コリン作動系修飾物を介した血液脳関門強化と抗炎症作用による認知機能介入の可能性
Project/Area Number |
21K11658
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
|
Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
柿沼 由彦 日本医科大学, 大学院医学研究科, 大学院教授 (40233944)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 康浩 日本医科大学, 医学部, 助教 (20586789)
洲鎌 秀永 日本医科大学, 医学部, 准教授 (70302461)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
|
Keywords | 抗炎症 / 鰹節熱抽出物 / 血液脳関門 / コリン作動系 |
Outline of Research at the Start |
高齢化に伴う精神神経疾患病態は脳内炎症と血液脳関門(BBB)機能低下である。この二大病態への介入ツールとして、代表者は心臓特異的non-neuronal ACh system (NNA)賦活化による中枢cholinergic pathway活性化を報告し、BBB機能増強と脳内炎症の介入方法と病態への応用可能性を報告した。一方この病態を同時に制御可能な薬物は報告されていないがNNA活性化法探索予備実験の中で、水産資源抽出物成分とコリン作動系の可能性が示唆された。昨今の新薬巨額開発費による薬価問題を顧み、抽出物成分の絞り込みと作用機序の解明は病態予防介入に繋がるため、その目的で本研究を立案した。
|
Outline of Annual Research Achievements |
鰹節熱抽出物中に含有される、抗炎症効果をもつ成分分析をさらに進め、そのうち高い活性分画を複数見出した。その中において、既知の成分としてすでに報告があるものは除き、既知物質であっても、抗炎症効果がこれまで報告されていないものについて注目し、ミクログリア由来のセルラインMG6細胞を用いて再度、抗炎症効果について検討した。 それぞれの化合物(物質)は主に低分子量を呈するものが多かったが、それらを試薬として購入できるものは購入し、それらを単独の化合物として、培地中のLPSに対するTNFα濃度を指標にして、各化合物のもつ抗炎症効果レベルを評価した。鰹節熱抽出物中にそもそも存在する濃度を参考にしながら、培地中の化合物濃度をふりながら評価したところ、単独であっても、弱いながらも抗炎症効果を示した。しかし、抽出物との比較では、予想よりも抗炎症効果が弱いことから、よってこの抽出物の示す抗炎症効果については、おそらく複数の弱い効果を示す化合物の混合体と考えられることが示唆された。 次に、同定された複数の弱い抗炎症効果をもつ化合物を、単独ではなく複数混合させて、その効果を再度検討したところ、若干ではあるが相加効果が一部認められ、少なくともその混合体に関しては、抗炎症効果を持つ組み合わせとしての一候補と考えられた。 そこで、今度はこれらの物質のなかで血液脳関門の構成蛋白claudin-5の蛋白発現を増強しうる候補物質についての絞り込みを現在行っている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の予想では鰹節抽出物中の抗炎症効果責任物質は、単体で複数見出されると考えていた。確かに高い抗炎症活性を見出す複数の分画までは、確実に確認出来るまでのレベルを得たのであるが、それらの成分分析において、確実に同定できた化合物においては、その後の単独化合物を用いた同様の実験では、どれも弱い抗炎症効果しか持ち得ていなかった。その理由としては、さらに未知の物質があって、しかし検知出来ていない可能性と、一方で、やはり弱い抗炎症効果を持つ化合物の混合体として効果を示している可能性が考えられた。したがって、どちらでも対応可能なように、今後は研究を進めていく予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
弱いながらも、抗炎症効果を示す複数の化合物の同定ができており、今後は、それぞれの単独物質またはそれらの混合体を用いて、血液脳関門構成蛋白ckaudin-5発現を増加させうる化合物について絞り込みの検討を行う予定である。さらに、iin vitroでの効果が確認できた後に、上記物質のin vivoにおける効果評価も同時に行っていく。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)