筋発揮タイミングから紐解く剣道初心者における気剣体不一致な打突動作の機序の解明

Research Project

Project/Area Number	21K11535
Research Category	Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
Allocation Type	Multi-year Fund
Section	一般
Review Section	Basic Section 59030:Physical education, and physical and health education-related
Research Institution	Kobe Shinwa Women's University
Principal Investigator	椿武神戸親和女子大学, 教育学部, 准教授 (40582515)
Project Period (FY)	2021-04-01 – 2024-03-31
Project Status	Granted (Fiscal Year 2022)
Budget Amount *help	¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000) Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000) Fiscal Year 2022: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000) Fiscal Year 2021: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Keywords	剣道初心者 / 打突動作 / 気剣体一致 / 筋電図 / 筋発揮 / タイミング
Outline of Research at the Start	剣道熟練者と初心者の打突動作を比較検討した研究の多くは、両者の動作分析などを行ったキネマティクス的分析が主流である。本研究は、①打突動作に寄与する関節運動の制御に関わる筋発揮のタイミングから、剣道初心者が気剣体の不一致な打突動作となる機序を明らかにする。 ②これまで提案されてきた指導方法の改善点をより明確にし、気剣体の一致した打突動作を効果的に修得させる指導方法を開発することを目的とする。
Outline of Annual Research Achievements	本研究の主目的である「剣道初心者及び熟練者における筋発揮タイミングと気剣体の不一致の関係」を検討する前段階の基礎的なデータを得るために、剣道初心者を対象に様々な条件での素振り動作を行わせ、その際の上肢の動作に関わる筋の発揮タイミングの違いを明らかにした。本研究では、①座位で大きい素振り、②座位で小さい素振り、③立位で大きい素振り、④立位で小さい素振り、⑤送り足で大きい素振り、⑥送り足で小さい素振り、⑦踏み込み足で大きい素振り、⑧踏み込み足で小さい素振りの８種類の条件を用いた。被験者の前方に光刺激発生装置を設置し、光刺激呈示後に上記の８種類の方法で素振り動作を行わせた。対象者には、光刺激呈示後できる限り早く素振り動作を開始するように教示した。その際、対象者の身体上部の8か所にワイヤレス筋電センサ（ロジカルプロダクト社製）を貼付し、サンプリング周波数1000Hzで計測を行った。筋電センサの貼付位置は、右僧帽筋、右三角筋前部、右上腕三頭筋、右上腕二頭筋、右撓側手根屈筋、右尺側手根屈筋、左上腕三頭筋、左上腕二頭筋の8か所とした。得られた筋電図の生体信号は、PCに取り込みBIMUTAS-Video（キッセイコムテック社製）を用いて分析を行い、光刺激呈示から各筋の筋発揮までの時間を算出した。その結果、筋発揮タイミングにおいては、大きい素振りと小さい素振りとでは、光刺激呈示から素振り動作を開始する際の最初に筋活動を行う筋が異なったものの、初期段階に活動する筋については同様の様相が見られた。
Current Status of Research Progress	Current Status of Research Progress 4: Progress in research has been delayed. Reason 依然として、コロナウィルスの感染拡大が治らない期間中での実験のため、被験者と検者の確保や日程調整に時間を要したため、予定していた計画から遅れいている。また、本研究では筋発揮タイミングによる打突動作への影響を検討することを目的としているが、本研究の本実験直前に使用予定の筋電センサと充電・データ転送装置に不具合が発生し、修理期間と被験者との再日程調整に時間を要したため、計画よりも進捗は遅れている。
Strategy for Future Research Activity	本年度の実験では、動作条件の違いにより、剣道初心者の筋発揮タイミングに違いがある可能性が示唆された。しかしながら、竹刀を構えた際の竹刀の把持力や握り方（親指と人差し指で主に竹刀を握る条件や、小指と薬指と親指の付け根で主に竹刀を握る条件）によって筋発揮のタイミングが異なる可能性が考えられた。このことから、竹刀の握り方（保持方法）の違いによる筋発揮タイミングへの影響を明らかにし、その研究成果の公開に向けた準備を進める。さらに次年度の実験では、剣道経験者を対象に操作性の異なる竹刀が筋発揮タイミングに及ぼす影響を検討し、筋電センサ及びモーションキャプチャシステムを用いて、キネティクス的分析、キネマティクス的分析から検討を進めていく予定である。