蓄積することができた。2024年度は、前年度の方法に修正を加えつつ検討を重ねる計画である。また、人々が自らの経験や気持ちを他者と共有する際に視覚的イメージが有効な媒体となることがこれまでに明らかになっていることから、視覚的イメージを介して人々が交流するというアート活動をオンラインで新たに行う計画である。一人ひとりが自分の得意な部分を、各自の都合のよい時間に、都合の良い場所で担うことのできる方法をとり、多様な背景を持った市民が交流する機会を提供することを目指したい。
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