感覚麻痺モデルサルを用いたクローズドループ刺激法による体性感覚機能再建法の開発
Project/Area Number |
21K11259
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59010:Rehabilitation science-related
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
横山 修 公益財団法人東京都医学総合研究所, 脳・神経科学研究分野, 主任研究員 (60455409)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
|
Keywords | 体性感覚障害 / 脳損傷 / 運動障害 / 体性感覚 / リゾトミー / 脳機能再建 / 脳電気刺激 / サル / 感覚麻痺 / ブレイン・マシン・インターフェース / ニホンザル / 神経補綴 |
Outline of Research at the Start |
感覚麻痺は脳卒中などによって引き起こされ、運動能力が残存していても運動障害を生じる。本研究では、感覚麻痺モデルサルを作製し、大脳運動関連領野の神経活動に基づいて体性感覚領野を刺激し感覚機能と運動機能の同時再建法の開発を目指す。この目的を達成するために、感覚麻痺モデルサル大脳運動関連領野および体性感覚領野の随意運動に伴う神経活動を明らかにし、そして、その結果に基づいて運動関連領野の神経活動を体性感覚領野の電気刺激パラメータに変換する計算モデルを作成する。随意運動中のサル体性感覚領野を電気刺激し、運動機能と体性感覚機能を再建できるかを検証する。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、上肢体性感覚情報を欠損させた感覚障害モデルサルに対して、リアルタイムの運動関連情報に基づいて脳を刺激することによって、運動機能を回復させる方法の開発を目指している。当該年度は、新たに1頭のサルの脊髄後根切断手術(リゾトミー)を実施し、それによって引き起こされた脳活動の変化を検討した。切断手術後、末梢(手指)への電気刺激に対する大脳一次体性感覚野の応答が減弱したことによって、末梢感覚情報の中枢神経系への入力が損なわれたことを確認した。また、切断手術後は、上肢を動かせるものの到達運動は素早く滑らかではなくなり、レバーを把持する手指運動も下手になったことから、感覚機能だけでなく運動機能も障害されたことが示された。手術によって、運動課題遂行中の筋活動も著しく減弱した。一方で、末梢からの入力が減少したにも関わらず、運動開始直前に、一次体性感覚野および一次運動野の高ガンマ活動が増大した。この活動増大が運動機能の低下に関連している可能性が考えられるため、運動機能を再建するための戦略として、運動開始前のタイミングでそれらの脳部位を刺激することが有用であると考えられる。次のステップとしてリアルタイムの運動情報(一次運動野の活動または出力された力の大きさ)に応じて一次体性感覚野を刺激するクローズドループ刺激法を行うために、入力された信号の大きさに応じて異なる強度と頻度で電気刺激信号を出力するソフトウェアとハードウェアのセットアップに着手した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、前年度までに得た別の1頭のサルのデータと合わせて2頭分について、脊髄後根切断前後のデータの取得を完了した。2頭分のデータ取得を完了し、解析結果から、脊髄切断後に2頭に共通して引き起こされた変化を同定することができた。運動機能再建のために電気刺激をする標的の部位とタイミングの目途が立ったので、次にクローズドループ刺激法のテストに進むことができる。
|
Strategy for Future Research Activity |
脳活動あるいは出力された力の大きさに応じたクローズドループ脳刺激法をテストするための準備を進め、実施する。ただし、これまで動物に行わせていた上肢の到達把持運動は多関節を協調的に制御する必要のある複雑な三次元運動であり、電気刺激による運動制御には難易度が高いと予想されるので、次の実験ステップでは到達運動を要さない把持運動課題を用いる予定である。そのため、実験装置の改修や課題プログラムの作成など先ずは実験設備のセットアップを行い、その後に新たなサルに運動課題を訓練する。その後に後根切断手術によって運動・体性感覚障害を引き起こし、クローズドループ刺激法を適用することによって、運動関連情報の一次体性感覚野への人工的な情報入力が、阻害された感覚経路の代わりの役割を果たし、運動機能を回復させ得るかを検討する。
|
Report
(2 results)
Research Products
(5 results)