中高齢期から始まるタンパク質品質管理システムの破綻に関する研究
Project/Area Number |
21K11710
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
|
Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高橋 良哉 東邦大学, 薬学部, 教授 (40197190)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
|
Budget Amount *help |
¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
Fiscal Year 2023: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2022: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
|
Keywords | 老化 / 異常タンパク質 / プロテアソーム / タンパク質分解 / 熱ショックタンパク質 |
Outline of Research at the Start |
申請者は中高齢期からの死亡率増大とともに異常タンパク質が急増することを見出した。さらに、タンパク質管理システム自身も異常化していることを発見した。しかし、何故タンパク質品質管理システム自身の異常が修復されずに残り続けているのか不明である。加齢に伴うタンパク質品質管理システムに関わるタンパク質の活性、遺伝子発現に関する研究は世界的に行われているが、それらのタンパク質自身の異常に着目した研究は少ない。本申請では、プロテアソーム分子の異常に焦点を絞り、この分子に加齢に伴いどのようなタイプの異常が生じているのか、何故異常なプロテアソーム分子自身が分解されずに老齢組織に蓄積するのかを明らかにする。
|
Outline of Annual Research Achievements |
タンパク質品質管理システムの異常は、タンパク質の異常化体の蓄積をもたらし、多くの細胞機能を急速に悪化させる要因のひとつである。本研究はタンパク質品質管理システムに関わるプロテアソーム自身の加齢に伴う異常の原因を明らかにすることを目的としている。本年度は、研究実施計画の(研究1)の「加齢に伴うC2サブユニットの変化」を若齢、中齢および老齢のラット肝臓を用いて調べた。等電点イムノブロット解析の結果、C2サブユニットの等電点は若齢から中齢期までは変化しないが、老齢期では複数の等電点の異なるものが現れることを明らかにした。しかし、N3、C7、C9サブユニットには加齢変化が認められなかった。次に、老齢ラット肝臓のプロテアソームC2サブユニットの翻訳後修飾(研究2)とプロテアソームの安定性(研究3)を調べるためには精製したプロテアソームが必要である。そこで昨年、ウサギに免疫して作成したC2サブユニットポリクローナル抗体を血清から精製し、C2抗体カラムを作成した。この抗体カラムを使用し、次年度は、加齢で現れる翻訳後修飾の解析を進めることにする。なお、解析ターゲットは、これまでの解析結果に基づき、C2サブユニットとし、質量分析による翻訳後修飾プロファイリング解析を進めるのと並行して、既知の異常翻訳修飾体(カルボニル化、AGE化、NO化、Met残基やCys残基の酸化など)の解析を特異的化学反応や特異抗体により解析する。さらに、老若ラット肝臓由来の精製プロテアソームに対するプロテアーゼに対する感受性や熱力学的な安定性を調べ、加齢に伴う異常プロテアソーム蓄積の原因に迫る。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大の影響は、本年度は、昨年度と比べ小さくなったが、大学教育や研究に今でも少なからず影響をもたらしている。当該年度は申請者の講義は、感染した学生への対応などに時間を割かれ、研究活動にも影響したのは紛れもない事実である。しかし、最近、新型コロナウイルス感染への対応が大幅に緩和される見込みとなったことから、研究に時間的な余裕が生まれ、実験計画の遅れが取り戻せると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画の(研究1)に関しては、19Sプロテアソームサブユニットの解析は遅れているが、特異抗体を入手できれば目的は達成できる。プロテアソームの翻訳後修飾(研究2)および安定性(研究3)に関しては、精製プロテアソームあるいは精製C2サブユニットが必要となるが、精製に有効な抗体カラムがその後の分析に必要な量を得るのに必ずしも十分でない。抗C2抗体カラムの作成や精製条件を検討し、さらにその後の分析を微量で行えるように工夫することで研究を効率的に進める予定である。
|
Report
(2 results)
Research Products
(26 results)