武道における指導-学習過程の相互行為分析:実践的技能を伝え合う言語と身体の解明
Project/Area Number |
21K11500
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
名塩 征史 広島大学, 森戸国際高等教育学院, 講師 (00466426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 郁代 関西学院大学, 法学部, 教授 (40434881)
傳 康晴 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (70291458)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 武道 / 実践的指導-学習過程 / 相互行為論 / 形/型 / 動作の反復 / 模倣 / マルチモーダル分析 |
Outline of Research at the Start |
本研究の目的は、他者と対峙し働きかけることを前提とするインタラクティブな身体技法である武道を対象とし、(1)その技法の実践的指導-学習過程を解明し、(2)今後の実践教育にかかる新たな可能性を模索する上で有効な知見を提供することである。武道の「学びの場」としての側面に着目し、指導者と学習者の身体的相互行為を捉え直す相互行為論的アプローチによって実践的な技術の向上を目指した指導-学習過程を分析・記述する。そこから得られた知見を現場の指導者でも利用可能な資料としてまとめ、今後の実践教育の改善と発展への貢献を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度では、昨年度から引き続き、武道の稽古の要とも言える「型」に注目し、その実践的教範とも言える「型」の指導-学習法としての実態と、それを身につける上で特に重要と思われる「模倣」と「反復」といった練習法に焦点を当てた分析を行った。これまでの相互行為論的アプローチを優先するスタイルから、身体教育学や武道論などの分野における先行研究の成果にも重きを置き、データを用いた実証的な分析と記述を理論的に裏付ける作業にも力を入れた。その結果、従来の関連研究においては、「型」が熟練者の視点から分析され、その身体技術の向上に理想的な性質が説得的に記述されているが、本事業における指導-学習場面の相互行為分析が示唆するものは、そうした「型」が未だ活性化されていない「学びの途中」における指導者、学習者の試行錯誤の様相であるという違いがあることが明らかとなった。この違いにこそ、本事業の試みの意義を改めて確認できたことが令和4年度の大きな成果の一つと言える。 令和5年7月に開催予定の国際語用論学会に「型」「模倣」「反復」をキーワードとしたパネルセッションを企画し採択された。本パネルにおいては、本事業の研究代表者と分担者による武道研究のみならず、茶道、漫才、陶芸といった他の芸道データを用いた研究の成果も取り入れ、発表者間での情報共有を進めてきた。他にもデータ間での比較対照による研究成果も少しづつ上がっており、研究代表者が持つ理容室データと空手データとの対照研究も試みた。 令和4年度における研究代表者、分担者の研究活動を通して、他の芸道分野を対象とする相互行為分析研究との交流を図り、来年度以降の活動だけでなく、その先の本事業の後継事業に向けて、研究の射程を広げる足掛かりを築くことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度に引き続き、今年度においても新たなデータ収集ができなかった。その分、すでに収集済みのデータを詳細に分析する時間が得られ、当初の予定とは異なるアプローチによって、本事業の目的達成に近づいてはいるが、これまでに得られた知見を新たなデータの中でも確認し、その汎用性を検証する作業も重要であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果を広く公開するため、研究発表と論文執筆に注力する。令和5年度は、本事業の最終年度にあたるため、研究代表者と分担者がこれまで個別に得てきた知見を擦り合わせる総合議論の機会を設ける予定である。その成果を公開するためのワークショップの実施や共著論文の執筆についても検討を進める。また、芸道研究を行う他の研究者との学術的な交流を目的としたシンポジウムなども企画する予定である。 また、未だに実施できていない新たな武道データの収集については、後継事業へと繋げる意味でも、引き続き機会を探りつつ、少しでも多くのデータを入手していくつもりである。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)