The impact of COVID-19 on childhood poverty, physique and life style
Project/Area Number |
21K11662
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
高屋 淳二 関西医科大学, 医学部, 非常勤講師 (80247923)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥3,640,000 (Direct Cost: ¥2,800,000、Indirect Cost: ¥840,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | COVID-19 / 肥満 / 低身長 / やせ / 学校検診 / ロックダウン / コロナ禍 / 小児貧困 / 小児肥満 / 小児 / 貧困 / 体格 / 生活スタイル |
Outline of Research at the Start |
コロナ禍により、心と体に変容をきたす子どもが増加している。先進国の中でも子どもの相対的貧困が高い本邦は、さらにその悪化の一途を辿ると予想される。意外にも「貧困の子どもに肥満が多い」と報告されているが、その原因は明らかではない。大阪市の小中学校にアンケートを配布して、日常生活における食事・運動・体格と心および貧困の関係を調査し、互いの関連性を分析して、肥満誘因の源を明らかにする。生活習慣病は遺伝因子と環境因子で形成されるといわれてきたが、貧困による食事の偏りを明らかにして、具体的な栄養バランスの指標と注意点を警鐘する。生活習慣病領域に対する先制医療の可能性をもたらし、その社会的波及効果は大きい。
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Outline of Annual Research Achievements |
大阪市教育委員会の協力を得て、大阪市立小・中学校の養護教諭に2020年度および2021年度の児童・生徒学校検診のデータ提出を依頼した。「子供の健康管理プログラム」ソフトにより成長異常と検出された高身長、低身長、肥満、痩せを、2018年度から2019年度の変化をコロナ流行前、2020年度をコロナ流行下・ロックダウン経験期、2021年度をコロナ流行下・ロックダウン後として学校毎の変化を対応のあるt検定で検討した。 小学生は男女とも、ロックダウン経験期に低身長と痩せが一時的にやや低下したが、ロックダウンがあけた2021年度には上昇した。高度肥満と高身長はロックダウン経験期を含め、経年的に上昇を認めた。これはロックダウン中には運動不足と過剰栄養の状況を反映したと考えられる。しかし中学生男子は、高度肥満はロックダウン経験期には有意に低下しており、痩せや低身長もロックダウン経験期には横ばいであったのが、ロックダウンを過ぎた2021年度には高度肥満とともに再上昇を示した。中学生女子においても、各成長異常群はロックダウン経験期には低下ないしは維持していたのが、ロックダウンを過ぎた2021年度には軒並み上昇傾向を示した。 小学生肥満児童の率はコロナ流行前に比べてコロナ流行後に増加し、男子で著明であった。中学生では、肥満生徒の率は、ロックダウン期には低下し、特に高度肥満女子の低下率が著明であった。痩せ生徒の率は中学生男女ともにロックダウン経験期に低下した。 コロナ流行下・ロックダウンにより小学生の肥満児率は上昇し、高度肥満が増加したが、中学生の肥満生徒の率は低下した。コロナ禍の体重増加への影響は、低年齢の学童に大きく影響を与えた。新しい生活様式において、小児の体重管理は年齢毎に注意すべき重要な課題であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大阪市教育委員会の協力を得て、大阪市内の公立幼稚園・小・中・高等学校の養護教諭に2022年5月にアンケート調査を実施し、学校検診のデータを回収した。小・中学校では成長曲線は作成されているが、高等学校ではほとんどの学校で活用されていなかった。そのため小・中学校を中心に成長曲線・肥満曲線で成長異常と抽出された高身長、低身長、肥満、痩せを、2018年度から2019年度の変化をコロナ流行前、2019年度から2020年度の変化をコロナ流行後として学校毎の変化を対応のあるt検定で検討した。 今回の調査から、小学生肥満児童の率はコロナ流行前に比べてコロナ流行下・ロックダウン経験期に増加し、男子で著明であった。高身長の率はコロナ流行後も増加したが、低身長の率は男女ともに低下した。中学生では、肥満生徒の率は、コロナ流行後は低下し、特に高度肥満女子の低下率が著明であった。痩せ生徒の率は男女ともにコロナ流行下・ロックダウン経験期に低下したことが判明した。 コロナ流行ロックダウンにより小学生の肥満児率は上昇し、高度肥満が増加したが、中学生の肥満生徒の率は低下した。この結果の解釈については、現在検討中である。コロナ禍の体重増加への影響は、低年齢の学童に大きく影響を与えた。新しい生活様式において、小児の体重管理は年齢毎に注意すべき重要な課題であることが明らかになった。 以上の結果を英文でまとめ、タイトル「Impact of the COVID-19 pandemic lock down on the physiques of school-aged children in Japan」の論文がAnnals of Pediatric Endocrinology & Metabolismに2023年2月に受理された。同内容は、2023年4月に、第126回日本小児科学会学術集会において口頭発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
大阪府医師会学校医部会・生活習慣病対策委員会・委員長の立場から教育委員会と協力して、すでに大阪市児童・生徒の大規模なデータを用いて統計的解析と科学的根拠に基づいた栄養環境の改善に取り組んできたが、コロナ禍による子どもたちへの生活、特に食事と運動面についてさらに比較検討を行う。 大阪府医師会学校医部会が作成した教育資材を用い、啓発のための講習会の前後で改善度を評価する。パイロットスタディで得られた、やせ児や肥満児が多い地域と少ない地域でモデル校を選定し、研究参加に同意の得られた児童・生徒を対象に、2次アンケートによる意識調査を実施する。アンケート内容は、食事内容と朝食の欠食率、外食の頻度、食事の好み、偏り、早食いの有無を中心にする。食事バランスのデータと身体活動の記録、体格、運動能力を比較検討する。肥満小児の生活パターンの弊害点を明らかにして、生活習慣病の予防を図る。 健康問題や体格に変容が見つかった児童生徒が、学校医に把握され、必要であれば家族に連絡後、専門医療機関への受診が、どの程度実施されているかを追跡する。養護教員と学校医の連携、またそれが家族にスムーズに伝達できているかの実態調査を3次アンケート調査と聞き取りによって調査する。 これまで、養護教諭からのアンケートによる回答から、保護者や児童生徒に説明するプリント文書が要望されているので、それに応えて作成予定である。また学校医に助言を求める際の基準や、精検票を渡す基準を生活習慣病医部会で設定し統一化する。 2023年6月21日には、大阪府医師会主催による第1回学校保健講習会で、「学童体格へのコロナ禍の影響:成長・肥満曲線ソフトの活用」の演題で、学校医と養護教諭に向けて講演予定である。成長異常が見つかった際の対応について啓発を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)