反応時間の限界に挑むスポーツ動作方略についての実践的検討
Project/Area Number |
21K11454
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59020:Sports sciences-related
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Research Institution | Daito Bunka University |
Principal Investigator |
勝又 宏 大東文化大学, スポーツ健康科学部, 教授 (40398350)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | 運動制御 / 視覚情報処理 / 反応時間 / 打撃動作 / 動作分析 |
Outline of Research at the Start |
視覚によって状況に的確に対応するべく動作を遂行するための情報処理と反応能力の指標のひとつに“反応時間”がある。野球の打撃動作では、反応時間の知見によると最高競技レベルの投手の速球に対してスイングしても間に合わない計算になるが、実際には打者はヒットを打っており、動作制御研究の対象として非常に興味深い。打者が投球に対応するための動作方略を検討することによって、反応時間の点からは限界といえる状況での動作制御についての知見や、パフォーマンス向上に関するヒントを得ることが期待できる。本研究は、以上の観点から打撃動作の3次元解析によって投球に対する動作の“準備-反応”機序について検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
スポーツパフォーマンスを遂行するためには、ボールや相手の動きをはじめとした様々な視覚情報をもとに素早く正確な反応が求められる.より高いレベルでのパフォーマンスには、この能力は欠かせない要素のひとつといえる.この点に関して本研究では、野球の打撃動作に焦点を当て、視覚情報に反応して素早くそして的確に動作を制御するメカニズムの解明に寄与するべく.「飛来するボールに対応してバットスイング動作を組織化して的確に投球を打撃するための動作反応機序」に関する知見を得ることを目的としている.研究期間2年目にあたる2022年度 は.初年度中に着手した「投球に対するインパクトを想定してティー上に静止させたボールを打撃する動作(ティー打撃)と、投球マシンから発射されストライクゾーンの異なる位置を通過する投球を打撃する動作(マシン打撃)」の動作実験のデータについて、両打撃課題を比較することで、“飛来するボールに対するバットスイング動作”の特徴を明らかにするべく分析し、それらの違いについて「飛来するボールに対する準備や対応を可能にする動作方略」の点から検討した.この知見について発表するべく、関連する研究分野の国際誌に投稿するための論文作成に取り掛かった.また、これと並行して、「ティー打撃動作課題を用いて、“打者がスイング動作を開始する”ことを示す動作特徴を明らかにする」ための実験に着手し、実験デザインの検討や予備実験を経てデータを獲得した.この実験の目的は、“打者が「打つ」と判断してバットを振ろうとする反応”に関する動作特性の知見を得ることにあり、動作反応の研究にとって重要な意味を有している.この実験で得られる知見は、研究最終年度に行う「飛来するボールに対する打撃動作」の分析に活かせるものと期待している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究期間の年度(2021年度)から昨年度(2022年度)にかけて、ティー打撃とマシン打撃のバットスイング動作を比較することによる「“飛来するボールに対するバットスイング動作”の特徴」の検討を目的として、10名の大学野球選手を被験者として実験ならびにデータ分析を行い、成果発表のための論文作成に取りかかっている.これに並行して、2022年度は「ティー打撃を用いた単純反応・選択反応課題による実験」を遂行し、このデータについて「“打者が打つと判断してからスイング動作を開始する”ことを示す動作特徴」の点から検討するべく分析に着手している。これまでの行程は、概ね当初の研究計画に沿った形で進んでいる.しかしながら、今年度実施予定の、投球マシンにより飛来するボールを打撃する動作実験の実験システムの構築と、予備実験を繰り返しながら実験デザインを確定してゆく作業に関して、システム構築に関する技術的な面に時間を要するので、これの進捗については、当初より遅れが生じている.コロナ禍における研究施設使用の制約や被験者獲得の難しさに直面しながらの研究遂行であるため、今後も厳しい状況が続くことは懸念される.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、当該研究期間の最終年度となる。2022年度に実施した実験のデータ分析結果を取りまとめつつ、当初、最終年度に実施を予定していた実験の準備について、年度前半のできるだけ早い時期に着手し、中盤にデータを獲得、後半に分析結果の取りまとめができるように工程を管理しながら取り組む.これに並行して、昨年度(2022年度)に実施した実験結果を、関連する研究分野の国際誌に投稿するための論文作成に取り掛かる.これらを順調に進展させることが出来れば、本年度終盤に当該研究期間に得られた知見をもとに研究の総括が出来るものと見込んでいる.
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)