個々人の体内時計に基づく食後糖代謝予測モデルの構築と糖尿病予防への応用
Project/Area Number |
21K11670
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高橋 将記 東京工業大学, リベラルアーツ研究教育院, 准教授 (30711189)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 体内時計 / 糖代謝 / 機能性食品 / 時間栄養学 / 血糖値 / 絶食時間 / 糖尿病 |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では個々人の体内時計・生活リズムを考慮した食後血糖値予測モデルを構築し、糖尿病予防に活用する。また血糖値抑制効果を有する食品や飲料摂取時における血糖値反応の個人差(レスポンダー・ノンレスポンダー)の要因を探索し、血糖値予測モデルとの併用により個別化栄養学への応用を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、個々人の体内時計・生活リズムを考慮した食後血糖値予測モデルを構築し、糖尿病予防に活用することを目的としている。また血糖値抑制効果を有する機能性食品や機能性飲料の摂取時における血糖値反応の個人差(レスポンダー・ノンレスポンダー)の要因を探索し、血糖値予測モデルとの併用により個別化栄養学への応用を目指している。 初年度に引き続き、健康な成人を対象として日常生活下における様々な生体情報を1-2週間程度取得した【研究課題 1】。なお2日間は、規定食を提供し、食事負荷試験を実施した。評価項目は、持続型血糖値センサー(評価期間は連続的に計測)、腸内細菌叢、栄養・食生活の評価(食事タイミング・食習慣に関する質問紙調査)、基本特性( 性、年齢など)、体格指標(身長、体重、BMI、体脂肪、筋肉量など)、活動量(3軸加速度計)、心拍数・血圧、その他の生活習慣などの質問紙調査などを実施した。現在の解析から、朝型・夜型といったクロノタイプ、食事のタイミング、絶食時間のタイミング(日中絶食、夜間絶食)が食後血糖値応答に影響することを示している。また、若年者を対象に、朝食時に機能性食品(桑の葉の主成分である「1-デオキシノジリマイシン(DNJ)」)を摂取する試行と夕食時に機能性食品を摂取する試行を比較し、夕食摂取時に食後高血糖値の抑制効果が高いことを明らかにした【研究課題 2】。本研究成果は、国際誌に論文投稿を行い掲載された(Takahashi et al. Eur J Clin Nutr, 2023)。現在、血糖値抑制効果の個人差要因を腸内細菌叢の関連から検討し、特定の腸内細菌叢と血糖値抑制効果の関連を示している。今後、他の機能性食品でも同様の臨床試験を実施し、血糖値抑制効果の個人差を引き起こす腸内細菌叢に違いがみられるかなどを検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度から、若齢者から中高年に至るまで様々なライフステージにおける持続型血糖値センサーの測定、各種健康関連指標の評価、実験室ベースの食事負荷試験、機能性食品を用いた臨床試験を実施した。 昨年度に引き続き、健常な成人を対象に、日常生活下における24時間連続血糖値センサー、腸内細菌叢、栄養・食生活の評価(食事タイミング・食物摂取頻度調査)、基本特性( 性、年齢など)、体格指標(身長、体重、BMI、体脂肪、筋肉量など)、身体活動量(3軸加速度計)、心拍数・血圧、その他の生活習慣などの質問紙調査を行った【研究課題 1】。主な結果として、体格や身体活動量を考慮した食事負荷量においても食後血糖値応答の個人差は大きいことが示されている。また、その要因として朝型・夜型といったクロノタイプ、食事のタイミング、絶食時間に加え、個々の腸内細菌叢の関与が示唆されている。 次に、食後血糖値に対する機能性食品(桑の葉の主成分である「1-デオキシノジリマイシン(DNJ)」)を摂取するタイミング(朝食と夕食)の影響を比較した【研究課題 2】。食事負荷量は、【研究課題 1】と同様とし、本研究における朝食試行は午前8時、夕食試行は18時から開始した。それぞれの試行において空腹時、食後30分、食後60分、食後120分、食後180分に採血を行い、血液分析項目としてグルコース、インスリン、インクレチンを評価した。主な結果として、夕食時におけるDNJ摂取は、食後高血糖値の抑制効果が高いことを明らかにした【研究課題 2】。現在、DNJに伴う血糖値抑制効果の個人差要因を腸内細菌叢の関連から検討し、特定の腸内細菌叢と血糖値抑制効果の関連を示している。今後は、別の機能性食品を用いて血糖値抑制効果の個人差と腸内細菌叢の関連を検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定として、【研究課題1】のデータベース化を進める。現時点で、食後血糖値をメインアウトカムとし、機械学習 を行い、個人の食後血糖値を予測するアルゴリズムを作成しているが、精度の高い血糖値予測には至っていない。 他の機械学習や分析手法により血糖値予測を検討するとともに、サンプル数を増やす。 次に、【研究課題 2】で使用した別の機能性食品における血糖値反応の個人差(レスポンダー・ノンレスポンダー)の要因を探索する。具体的には、これまでの検討で血糖値抑制効果が高かった食物繊維を用いて、朝食と夕食時の血糖値抑制効果の個人差に及ぼす因子を探索する。対象者30名程度を対象に、朝食時に食物繊維あるいはプラセボを摂取する試行と夕食時にこれらの飲料や食品を摂取する試行を比較する。評価項目は、【研究課題1-2】と同様に、24時間連続血糖値センサー、腸内細菌叢、栄養・食生活の評価(食事タイミング・食物摂取頻度調査)、基本特性( 性、年齢など)、体格指標(身長、体重、BMI、体脂肪、筋肉量など)、身体活動量(3軸加速度計)、心拍数・血圧、その他の生活習慣などの質問紙調査とする。特に、個人の腸内細菌叢に着目し、特定の菌叢と食後血糖値抑制効果の関連を探索する。現在、食物繊維を用いた試験計画をヒトを対象とした倫理委員会に申請中であり、承認され次第、試験を開始する。成果発表については、国内外の学会発表を予定しており、国際誌への論文投稿も行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)