Project/Area Number |
21K11446
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松浦 哲也 徳島大学, 病院, 教授 (30359913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩瀬 穣志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (80868521)
横山 賢二 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (10910226)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2021: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 野球肘 / 投球数制限 / 予防 / 骨軟骨障害 |
Outline of Research at the Start |
現在、小学生野球の全国大会で1日70球の投球数制限が導入されている。しかしながら、1日70球の制限で野球肘を予防できるのか不明である。本研究では、1日70球の制限で小学生の野球肘を予防できるのか、70球は適当な球数なのか、さらには1週間・1年間の投球数は何球に制限すべきかを明らかにする。特に小学生の野球肘は、成長段階にある骨や軟骨が障害されやすいので、骨軟骨の障害に注目して検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
全日本軟式野球連盟は、2019年度から1日70球までの ルールを設けているが、その理論的根拠は十分でない。そこで本研究では、成長期に生じる野球肘の発生や進行を予防できる投球数を設定することを目的としている。 研究初年度の令和3年度には投球数制限導入後に投手を始めた選手のみとなった令和3年と導入前の平成29年の小学生投手における障害実態を比較した。 その結果、投球数制限で、肘関節痛、屈曲制限、内側上顆の圧痛は有意に減少しており、臨床症状の予防には有効だと分かった。令和4年度は1 日70球までの制限で骨軟骨障害の進行を予防できるのか検討した。骨軟骨障害を認めた選手を3か月おきにX線で修復状況を確認すると、修復あるいは修復傾向にあったのが、平成29年度71.4%、令和4年度89.4%で、1日70球の制限により骨軟骨障害の増悪を抑制できることが分かった。 令和5年度は、コロナ禍で令和4年度に実施できなかった、1 日70球までの制限で骨軟骨障害の発生を予防できるかについて検討することにした。具体的には令和5年度と平成29年度で骨軟骨障害の発生率と比較した。骨軟骨障害は、研究代表者らが確立したストラテジーに基づき、診断を確定した。骨軟骨障害を認めたのは、平成29年度が投手352名中の35.2%、令和5年度が投手311名中の15.1%で、1日70球の制限により骨軟骨障害の発生が抑制できることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年度は①1日70球の制限で骨軟骨障害の発生を抑制できるのか、② 70球は1日の投球数として適当か、③1週間・1年間の投球数はどの程度に制限すべきか、の3項目について検討する予定だった。 ①は「研究実績の概要」で述べたように、1日70球の制限で骨軟骨障害の発生を抑制できることが分かった。 ②では 30名の投手を対象に、1日の投球数が70球と50球で、前腕屈筋・回内筋群の硬さを超音波エラストグラフィで、投球による疲労度をウェアラブルセンサで比較する予定だった。しかし実施できたのは20名にとどまり、目標の30名に到達していない。 ③では令和5年度の対象100名の投球数を1年間カウントし、令和6年度にX線検査を行い、骨軟骨障害が新規に発生あるいは悪化した群と、それ以外の群で投球数を比較する予定だった。 投球数のカウントは予定通り進んでおり、令和6年度にX線検査を実施する予定である。 以上より、①と③は予定通り進んでいるが②は遅れている。したがって、当初の計画よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は以下の2点について検討する。 ①70球は1日の投球数として適当か?:現在は1日の投球数を70球としているが、適切な投球数なのか不明である。日本臨床スポーツ医学会は1日50球と提言しており、比較する必要がある。令和6年度は、令和5年度から行っている超音波エラストグラフィとウェアラブルセンサによる評価を継続する。目標の30名に到達するまで最低10名の評価を行う。方法は前年と同様、まず投手に50球あるいは70球まで投球させる。70球が50球より明らかに筋が硬く、かつ前腕の最大回転速度が遅く、リリース時の前腕の角度が小さくなるのなら、70球より50球が適当な投球数となる。さらにウェアラブルセンサは投球ごとに最大回転速度などのデータを収集できるので、他に適切な投球数がないか検討する。 ② 1週間・1年間の投球数はどの程度に制限すべきか?:現在、制限されていない1週間、1年間の適切な投球数を設定する。令和5年度に、100名を対象に投球数を1年間カウントしているので、令和6年度に各選手のX線検査を行い、骨軟骨障害が新規に発生あるいは悪化した群と、それ以外の群で投球数を比較し、後者の投球数が少なければ、その投球数を適切な投球数とする。
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