Project/Area Number |
21K11163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
木元 稔 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40759586)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2025: ¥130,000 (Direct Cost: ¥100,000、Indirect Cost: ¥30,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥260,000 (Direct Cost: ¥200,000、Indirect Cost: ¥60,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 脳性麻痺 / 歩行 / 重複歩距離 / ストライド時間 / 変動性 / 発達 / 発達曲線 / 慣性センサー / 歩幅 |
Outline of Research at the Start |
近年小型化されている慣性センサー(加速度・角速度・地磁気センサー)を用いて、脳性麻痺児の歩行を4年間に渡り継続的に計測する。得られる指標は、歩行速度、歩幅、歩調などである。得られたデータのグラフ化(見える化)を行い、障害のあるお子さんとその家族が、医学的治療の選択を行うために、より理解しやすいデータを提供することを目的とする。医療者にとっても、予後の予測、手術やリハビリテーションの効果判定などに役立つデータが得られることを期待している。少子化が進行する我が国では、単一施設での研究実現が困難である。複数施設が連携してデータを計測することにより、多施設研究の基盤を作ることも本研究の目的である。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は脳性麻痺児における歩行中の重複歩距離を複数年にわたり計測し、重複歩距離の発達曲線を得ることであった。 計測には、安価で取り扱いが簡単な慣性センサーを用いる。脳性麻痺児の足部にこの慣性センサーを取り付け、10メートルほどの距離を数回歩行してもらい、得られたデータから重複歩距離を算出する。より多くの被験者に参加してもらうため、多施設で実施する。そのため、計測実行前にデータ計測やデータ処理の綿密な確認作業を要する。 今年度は海外大学への研究者派遣(2024年2月から12月まで)のため、この期間、当該の研究は実施できなかった。帰国後、当該の研究は慣性センサーデータの処理プログラムの修正と結果の検証を実施した。しかしながら、慣性センサーから得られた重複歩距離の結果を3次元動作解析装置で得られたデータと比較すると、想定していたよりも大きな誤差が見られた。 そのため、今後は計測のための歩行距離と時間を延長するといった研究計画の変更を行う。これは、慣性センサーのメリットを活かすためであり、重複歩距離そのものだけでなく、重複歩距離や重複歩時間(ストライド時間)の変動性を本研究データの指標として加える。これらの重複歩距離やストライド時間の変動性は、高齢者において転倒リスクの一指標となっている。定型発達児と脳性麻痺児の歩行はともに、これらの歩行変動性が年齢と伴い変化することが知られている。低年齢児は比較的多く転倒する傾向があり、この歩行の変動性が脳性麻痺児における歩行発達を明らかにできる可能性がある。 本研究では、各年齢帯の脳性麻痺児における重複歩距離やストライド時間の変動性をデータとして得ることにより、転倒回数との関係性を調査する。以上のように研究計画の一部を変更し、研究を継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究開始当初は、脳性麻痺児の重複歩距離を慣性センサーから得ることを研究の中心としていた。しかし、データ処理プログラムの検証の結果、先行研究で報告されているよりも大きい誤差が生じることが明らかとなった。プログラミングの修正を何度も行うことにより、その誤差をより小さくすることはできたものの、多くの被験者でデータを開始できるまでの正確性・精度には至らなかった。このプログラミングの修正が研究進行の遅れの一因となっている。 また、コロナ禍の影響は、定型発達児の被験者募集や脳性麻痺児のデータ計測に深刻な悪影響を与えている。歩行の計測には比較的広い場所を要する。被験者の募集に加え、計測場所の確保が難しいことも研究の進行を遅らせている。 さらに、研究者は海外研究のため、2023年2月から12月の間、オーストラリアに滞在していた。その間も脳性麻痺児の歩行についての研究を実施していたが、異なる研究であったため、この科研費研究に取り組むことができなかった。 以上の理由により本研究の進行は遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
短距離歩行での計測を、長距離・長時間の歩行計測に変更するための研究計画変更はすでに終えた。10 m歩行であることはそのままに、歩行の回数を増加させることが主な変更であるため、研究全体への影響は少ないと考えている。 遅れの原因の1つとなっている、データ処理のプログラミングの修正もすでに終えている。現在、成人や脳性麻痺児の3次元歩行解析データとの比較検証を行なっている。 データの検証が終わり次第、定型発達児のデータ計測と、脳性麻痺児の多施設におけるデータ計測を開始する予定である。
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