Project/Area Number |
21K11733
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 59040:Nutrition science and health science-related
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
佐藤 真治 帝京大学, 医療技術学部, 教授 (60529973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 穣 関西医科大学, 医学部, 教授 (60298859)
泉 美帆子 帝京平成大学, 健康メディカル学部, 講師 (60511128)
都竹 茂樹 熊本大学, 教授システム学研究センター, 教授 (70467869)
黒瀬 聖司 関西医科大学, 医学部, 講師 (80825951)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2023: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 社会的処方 / 主観的幸福感 / 社会的孤立 / 高齢者 / 身体活動量 / ヘルスプロモーション |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では、地元医師会と協力して、かかりつけ医と市民活動をつなぐ「社会的処方」の実践が社会的孤立リスクが高い高齢者の身体活動量を増進するという仮説を検証するために、ランダム化比較試験をおこなう。介入期間は1年間。メインアウトカムを身体活動量(ウエラブルセンサー)、サブアウトカムは社会的孤立の程度(質問紙)として、介入前と1年後に測定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
新型コロナウイルス感染症拡大を経て高齢者の社会的孤立が大きな社会課題となっている。我々は、この課題への対処の一つとして社会的処方に着目した。社会的処方とは、医療提供者とリンクワーカー(医療と地域の橋渡し役)が協働して社会的孤立のリスクのある患者を地域の人のつながりにつなぐものである。本研究の目的は、社会的孤立のリスクが高い都市部在住の高齢者を対象に社会的処方の有効性を評価することである。 対象は、東京都杉並区周辺在住で社会的孤立のリスクが高い65歳以上の高齢者とした。参加者はリンクワーカーによって様々な地域活動に斡旋された。主な評価指標は、身体活動量と社会的孤立の有無、主観的幸福感、フレイル尺度であり、6か月間の介入前後で比較された。 研究対象候補者として紹介された24人のうち孤立に該当した者は7人(29.2%)であった。そのうち活動開始から半年後の測定会を待たずして脱落した者1人(継続率:85.7%)であった。参加者のベースライン特性と活動参加状況は、対象者は男性4(66.7%)、年齢は平均78.2歳であった。リンクワーカーによって斡旋された活動は、対象と若者が連れ立って街中を散歩する「高円寺夕焼け散歩」や演劇ワークショップの要素を取り入れた「演劇散歩」などであった。介入後、全ての対象の社会的孤立状況は改善した。また、身体活動量と主観的幸福感、フレイルスコアは改善傾向を認めたが、統計学的に有意ではなかった。 社会的孤立のリスクが高い高齢者を対象にした社会的処方は、社会的孤立を解消し、身体活動量や主観的幸福感、フレイル尺度を改善する可能性がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題は、当初は介入研究として始めたが、研究開始早々に対象地区(東京都杉並区・中野区)が新型コロナウイルス感染症急拡大に見舞われ、リクルートを担う医療機関から協力を得ることが困難となった。すなわち、クラスター=クリニックが機能せず、割り付けができていない。また、対象組入フローとして,当初の組み入れ基準“同居者以外との対面・非対面の交流が週一回未満の状態”は現実的でなかったため、研究対象者数が不足した(今後“同居者以外との対面の交流が週一回未満、もしくは独居の状態”への変更する予定)。一方、リンクワーカー(医療と地域の橋渡し役)の活動は地域でのアクセプタンスが高く、今後対象者数が増えれば主観的幸福感(ウェルビーイング)などに効果を期待できる。現在、このリンクワーカー主導の社会的処方を東京都医師会や企業と協働して東京都下全域に広げる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、さらに大規模かつ長期的な検証を行うために、リンクワーカーの養成体制を整備し、社会的処方に関わる関係者(医療機関、企業、行政、地域のステークホルダー)が情報共有するためのプラットフォーム構築が求められる。 また現在、研究成果の論文化に着手しており、今年度中には報告できる予定である。
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