糖尿病が骨格筋の易疲労性を引き起こす血管内皮依存性メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K11358
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Nippon Medical School (2022) National Cardiovascular Center Research Institute (2021) |
Principal Investigator |
曽野部 崇 日本医科大学, 医学部, 講師 (70548289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
Pearson James 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (30261390)
土持 裕胤 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (60379948)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | 糖尿病 / Goto-Kakizakiラット / 微小血管造影 / AMPK / AICAR / 易疲労性 / 超音波血流測定 / KCaチャネル / EDH / microangiography / exercise hyperemia |
Outline of Research at the Start |
運動は糖尿病に対する代表的な予防戦略であるが、糖尿病病態下では易疲労性が運動継続の障壁となる。なぜ糖尿病では易疲労性が生じるのかを血管機能の観点から明らかにするため、本研究は筋収縮誘発性血管拡張反応の減弱化が筋血流を制限して筋仕事量の低下を引き起こす、そこに内皮依存性過分極(EDH)に由来する血管機能調節が関与しているという仮説を検証する。機能的in vivo血管イメージング法を用いて糖尿病モデルラット下肢血管樹をまるごと評価し、筋収縮に伴う血管拡張・血流増加に対するEDHの寄与についてAMPK・ KCaチャネルに着目した検討を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,肥満・糖尿病などを伴う代謝性疾患においては,なぜ骨格筋疲労が生じやすいのかという問いに対し,筋収縮刺激に対する血管・血流応答の変化に着目して,特に血管内皮細胞を由来とした応答に焦点を当てて明らかにすることを目的としている. 正常Wistarラットおよび非肥満の2型糖尿病モデル動物であるGoto-Kakizakiラットを対象として,前年度までに確立したin vivoの機能的血管イメージングおよび下肢血流同時測定による血管機能の評価を行った.内皮・平滑筋細胞内のAMP-activated protein kinase(AMPK)がKCaチャネルに作用して内皮依存性過分極(EDH)を介した血管拡張作用を修飾するとされているが,それが病態下において促進性か,または抑制性に作用するのかについては先行する研究によって結果が異なっている.そこで,本実験系においてAMPK活性化薬であるAICARを投与した後に血管イメージングを行うことにより,下肢血管系がどのような影響を受けているかについて調べた.血管イメージングにより得られた下肢血管の造影画像からAICAR(20 mg/kg, i.v.)投与前後での血管径の変化を網羅的に解析したところ,対照群のWistarラットでは顕著な血管の拡張を示した一方で,Goto-KakizakiラットではAICAR投与後の血管拡張が減弱していた.この結果から,Goto-KakizakiラットではAMPKの活性化によって誘発される血管拡張メカニズムが障害を受けており,下肢血流の調節機能を破綻させる一因となっている可能性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題において新たに確立したin vivo機能的血管イメージング技術を用いて,骨格筋組織中の血管機能評価法として独自のカラーマップ表示法を開発した.本手法を応用した,肥満・糖尿病を併存するメタボリックシンドロームモデルラット(ZFDM)を対象とした実験結果からは,KCaチャネルを介したEDHに由来する血管拡張機能が減弱していることを明らかにした.また,それらの研究成果の一部については論文化し,発表することができた(Sonobe et al. J Physiol. 2022).
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Strategy for Future Research Activity |
研究代表者の異動に伴い実験環境が大きく変化したため,実験計画を一部修正して研究課題を継続する.これまでは主にin vivoの実験に注力し,血流の保たれた組織における血管応答について調べてきた.今後は,新たに初代培養血管内皮細胞を対象とした実験系を導入する.内皮由来過分極(EDH)による内皮細胞膜電位の変化や,内皮依存性血管拡張因子による細胞内Ca2+および一酸化窒素の変化などに焦点を当て,in vitroの蛍光イメージングによる内皮細胞機能解析を行う.これにより,本年度までに蓄積してきたin vivo環境下における血管応答の変化に関する知見を,細胞レベルの面から補強していく.
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)