市民スポーツ/地域スポーツとのつながりを有したアスリートキャリアモデルの構築
Project/Area Number |
21K11431
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
浜田 雄介 京都産業大学, 現代社会学部, 准教授 (30612626)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2021)
|
Budget Amount *help |
¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
|
Keywords | アスリートキャリア / 市民スポーツ / 地域スポーツ |
Outline of Research at the Start |
近年、プロとしての肩書や志向を有しながらも、相対的な競技力の低さや専門種目における受け皿のなさなどを理由に、不安定なキャリア形成を余儀なくされるアスリートの増加が指摘されている。研究代表者による事前の研究では、市民スポーツ/地域スポーツとの主体的なつながりが、上記のようなアスリートのキャリア形成の安定化に寄与する可能性が示唆された。そこで本研究ではこうした可能性について、トライアスロン選手を対象とした質的調査から検証する。そしてその結果をもとに、「競技スポーツだけでなく、市民スポーツ/地域スポーツを含めたスポーツにすべてをかけて形成されるアスリートキャリア」という新たなモデルの構築を試みる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度の研究実績について、まず以前にトライアスロン選手および競技関係者を対象に実施した調査の結果を、論文「〈第3のアスリート〉のキャリア形成における選択の合理性:あるトライアスロン選手のライフストーリーから」としてまとめた。そのなかで、アスリートキャリア研究におけるアスリート本人の「納得」の水準の重要性や、国内のトライアスロン選手たちに対する「ローカル」な貢献への期待・評価の存在が示されたことは、本研究における新たなアスリートキャリアモデルの構築に資する重要な成果だと考えられる。なお上記論文は、『年報体育社会学』4巻への掲載が決定している。 また西日本スポーツ社会学会第27回大会(2022年3月)において、「東京2020大会とスポーツの力」と題した報告を行った。この報告で取り上げた東京オリンピック・パラリンピック(東京2020大会)に対する批判的言説にもとづけば、資本の論理や勝利至上主義に取り巻かれたアスリートは表層的なスポーツの理念しか語ることができず、端的には社会と分断された状態で競技している。このような現状認識は、本研究がアスリートと市民スポーツ/地域スポーツのつながりに着目することの意義を考えるうえで示唆的だった。 そのほか、NTT 社会情報研究所による「アイデンティティをめぐる対話企画」に参加し、NPO法人ドネルモ代表理事の山内泰氏、NTT社会情報研究所主幹研究員の西川嘉樹氏、同研究主任の林瑞恵氏と、アイデンティティ概念に関する意見交換を行った。得られた成果の例として、ある活動を介して交換可能な役割などとは異なるその人自身の固有性(「わたし」)が現れ、またそれぞれの「わたし」が受け入れられるという観点は、アスリートと彼ら/彼女らを支える周囲との関係の理解に向けて非常に参考になった。本企画の内容は今後テキスト化され、ウェブ上で公開される予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画では、2021年度はインタビュー対象候補者のトライアスロン選手が出場する大会、指導を行う教室や参加するイベントなどにおける現地調査に赴くはずだった。しかしながら、新型コロナウイルスの影響で大会やイベントが中止・延期になったこと、また長距離の移動や調査地での人々との直接的な接触を自粛せざるを得なかったことから、上記の調査を実施できなかった。こうした事情から、インタビュー対象候補者の経歴や近年の状況に関する情報収集などは進められているものの、本研究の進捗状況を「遅れている」と評価した。
|
Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、トライアスロン選手を対象としたインタビュー調査を行う予定である。すでに対象者の選定は進んでおり、一部協力ないし紹介の内諾を得ている。また2022年にインタビュー調査と並行して、あるいは2023年度の研究計画に設けている補足調査期間中に、2021年度において断念した現地調査を可能な範囲で実施したいと考えている。ただし新型コロナウイルスの影響によって、研究計画や方法の見直しを迫られることも想定される。したがって今後も状況を注視し、例えば調査が行えなくなった場合にどのようにして研究を遂行するのかといったことを検討していかなければならない。
|
Report
(1 results)
Research Products
(1 results)