Project/Area Number |
21K11666
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Geriatric Hospital and Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
板倉 陽子 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究員 (30582746)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
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Keywords | 心臓 / 老化 / 心疾患 / 心不全 / 糖鎖プロファイル / 線維化 / 糖タンパク質 / レクチンマイクロアレイ / 高齢者 |
Outline of Research at the Start |
急速な高齢化に伴い心不全の罹患率は著しく増加し、2030年には「心不全パンデミック」になると予想される。高齢者の心不全は、生活の質を低下させる大きな要因であるが、老化に伴う心機能の低下は疾患としての認識が遅れ重症化することが多い。根本的な解決のために、心臓老化の状態を把握し機能低下の原因解明が必須である。本研究では、細胞接着や情報伝達など様々な生体内機能に深く関わる糖鎖に着目し、老化と疾患についての新たな知見を得ることを目的とする。そのために、高齢心不全患者を対象に、心臓の質的変化および性差における心臓と疾患との関連性について検討する。また、将来的な治療および予防のための糖鎖機能解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
急速な高齢化に伴い心不全の罹患率は著しく増加し、近い将来心不全パンデミックが到来すると予測される。特に高齢者においては慢性的な心不全の繰り返しが悪化を促進させるため、軽度なうちに適切な治療を受けることが重要である。しかし、心不全は様々な要因に起因するため、原因や発症機序を明確にすること、効果的な薬を判断することは難しい。また、心疾患によりもたらされる心不全は性別や年齢により異なることも知られている。そのため、まずは心臓組織の状態を詳細に検討し、性別や年齢を考慮した組織の特徴を把握することが重要である。 本研究では、病態が細胞群の加齢に伴う量的・質的変化の多様性を反映した結果と捉え、糖鎖に焦点を当てた心臓組織の変化に着目し、高齢心不全患者の検体を用いた心臓の質的変化を捉えるための特徴的な分子の検出を目的としている。そして、糖鎖ならびに糖タンパク質の動態とその機序を明らかにすることを目指している。そのために、レクチンマイクロアレイ法や組織染色を用いた心臓検体における糖鎖情報の取得に加え、加齢および疾患に関わる糖タンパク質発現情報の取得を実施している。さらに、病態、年齢、性別などを考慮した網羅的な比較を実施することで、糖鎖変化と各々の関連性について明らかにすることを目指している。また、心臓との相互作用が想定される関連臓器における糖鎖情報などを考慮することで、加齢に伴う臓器の老化と病態との相関を視野に検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度はこれまでに得られたマウス心臓における組織糖鎖の局所的な加齢変化を中心に、左室壁・心室中隔・乳頭筋などにおける糖鎖変化と細胞の特定および分子変化に関する検討を重ねた。そして、その加齢変化において、血管や組織における炎症ならびに線維化領域などの経時的な変化との相関について検討を行った。また、ヒト心疾患患者の組織検体において、糖鎖発現ならびに炎症の状態などについて観察し、マウス心臓に生じた変化と比較検討した。 一方、心不全の要因をより理解するために心臓に影響を与える周辺の関連臓器について、若齢・老齢マウスにおける糖鎖発現および炎症の状態などを引き続き解析し、臓器特異的な糖鎖の加齢変化を見いだした。 以上により、現在までの達成度は「おおむね順調に進展している」と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、心疾患患者の心臓組織の状態を把握するために患者検体における糖鎖情報の取得、組織染色による糖鎖発現領域ならびに組織変化を観察する。また、線維化においては組織検体の他、ヒト由来培養細胞・ヒト血清を用いた標的分子の解析を行い、詳細な検討を行う。 線維化発症領域およびその周辺領域の細胞等の糖鎖・タンパク質情報を解析して線維化と糖鎖の相関ならびに糖鎖の機能的意義の解明に継続して取り組み、ヒトとマウスの比較解析により、加齢ならびに病態における組織変化とその相関を明らかにしていく。 また、加齢変化の解析から得られた血管の状態および糖鎖発現変化を念頭に、血管を通して様々な臓器が心臓へ影響を及ぼすことを考慮して、加齢に伴う糖鎖変化の見られた臓器に関する詳細についてさらなる検討を重ねる。
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