運動習慣が小児の腸内細菌叢のバランスに及ぼす影響 -4年間の縦断的調査-
Project/Area Number |
21K11585
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
|
Research Institution | Gifu Shotoku Gakuen University |
Principal Investigator |
小栗 和雄 岐阜聖徳学園大学, 教育学部, 教授 (10387516)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
春日 晃章 岐阜大学, 教育学部, 教授 (30343726)
中野 貴博 中京大学, スポーツ科学部, 教授 (50422209)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 腸内細菌叢 / 小児 / 運動習慣 / 体格 / 体力 / 運動 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、運動習慣のある5歳児30名、運動習慣のない5歳児30名を対象とし、4年間にわたって、1年に1回の頻度で、腸内細菌叢、身長、体重、体脂肪率、身体活動量(移動距離、運動強度など)、行動体力7項目を測定する。そして、以下を明らかにする。 ・運動習慣のある小児や体力の高い小児は、すでに5歳の段階で腸内細菌の総数、多様性、良性物質の産出細菌率が高い。 ・4年間にわたって、運動習慣のある小児は、腸内細菌の総数、多様性、良性物質の産出細菌率がより高い水準で維持される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、運動習慣のある小児と運動習慣のない小児を対象に、腸内細菌叢、身体活動量、体格、体力を複数年にわたって縦断的に調査し、小児における運動習慣や体力の向上が腸内細菌叢のバランスに及ぼす影響を明らかにすることである。本研究によって、運動習慣と体力向上が小児の腸内細菌叢を良好にコントロールする有効な方法であることが明らかとなれば、小児における健康の維持増進に大きく寄与することができる。 縦断的調査が可能な対象者の収集について、G県T市内の幼稚園・保育園と協議を行い、3つの園から調査の許可が得られた。また腸内細菌叢の検査は、株式会社サイキンソーと契約を行い、次世代シークエンサーを用いて16SrRNA解析を行うこととなった。 令和4年12月に本調査への参加に関する説明を90名の幼児と保護者に行った結果、54名の幼児と保護者から参加の同意が得られた。そこで、令和5年1月に、腸内細菌叢検査、生活習慣に関するアンケート調査、身体測定、3種目の体力・運動能力測定を実施し、縦断的調査を開始した。腸内細菌叢の検査項目は、保有菌の種類数、多様性指標、ファーミキューテス門・バクテロイデス門・アクチノバクテリア門・プロテオバクテリア門の比率、ビフィズス菌、乳酸産生菌、酪酸産生菌である。 これまでに得られたデータから幼児と児童の腸内細菌叢を比較した結果、幼児の菌の種類数が有意に少なく、多様性も有意に低いことが認められた。また門レベルの組成も有意に異なることが認められた。腸内細菌の各項目と肥満度の関係を幼児と児童別に検討した結果、いずれの項目でも有意な相関関係は認められなかった。これらの結果から、小児では年齢によって腸内細菌叢の特性が異なり、幼児期では腸内細菌の菌種類数が少なく、多様性が低いことが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目の昨年度に縦断的調査が可能な対象者を収集すること、腸内細菌叢の検査機関を決定することが完了しており、2年目の本年度において縦断的調査が可能な対象者について初回測定を行うことできた。また、対象者からは今後3年間の縦断的調査への参加について同意が得られており、本研究はおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
本研究では、運動習慣のある幼児と運動習慣のない幼児を対象とし、数年間にわたって、1年に1回の頻度で、腸内細菌叢、体格、身体活動量(移動距離、運動強度など)、体力・運動能力を測定することが計画されている。対象者からは今後3年間の縦断的調査への参加について同意が得られており、本研究は順調に進展することができるものと考えられる。そして、本研究から、運動習慣のある小児や体力の高い小児は、幼児段階ですでに腸内細菌叢の総数、多様性、良性物質の産出細菌率が高いこと、また小児が運動習慣を継続することで良好な腸内細菌叢を維持し続けられることが明らかになると考えられる。
|
Report
(2 results)
Research Products
(2 results)